大学入試に評定平均値はどう関わってくる?計算方法も知っておこう!
学期ごとに偏差値に記される、学校の勉強の評価である「評定」。
高校受験などを受けている人だと、「内申点のこと」と説明されるとわかりやすいかもしれません。
悪いよりはいいほうが良い気がする評定ですが、入試においてどのように関わってくるかご存知でしょうか。
今回の記事では、大学受験において評定平均はどのように重要なのか、あるいは必要ないのかについて説明します!
受験形式によって必要かどうかが大きく異なってくる評定平均、自分の場合はどうなのかを考えてみましょう!
Contents
評定平均とは
評定平均とは、簡単に言ってしまえば「成績表の各教科の評価を全部足して割ったもの」です。
学期末にもらう通知表には各教科の評価が1〜5で記されていますよね。
その数値の平均が「評定平均」です。
新しく「学習成績の状況」と言われることもありますが、ほぼ評定平均と意味は同じです。
例えば、通知表で以下のような評点だったとしましょう。
国語 | 国語総合 | 5 |
現代文 | 4 | |
古典 | 4 | |
地理歴史 | 日本史A | 5 |
世界史A | 4 | |
数学 | 数学Ⅰ | 5 |
数学A | 5 | |
理科 | 生物基礎 | 3 |
化学基礎 | 4 | |
保健体育 | 保健 | 4 |
体育 | 3 | |
外国語 | コミュニケーション | 5 |
英語表現 | 5 | |
家庭基礎 | 家庭基礎 | 3 |
この場合、この学期の評定平均は
(5+4+4+5+4+5+5+3+4+4+3+5+5+3)/14=4.2142……
と計算するので、「4.2」になります。
ちなみに、通常「評定平均」というと「それまでの高校での全ての履修科目の平均」を指します。
学校推薦型選抜などで使用する場合は「高校3年生の1学期まで」が範囲です。
主要教科以外の科目(体育や芸術など)も大切な評点になりますので、高い評定平均を取りたい人は高校1年生の1学期から意識して勉強に取り組む必要がある点に注意しましょう。
5段階評価ではない時には注意!
学校によっては、100点満点や10段階評価、ABCなどで通知表が書かれている場合もあるでしょう。
その場合は、最初に学校独自の点数評価を5段階評価に変換してから計算を行います。
この時、同じ評価方法でも学校ごとに換算方法が異なる点に注意しましょう。
10段階評価でも、10と9のみが5となるケースや10・9・8が5扱いのケースがあります。
間違えてしまうと大幅に評定平均が変わってしまうことになりかねませんので、不明なときは学校の先生に聞き、正確な換算方法を把握しておきましょう。
学習成績概評との関係
学校の成績を5段階で表す似たものとして「学習成績概評」もあります。
これは、「評定平均(学習成績の状況)を、更に5段階のアルファベットでランク付けして表したもの」のことです。
対応は以下のようになります。
評定平均(学習成績の状況) | 学習成績概評 |
5.0~4.3 | A |
4.2~3.5 | B |
3.4~2.7 | C |
2.6~1.9 | D |
1.8以下 | E |
また、学習成績概評がAの人のうち特に学力と人間性が優れている人に対してはAに丸をつけて表される場合があります。
(参考:文部科学省・平成33年度大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告の改正について)
評定平均に影響するもの
評定平均を上げたいのであれば、ただ単にテストでいい点を取ればいいだけでは不十分なことも。
学校や先生にもよりますが、通知表の評価にはテストの点数以外にも「出席」「提出物」「授業に積極的に参加しているかどうか」なども関わってきます。
「テストで点数取れてれば他はいいや」ではなく、実験や実技などにも積極的に参加し、提出物を溜め込んだりすることのないようにしましょう。
大学受験にどう関わるのか
評定平均が大学入試に関わるケースは「学校推薦型選抜」と「公募型選抜の一部」です。
学校推薦型選抜の場合は、指定校制の場合でも公募制の場合でも評定平均が出願条件の1つとして課されるため、高い評定平均を取る(目安は4.0〜4.5以上)ことが必須となります。
特に学校推薦型選抜の場合、1つの学校から推薦できる人数は限られています。
そのため、構内で希望者多数となった場合、基本的には学校内でより成績が良い人=評定平均がより高い人が選出される傾向にあります。
そのため、絶対に推薦狙いで受験したいならば、「推薦の条件をクリアすること」ではなく、「校内のライバルたちよりも高い評定平均を取る」ことを目標としなければなりません。
また、公募型選抜でも、学校推薦型選抜ほど高いレベルのものではありませんが、評定平均が条件になる場合があります。
学校推薦型選抜、あるいは公募型選抜で大学受験を考えている場合は最低でも4.0の評定平均をキープできるようにしておきましょう。
学校推薦型選抜や公募型選抜に興味がある人はこちらの記事もどうぞ↓
一般入試で使用するケース
一般入試でも学校の成績表は提出しますが、基本的に評定平均は入試結果に関係ありません。
ですから、一般入試だけで受験をしたい、という場合は評定平均を気にする必要はありません。
ただし稀に、面接試験が実施されるケースでは参考程度に見られる場合もあります。
とはいえど、例えば「ものすごく評定平均が低い」「出願学部・学科と評定が一致していないように見える(文学部志望なのに国語が1や2など)」など、特別試験官の興味を引くような内容がなければ評定については話題にはなりませんし、点数化されて入試結果に関わるということもあまりありません。
(もし点数化される場合は、その旨が入試要項に書かれているはずです。しっかり要項を見ておきましょう!)
