杏林大学2名の医学部合格体験記! 受験勉強から大学生活、希望進路まで
今回は2名の杏林生にインタビューしました。
1人目はこちらの方です!
【お話を聞いた方】
Sさん
【学校・学年】
杏林大学医学部 3年生
【現役・既卒】
1浪
Contents
予備校は往復4時間!?医学部合格までの道のり
1浪して医学部に合格されたSさん。
今回は勉強漬けだったという予備校時代の話を中心に伺いました。
予備校での勉強スタイル
– Sさんは、1年浪人されて医学部に合格されたんですよね?
Sさん:はい。現役の時は大手予備校に行っていましたが、浪人時は医学部専門の予備校に通いました。
– 大手予備校と医専では、勉強のスタイルは違いましたか?
Sさん:そうですね、大手予備校の時は「理解して、問題を解けるようになろう」というスタンスでしたが、医専は「とにかく覚えなさい!」という詰め込み教育系でした。
塾長からは「つるむと勉強しなくなるので友達を作るな」とも言われていましたし、スパルタでしたね。
医専は大学の入試や面接についての資料が豊富でしたし、入試問題と自分の相性を考えて細かいアドバイスをくれたりと、とても面倒見の良い面もありました。
ただこれは医専ごとのカラーも結構あると思います。
– どうしてその医専を選んだのですか?
Sさん:実績ですね。
実際に高校の先輩が通っていて、とても成績が伸びていたんです。
私も、通ったら全体的に点数が伸びました。
– 1日にどれくらい勉強しましたか?
Sさん:「朝8時から夜の22時まで勉強するように。そうした人は受かっている」と言われ、それに従って朝から夜まで予備校で勉強していました。
代わりに家では一切勉強していません。
実家から毎日2時間かけて通学していましたが、家に帰ると12時近かったですね。
土日も必ず予備校に通いましたが、辛かったです……冬場は電車の中で泣いたこともありました。
私の受験時はまだ女子医学生差別も問題になっていなかったので「女子だからより高い点数を取らなきゃ」とも思っていましたね。
医者は神様じゃない!?大学に入ってから感じたこと
勉強も部活もエンジョイ!大学生活について
– 今は大学3年生なんですよね。印象に残った授業などありますか?
Sさん:やはり解剖ですね!
ご遺体を実際に見るのは興味深かったです。
臨床科目に入ってからの勉強は、量は膨大ですがとても面白いです。
– 医学部生になって、医師に対する見方が変わったりしましたか?
Sさん:自分が今まで医者にかかっていた時は、「自分の病気について全て理解してくれる」と思っていたのですが、本当は全然わからないんだな、ということを感じますね。
「医者は神様だ」と思っている節があったけれども、実際は全然そんなんじゃないんだな、と。
実際は短い診療時間の中で患者さんの症状を理解し、そこから病気を導き出して診断をつけないといけませんし、医学にできることっていうのも限られているんです。
「医者は神様じゃないよ!何でもできるわけでも、わかるわけでもないんだよ!」って親にも言ってます。
– バイトなどはしていますか?
Sさん:バイトはしていません。
親が「私は医療従事者じゃないから、少しでも横のつながりを作っておきなさい」と言ってくれたので、それに甘えて部活を楽しんでいます。
実際に部活で他大学の人と接する機会もあるので、各病院の特色等の情報を得たり、これから役に立ちそうな人脈を作ったりしています。
親には申し訳ないけど、とてもありがたいです。
ただ、ほとんどの人はバイトしていますね。
あまり普通の大学生と変わらないと思います。
どんな診療科目に進みたい?医学部生の進む道
自分のこれからと、これから受験する人へ伝えたいこと
– これからどうなりたいかなどの思いはありますか?
Sさん:開業する気はないので、勤務医1本で行きたいと思います。
外科に行きたいと思っています。
– 外科って体力仕事で大変、とよく聞きますが?
Sさん:ポリクリ(臨床実習)で回る人からは「外科は朝早いから大変」などとはよく聞きます。
ですが、内科より自分の性格に外科のほうが合っている気がするんです。
内科は論理的に「こういう症状だからこの病気だろう、だからこの薬を処方しよう」と考えるのですが、それよりも実際に開けて病気を見たほうが話が早い!と私は思っちゃうので。
– 留学などは考えていないのですか?
