河合塾の全統模試とは?年3回の受験は必須!判定の鵜呑みはNG
模試は受験生にとって、必須ですよね!
受験生になれば、大学別や学部別の模試も増えてきます。
模試によって難易度や受験者の学力層は異なるので、結果に一喜一憂せずに有効活用することが合格への第一歩となります。
今回は、数ある模試の中でもかの有名な河合塾主催の全統模試について解説します!
Contents
1、全統模試とは最もポピュラーな模試
大学受験生の8割が受験している
河合塾さんの全統模試といえば、おそらくほとんどの受験生が一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。全国的にも知名度の高い模試で、記述式のものとマーク式のものがあります。この模試の最大の特徴は、記述式とマーク式の両方を受験することで本番の大学受験を想定したドッキング判定を提示してくれる点です。多くの国公立大学は共通テストと筆記試験を合格判定基準に盛り込んでいます。この模試は、それぞれの大学の点数配分に合わせて、成績と全国順位を提示してくれる、かなり再現性の高い模試になっています。2020年度の統計では、全国の大学受験者数が319万4千人であり、そのうち全統模試を受験したのが263万人ですので、受験生の数は桁違いとなっています。全国的に見ても屈指の母集団となっていることが分かります。
標準的な難易度で、どんな学力層にも適している
全統模試は全国の受験生が学力をなるべく正確に把握できるように、出題される問題は極めて標準的な難易度になっています。上位の受験生がこぞって受験する駿台模試と比較するとそれほど問題は難しくはなく、受験者数も多いのでより俯瞰的に自分の偏差値を知ることができます。
全統模試の試験範囲は、高校の進度に対応している
前述したように、全統模試の出題は難易度のバランスがよく、試験範囲に関しても、全国の高校の教育進行状況に合わせて決められています。
具体的な出題範囲は、以下の,河合塾サイトのリンクより参照いただけますが、この模試のために学校で習っていない分野を勉強しておかないといけないということは基本的にないので、その点はご安心ください。
2、全統模試は自宅受験も可能
模試の受験形式としては、会場受験と自宅受験があります。オンライン会場での受験はあっても、自宅受験を取り入れている模試は全国的に見てもかなり限定されるので非常にありがたい模試と言えます。
また、受験科目型についても、リスニングの有無・文系理系・私立国公立など細分化されているので、自分の受験スタイルに合わせて模試を受けることができます。
河合塾さんのHPにて、より詳しい情報は掲載されていますので是非ご確認ください!
模試の申込方法は、個人・学校・塾生の3つ
まず模試の申込に関してですが、①個人で申し込む ②学校を通して申し込む ③河合塾・マイナビの生徒として申し込む の大きく3つのパターンが想定されます。ここで重要なポイントなのですが、自宅受験は「①個人で申し込む」受験生のみを対象としたサービスなので、自宅受験を希望する場合は、必ず「①個人で申し込む」方法を選択しましょう。申込方法に関して、ここでは割愛させていただきますが、下記のページに詳細が記載されていますので、必ず確認しておいてください。
自宅受験では、紙の問題冊子 or Web受験の選択ができる
自宅で受験する場合、①紙の問題冊子による受験と②Web受験の2種類の形式があります。
「①紙の問題冊子による受験」をする場合、事前に問題冊子と解答用紙が自宅に郵送されてきます。そして受験当日、定められた時間割に従って受験し、記載した解答用紙と受験届を同封の返信用封筒に入れて、提出期限までに返送する流れになります。
この際、リスニング試験に関しては、音声機器が送られてくるわけではなく、web上にアップロードされているものを利用して受験することになります。その際は、こちらから受験する必要があるので、合わせてご確認ください。
「②Web受験」をする場合、模試の受験から成績確認まで全て一貫してweb上で行います。この形式では、事前に設定されている受験日の中から希望する受験日を選択し、その日程の中で受験していく流れになります。受験当日は、問題がweb上に掲載され、自分の解答をweb上の解答欄に記載していく流れになります。1日で全ての科目を受験することもできますし、2日に分けて受験することもできますので自分自身のスケジュールに合わせることができます。また、受験画面や操作画面のイメージをHPから実際に体験することができますので、もし体験してみたい方はこちらの体験ページから利用してみてください!