奨学金にも関わる
奨学金をもらって進学する場合も、評定平均が必要な場合があります。
というのも、大学生が利用する奨学金としてメジャーな「日本学生支援機構」の第一種奨学金(利子なし)を給付する条件の1つに
「高等学校等における申込時までの全履修科目の評定平均値が、5段階評価で3.5以上であること」
とあるからです。(参照:進学前(予約採用)の第一種奨学金の学力基準 | JASSO・進学後(在学採用)の第一種奨学金の学力基準 | JASSO)
こちらの条件を満たさなくても第一種奨学金の給付を受けられる可能性はありますが、多くの人はこの条件を利用すると思います。
奨学金を受けて進学を希望する場合は、高校時代から真面目に勉強をするようにしておきましょう。
また、数値こそ示されていないものの第二種奨学金(利子あり)の給付条件の1つにも
「出身学校または在籍する学校における成績が平均水準以上と認められること」
というものがあります(参照:進学前(予約採用)の第二種奨学金の学力基準 | JASSO・進学後(在学採用)の第二種奨学金の学力基準 | JASSO)
高い水準が要求されているわけではありませんし、こちらも必ずしも満たさなくてはいけない条件ではありませんが、こちらの場合でも極端に評定平均が低いのは給付審査の際にマイナスになってしまうでしょう。
「推薦狙いで偏差値低めの学校に行く」はありか?
高校受験の時に「推薦で受験したいから、自分が合格できる学校よりも少し偏差値が低めの学校に進学する」という話を聞いたことはないでしょうか?
それは、この評定平均が関わっています。
評定平均はあくまで「学校内での成績」を数値化したものなので、偏差値の高い学校で中位の成績を取るよりも、少し偏差値が低めの学校で上位にいるほうがよい評定平均になります。
そのため、学校推薦型選抜(特に指定校制)を受験したいのであれば、「絶対に自分がその学校で上位をキープできる」高校に行くという戦略が取られることがあるのです。
この戦略は、目論見通り学校推薦型選抜で受験・合格できた場合はいいのですが、そうではない場合のリスクが大きい点に注意が必要です。
例えば生徒会長になれなかったり、評定平均が自分よりいいライバルがいたなどの理由で指定校推薦の座を取られてしまったり、あるいは公募制に応募したけれども不合格だった場合などです。
学校にもよりますが、「偏差値の高い学校の中位」のほうが「それより少し偏差値が低めの学校の上位」よりも上位の偏差値である、ということは珍しくありません。
そのため、一般入試を受験する場合は「おとなしく自分に合った偏差値の学校に行っていたほうが良かった」となってしまう可能性があります。
リスクをとっても推薦や公募制にこだわるか、それとも指定校推薦は諦めて一般入試を目指して頑張るか、自分の志望校や学力と相談して考えてみましょう。
学校推薦型選抜・公募型選抜を希望するなら評定平均も大切
高校の5段階評価を平均した数値である評定平均(学習成績の状況)。
一般入試を根ざす場合には気にする必要はありませんが、学校推薦型選抜や公募型選抜を希望するのであれば重要な要素の1つとなります。
評定平均はその計算方法上、突然伸ばすことはできません。
普段の授業を真面目に受け、コツコツと定期テストで良い点を取り続けるのが唯一の方法です。
奨学金を受けて進学したい場合にも評定平均が問題になるケースもあります。
あとになって「こんなつもりじゃなかったのに!」とならないよう、一般入試と学校推薦型選抜、どちらを受験するかには関わらずある程度の評定をキープしておくようにしましょう!
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