共通テストを利用できる医学部はどこ?
使う科目もチェック!

医学部コラム

国公立大学を受ける人はもちろん、私立大学の共通テスト利用入試を利用することを目的として受験する人も多い共通テスト。
もちろん、医学部医学科でも共通テスト利用入試を取り入れている学校は存在します。

 

今回の記事では、どの医学部で共通テスト利用入試が行われているのか、どの科目が必要なのかを解説します。
「私大しか受けないから、共通テストは必要ない」と考えずに、一度チェックしてから考えてみるといいかもしれませんよ。

 

共通テスト利用入試とは

 

共通テスト利用入試とは、大学入試センターで1月の中旬に行われる共通テストの結果を使って合否判定をする私大の入試のこと。

 

・共通テストの結果「のみ」で合否判定が行われる(単独型)
・共通テストの結果と大学ごとの個別試験を合わせて合否判定が行われる
(併用型)

 

上記の2つのタイプがあり、大学ごとにどちらか片方、あるいは両方を採用しています。

 

共通テスト利用入試のメリット

 

共通テスト利用入試には、以下のメリットがあります。

 

・遠隔地まで受験しに行かなくてもいい
・大学ごとの個別試験を受けなくていい、あるいは個別試験の負担が軽くなる
・受験料が安い
・チャンスが増える

 

共通テスト利用入試は、単独型であれば共通テストのみで一次試験が終わるため、大学に行くのは二次試験だけでOK。
医学部受験でよくある「入試日程が被ってしまってどちらかしか受験できない」「弾丸ツアーになってしまう」などの問題が減らせるのです。

 

また、単独型なら個別の一次試験対策をしていない大学でも受験できますし、併用型でも大学の個別試験のウエイトが低くなります。
そのため、試験勉強の負担を少なくしたままより多くの大学への出願が可能です。

 

共通テスト利用入試は、他の方式に比べて割安なのも大きいメリット。
また、その大学の行う他の方式の入試との併願ができるので、受験チャンスの増加にもなります。

 

共通テスト利用入試のデメリット

 

共通テスト利用入試にはデメリットもあります。

・一般入試に比べ倍率が高くなりがち
・共通テスト受験前に出願が締め切られてしまうことが多い
・募集人員が少ない

 

1番のデメリットはやはり倍率。
簡単に受けられるので募集人員に対して多くの人が出願することから、一般入試よりもさらに高い倍率になります。

 

一番高い帝京大学では、受験者に対する合格者の倍率は48.9。
後期試験や一部の地域枠並みの高い倍率になるため、非常にシビアな戦いになるでしょう。

 

また、共通テストの結果を見てから出願できる大学が少ないのも特徴。
テストの結果が予想外に良かったor悪かった場合、「あの大学に出願しておけばよかった」と後悔してしまうこともあります。
共通テスト利用入試を検討するのであれば、より幅広い大学への出願を考える必要があるでしょう。

 

医学部の共通テスト利用入試の特徴

 

医学部の共通テスト利用入試には、「定員に比べて合格者が多く出がち」という特徴があります。
というのも、医学部受験全体で言えることですが、国公立大学や一般入試で受かった学校に進むケースが多く、辞退者が出やすい傾向にあるからです。

 

たとえば、杏林大学では前期10人の枠に対し20人の合格者が出ています。
また、東京医科大学では17人が繰り上げ合格しました。

 

共通テスト利用入試でも、見た目の定員以上に合格者はでているのです。
実際に定員に対しどの程度の辞退数を見込んで合格者を出すかは大学、あるいはその年によって異なりますが、「どうせ受からない」と考えて出願しないのはもったいないかもしれません。

 

共通テスト利用ができる医学部はここ!