Sさん:大学でイギリスの大学と提携しているプログラムがあり、それでイギリスに3週間行きました。
イギリスの医療制度を調べて発表したり、医療面接を英語で行う練習をしたりしました。
– 日本との違いはどのような点にありましたか?
Sさん:日本だと「耳が痛いから耳鼻科」「熱が出たから内科」と病院を選択してかかりますよね。
ですが、イギリスだと総合医にまずかかり、症状が重い場合などはそこから紹介状をもらって耳鼻科などにかかるシステムです。
そのため、専門医の診察を受けられるまでに時間がかかります。
がんの告知をされていてもその待ち時間のうちに悪化してしまうという話も聞きますし、この点については私は日本のほうがいいなと思いました。
ある程度病気に対しての治療は決まっていますが、日本なら皆保険制度もありますし、自分で病院を選択して気軽に診療を受けられるというのは大きいと思います。
もちろん、イギリスはホスピスなどが日本より圧倒的に数も多く整備されていますし、皆保険制度にも問題はあると思うので、一概に全て日本のほうがいい、というわけではないです。
– 受験生へのメッセージをお願いします。
受かってから思うのは「得意があるのはいいな」ということです。
予備校では「英語がなければ受かってない」と言われました。
私は、現役時に英語の勉強をほぼ終わらせて、浪人時代はその維持程度しか英語の勉強をしませんでした。
成績的にも精神的にもそれが支えになり、弱点に集中して勉強できました。
特に物理は偏差値27くらいからの始まりで分からないことだらけだったのですが、安心して集中することで底上げができました。
2人目はこちらの方!
【お話を聞いた方】
Sさん
【学校・学年】
杏林大学医学部 5年生
【現役・既卒】
2浪
医学部に合格するまで
2浪で医学部に合格されたSさん。
今回は、Sさんが医者になろうと思った理由と、面接の体験談をお伺いしました。
グループ面接の経験談についてもお話しいただきましたよ!
どうして医者を目指したのか
– なぜ医師になろうと思ったのでしょうか?
Sさん:もともと小学生の時に祖母が亡くなって、その頃から漠然と医者になりたいとは思っていました。
私が高校1年生の時にいとこが亡くなり、周りの人が悲しんでいるのをみて「人の死が与える周りの人への影響」みたいなのを痛感したのが決定的でしたね。
人の死に直面して、病気などをストレートに治すのは医者しかないと思ったんです。
– 現役の時からずっと医学部1本なんですか?
はい。医学部以外は受けませんでした。
でも、高校生の時は本当に勉強していなくてひどかったですね。
赤本もまったく解けなくて、会場にも行きたくない感じでした。
ただ、多浪で女性だと相当不利になると思ったので、2浪の時は心がゆらぎました。
両親とも薬剤師だったので、薬剤師もいいな、あとは看護師も魅力的だな、と。
ただその時父に
「2浪までして別の学部行ったら相当後悔するよ。特に薬剤師になると常に医者と接するから、『あーこれになれなかったんだ』とずっと思い続けることになるんだぞ」
と言われて、できるだけはやってみようと思って頑張りました。
二次試験の内容について
– どの学校を受験しましたか?
Sさん:中堅どころですかね……。結構受験日程がかぶってしまって受けられなかった所も多いのですが、最終的には金沢、帝京、埼玉医大、国際医療、杏林が補欠合格になりました。
– 圧迫面接などはありましたか?
Sさん:学校によってはありましたね。
杏林は、結構面接官によって差があるかもしれません。
「圧迫面接だった」と話す友達もいるので。
ただ、先生によると「落とすつもりでやってない。人として大丈夫かのチェックとしてやっている」そうです。
あと、金沢医大のグループ面接はしんどかったです。
ディスカッションがあって。
– グループ面接!何かコツなどありますか?
Sさん:集団討論で合格するポイントは「リーダーシップ」ではなく「協調性」ですね。
ディスカッションの時って、どうしても自分が仕切ったり、自分の意見を喋らなくちゃ!と頑張りがちなんですけど、それはダメですね。
自己主張が強すぎるのは良くない。
たくさん喋るのではなく、変に出しゃばらないようする、周囲と合わせるようにするのが大切かな、と。
医学部以外の人との交流は部活が中心
医学部や看護学部は、授業が他学部とかぶらないことやその雰囲気から、なんとなく距離を置かれてしまうイメージがありますよね。
Sさんには、医学部以外ではどんな人と交流があるのかについてお伺いしました。
やはり、他の学校や他学部とは部活を中心とした繋がりになるそうですよ。
他学部や他の学校との関わりはある?