自宅受験は個人申し込みでのみ可能
まず前述した通りにはなりますが、全統模試の自宅受験というのは、個人で申込を行った受験生に向けたサービスになります。もし、他の申込方法を選択してしまった場合には、自宅受験ができなくなってしまいますので、必ず注意しておきましょう。
そして、実際に申込していくにあたって、当然のことではありますが受験科目や個人情報の記載漏れ・記載ミスはしないようにしましょう。特に「紙の問題冊子による受験」を希望する場合は、自宅に問題用紙が届かないケースや、届いた問題が違う科目のものだったケースが想定されますので、必ず確認するようにしましょう。
自宅受験は環境を整えて挑もう
「紙の問題冊子による受験」をする場合、自宅に届いた用紙が一式全て揃っているか確認しておきましょう。いざ解き始めてから、用紙がないことに気づいたなどのトラブルは、模試の緊張感を削いでしまう恐れがあるので、十分注意しておきましょう。
「web受験」をする場合、まず受験するにあたって、webの利用環境が揃っていないと受験することができません。OSやブラウザのバージョンによっては、誤作動が起きて受験に支障がでる可能性があるので、事前にしっかり確認しておきましょう。
また、web受験の場合は、受験開始可能時間が10:00~20:00と決められていますので、この時間外で受験開始することがないようにしましょう。
受験中にも注意したいことがあります。
自宅受験は、会場での受験と異なり、監視体制が低く緊張感も少ない中での受験となります。それゆえ、良くも悪くも受験者の裁量に委ねてしまう点があります。自分の都合の良いように時間を調整したり、もしかするとカンニングができてしまう環境にあるかもしれません。それらの行動を完全に否定するつもりはありませんが、わざわざお金を払い、勉強する時間を割いて受験するものですから、少しでも自分のためになるようにしっかり自己管理していきましょう。
もし仮に母集団の中にそういった受験生がいた場合でも、自分の間違えた問題や弱点傾向、ボーダーは正確に把握することができますので、ぜひ模試を活かしていきましょう!
3、模試を受ける前の目標設定と試験範囲の復習は必須
それでは、ここからは実際に、模試を受験するにあたって、どのような準備をしていけばいいか解説していこうと思います。今回、紹介する3つの内容のうち、とりわけ後半の2つをしっかり事前に取り組んでいるかいないかで、大きく成績の伸びに影響してきますので、しっかり取り組んでいきましょう。
まずは試験範囲の復習しよう
まず最初にやっておくべきことは、試験範囲の内容の勉強です。忘れかけている学習内容がないか、自分の苦手な分野の勉強を進められているか、などしっかり時間を設けて確認作業をしていきましょう。
もちろん、それまでやってきた勉強量が成績として反映されることは間違いありませんが、試験直前の復習作業もれっきとした実力の一部です。入試本番においても、同様に直前の復習作業を行うわけですから、どう復習するのが効果的なのか、繰り返し試しておくことが大切です。
そういった意味でも、まずは目の前の模試に対して、試験範囲の復習をしてみましょう。
前回の模試の反省をもとに今回の目標・課題・プランを設定しよう
そして事前に行うべき大切なポイント2つ目は、模試の目標と課題・プランを設定することです。わざわざお金を出してもらって模試を受験するわけですから、少しでも得られるものは増やしたいはずです。そして、何を得ることができたのかをより明確に実感するためには、事前の目標・課題・プラン設定がとりわけ重要です。
目標として真っ先に考えられるのは、成績でしょう。志望校の判定を1ランク上げる。順位を100位上げる。苦手な数学の偏差値を3上げる。といった具合でしょうか。
それでは、この目標を達成するためには、どのような課題を設定すればよいでしょうか。模試の目標は全て成績に関係したものですから、点数を伸ばすための課題を考えれば良いわけです。それに沿ったプランと合わせて具体的なものをいくつか挙げておきますので参考にしてみてください。
*課題:時間配分をうまくする。
*プラン:
・最初の2分で解く問題の順番を決めてから、解き始める
・難易度の高い問題が出てきた時、序盤だけ触れて、後回しにする。 etc.