 

大学 方式 使用科目 定員
国際医療福祉大学 英・数・理×2・社・国 15 二次選考に英語あり
獨協医科大学 英・数・理×2 10
埼玉医科大学 英・数・理×2・国 10
杏林大学 前期 英・数・理×2 10 二次選考で英語記述試験あり
後期 英・数・理×2 5 二次選考で英語記述試験あり
順天堂大学 前期 英・数・理×2・社・国 10
共通テスト併用 英・数・理×2・社・国 12 理科と英語の学力試験あり
東京都地域枠 英・数・理×2・社・国 10 理科・英語・数学の学力試験あり
新潟県地域枠 英・数・理×2・社・国 2 理科・英語・数学の学力試験あり
千葉県地域枠 英・数・理×2・社・国 5 理科・英語・数学の学力試験あり
埼玉県地域枠 英・数・理×2・社・国 7 理科・英語・数学の学力試験あり
静岡県地域枠 英・数・理×2・社・国 5 理科・英語・数学の学力試験あり
茨城県地域枠 英・数・理×2・社・国 2 理科・英語・数学の学力試験あり
後期 英・数・理×2・社・国 5 二次で英作文試験あり
帝京大学 英・数/理/国より2つ
(数Ⅰ・数ⅡでもOK。
ただし数学2科目の組み合わせは不可)
10 二次で英語(長文読解)あり
東海大学 英・数・理×2 10
神奈川県地域枠 英・数・理×2 5
静岡県地域枠 英・数・理×2 3
東京医科大学 英・数・理×2・社・国 10
愛知医科大学 前期 英・数・理×2・国(現代文のみ) 15
後期 英・数・理×1・社・国 5
愛知県特別枠B 英・数・理×2・国(現代文のみ) 5
藤田医科大学 前期 英・数・理×2・国(現代文のみ) 10
後期 英・数・理×2・国(現代文のみ) 5 二次で総合問題あり
大阪医科大学 英・数・理×2・国(現代文のみ) 10
関西医科大学 前期 英・数・理×2・社・国(現代文のみ) 12
後期 英・数・理×2 5(一般の後期と合わせて)
共通テスト併用 英・数・理×2・社・国(現代文のみ) 13
近畿大学 前期 英・数・理×2 5
中期 英・国or数ⅠA・理×2 3
後期 英・国/数ⅠA/理科から2つ 2
産業医科大学 英・数・理×1・社・国 80 二次で数・理・英の学力試験あり
福岡大学 Ⅰ期 英・数・理×2・国(現代文のみ) 5

 

基本的には、利用する共通テストの科目により以下の3つのパターンに分けられます。

 

・英・数・理×2(3教科型)
・英・数・理×2・社・国(5教科型)
・英・数・理×2・国(現代文のみ)(4教科型)

 

これに当てはまらないのが帝京大学と近畿大学の中期・後期。
帝京大学は「英・数/理/国より2つ」で受験が可能、かつ私大医学部のセンター利用で唯一「数Ⅰor数Ⅱ」の選択が可能です。

 

二次試験でも英語の長文しか課されないため、数学が苦手だが英語や国語の得意な受験生は有利になるはずです。

 

近畿大学の中期でも国語と数学どちらか高得点の方、後期では国語・数ⅠA・理科から高得点の2科目で合否判定が行われます。
こちらも二次試験での数学や理科の出題はないため、数学が苦手な人にとっては嬉しい大学と言えるでしょう。

 

ただし、数学Ⅰを受験してしまうと上記2校以外への併願や、国公立受験が難しくなってしまいます。
どのような戦略を取るか、よく考えて入試科目を選択しましょう。

 

また、関東の大学の場合は国語の古典も課されますが、中部以西の大学では現代文のみが試験範囲となっている大学が多く見られます。
古文・漢文は暗記するのに少し時間が必要ですが、一度覚えてしまえば安定して得点を取りやすい部分でもあります。

 

国公立はどこを受験するか、あるいはどの大学を併願するか、現代文のみと古典あり、どちらのほうが点数が取れるかなどから戦略を立てましょう。

 

共通テスト利用のボーダーはどれくらい?

 

共通テスト利用のボーダーラインは、どの大学でも80代後半〜。
共通テスト併用型のボーダーのほうが若干高めに出る傾向があります。

 

センター試験のときに比べれば若干下がったとも言えますが、共通テストはセンターに比べ問題は難しくなっているため、実際の難易度は変化していないと考えられるでしょう。

 

詳しくはこちらの記事で解説されています!

 

共通テスト利用入試も選択肢に入れておこう!

国立大学を受験するのであれば必須の共通テスト。
私大でも共通テスト利用ができる医学部は数多くあります。

 

共通テスト利用入試は、個別の試験対策などを行わなくても簡単に受験できるのが特徴。
国立志望の人はもちろん、私大専願の人も「私大専願だから共テはいらない」と考えてしまわず、可能であれば利用を検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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