– 他大学とのつながりはありますか?
Sさん:部活だとありますね。
私は卓球部なんですけど、東医体(東日本医科学生総合体育大会)だと北関東ぐらいの学校と会いますね。
東日本医歯薬卓球大会という大会になると国立私立関係ないですし、旭川とかの学校とかも参加しています。
慶応や医科歯科などと交流があります。
自治医大の人と一緒に練習した時は、駅までの送迎があった上にご飯食べに行くのも一緒に連れて行ってくれて。
人間性というか……めちゃくちゃもてなされてびっくりしました!
– 他学部の人と仲良くなったりすることはありますか?
Sさん:やっぱり卓球部繋がりですね。
杏林の場合、医学部・看護学科が三鷹にあって他の学科と離れているので、普段はあまり関わりはないんです。
それに、他学部の人からは我々が怖がられている雰囲気がありますね。
そんなふうに思わないんでほしいんですけど。
臨床工学部の友人に数3を教えた時に、「医学部の人って頭いいから『こんなのもできないの?』と言われるかと思った〜」と言われたこともあるので。
– 医学部内では、どんな感じで友人ができていくんでしょうか?
Sさん:最初はあいうえお順になっているので、その時近くにいる人と話す感じですかね。
普段の講義の席も、暗黙の了解で最初に座った場所で固定になっているので、同じ人と話しがちです。
実習の班の時にそれがシャッフルされるので、別の人と話すようになりますね。
男女比率は同じくらいで、別け隔てなく話していますよ!
印象深かった授業と、受験生へのメッセージ
大学に入ってから気になるのが「授業の厳しさ」と「留年割合」。
どれくらい再試を受けたり留年したりする人がいるのかをお伺いしました。
印象に残る授業
– 大学の授業で印象に残ったものはありますか?
Sさん:やっぱり解剖実習です!
最初は怖かったんですけど、慣れましたね。
解剖実習って1班1体なんですけど、私はそれを清掃する係になったんですよ。
ホルマリンに浸かってるので、それに水をかけて洗うんです。
やっているうちに平気になりました。
– 大変だった授業はありますか?
Sさん:薬理学ですね!
3年の前期に終わったんですけど、授業で分厚い本渡されて。
表紙には「ハーバード大が使う」とか書いてあるんですよ!
「いやいやいや……」って思うじゃないですか。
先生の教え方はうまいんですけどとにかく量が多くて、試験も隅っこの方にちょっと書いてあることが出てくるんです。
薬理は100人くらい再試になりましたね。
– 受からずに留年する人もいますか?
Sさん:1学年120人くらいいますけど、うち20人くらいは留年しますね。
でも、2回留年すると放校になっちゃうので、そこまで行く人はほとんどいないと思います。
受験生へのアドバイス
– 最後に、受験生へのメッセージをお願いします。
Sさん:当時の自分にいうなら、「遅れていることにとにかく早く気づけ」ってことですね。
浪人する人って、「このままではやばい!自分が医学部に受からない!」って気づくのが遅いんですよ。
私は現役時代からずっと「まずい」とは父に言われていたんですけど、言われるのが嫌であんまり聞いてなかったんですよね。
やっと1浪で気づいて始めた感じなんで。
あと、「失敗したときの自分がもし横で今の自分を見ていたら何というか?」を考えてみるのもいいと思います。
数年後、医学部受験に失敗した自分が怠けている今の自分を見たら、「いや勉強しろよ……」ってなるじゃないですか。
将来の自分に見られても「ちゃんとやってるね」って言ってもらえるなら大丈夫ですよね。
後悔しないように頑張ってください!
今回は杏林大学医学部に通う先輩方にお話を聞きました!
努力を重ねて医学部に合格され、医学部合格後もイギリスに留学するなど挑戦を続けている1人目のSさん。
2浪を経て合格し、卓球部を通じて学外の学生とも交流している2人目のSさん。
1人目のSさんは物理は偏差値27から伸びたとのこと、2人目のSさんは将来の自分に見られてもいいように勉強することが大切とのことで、受験生のみなさんにとってすごく勇気が出てくる回だったと思います!
暑い日が続いていますががんばりましょう!
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