*課題:減点をへらす。
*プラン:
・最後の10分は見直しに当てる。
・自分がミスしやすいポイントや集中力が切れたタイミングは念入りに解き進めていく。 etc.
こういった内容に合わせて、前回の模試や定期テストでの失敗を踏まえた目標・課題・プラン設定を行うと、より明確に今回の模試で達成することのできた項目を挙げることができます。
自分の弱点をおさらいしておこう
そして最後の準備として、自分の弱点のおさらいを行います。
私たちは誰しもいくつかの弱点をもっているものです。そういった弱点をもっていることは決して悪いことではなく、弱点をしっかり把握して、失敗しないように心がければ、必ず上手く切り抜けることができます。
模試においても同様で、過去と同じ失敗を繰り返さないように弱点の把握が大切になってきます。具体例は以下の通りです。
・試験中の最初の5分と最後の10分に集中力がなく、ミスが多い。
・数学において、√を含む計算式で計算ミスをしやすい。
・英作文で、3単元の「s」を忘れがち。
こういったように、皆さん一人一人、失敗のしやすいポイントは異なってくると思います。そういったポイントをしっかり把握し、試験に臨むことで失敗はググッと減り、成績にも大きく影響してくるのです。そして、この弱点のおさらいに関しても、毎回の模試でストックを増やし、ブラッシュアップしていくことで、よりよい準備を行うことができるようになります。
4、受験後に返却される成績表で見るべき6つのポイント
模試が返ってくると、偏差値や判定だけを見て一喜一憂していませんか。そこだけを見るのは、とてももったいないです。せっかく時間やお金をかけて模試を受けたのです。見るところはたくさんあります。
下の画像は河合塾によるサンプルです。詳しく知りたい方は、河合塾のホームページも参照ください。
(河合塾HPより引用)
1、大まかな成績を知るための成績概況(上の画像のA)
概況ですので、今回の成績を大まかに把握することができます。得点や偏差値、全国内の順位を、科目別、受験型別、文系・理系別に確認できます。
2、志望校判定に使われる合格可能性評価用成績(上の画像のB)
志望大学の合格可能性を評価するための成績を表示しています。
より正確な結果をだすために、得点を換算したり、受験者集団を切り分けて算出したものを、合格可能性を出すために使います。
3、A〜Eの判定による志望校別成績・評価(上の画像のC)
志望校の合格可能性がわかります。みなさんが一番気にするところだと思います。他にも、志望者のなかでの順位や、入試に必要な教科学力も確認できます。
志望校によって配点は大きく違います。ここを見れば、志望校の配点に沿って、自分の成績のなかで、どの教科が弱点かがわかります。例えば、私は数学を使う文系国公立志望の受験生だったのですが、毎回数学だけ大きく足りないことがわかりました。数学が弱点であることがわかったので、数学を中心に勉強していました。
4、自分の弱点がわかる設問別成績(上の画像のD)
教科別にどの分野が弱点かわかります。設問別に配点、得点、平均点が表示されます。他の受験生は正答しているが、自分は正答できなかった問題が確認できます。
同じ学力レベルの人と比べて、自分が正答できなかった問題がわかります。これは非常に重要です。受験問題のなかには、捨ててよい問題があります。そういった問題は、難易度があまりにも高い、解法が複雑すぎる、特殊な知識を必要とするなど色々理由はありますが、ほとんどの受験生は正答できません。また、捨ててよい問題を落としても合格できます。一方、多くの人が正答しているが、自分が正答できなかった問題というものは、差が開く要因になります。自分の弱点を把握するために重要な箇所です。じっくりと読みこみましょう。
5、自己採点が合っていたか確認できる、正答・誤答マーク読み取り状況
マークの読み取り状況がわかります。自己採点結果とマークの読み取り状況を比較できます。
特に国公立を志望している場合、大学入学共通テストの結果を自己採点する必要があります。共通テストの結果が出る前に、自己採点をもとに、出願しなければなりません。そのため、模試の段階から、自己採点の練習と、その結果が間違っていないか確認しておきましょう。私もなんと本番で、自己採点の結果が8点くらい間違っていることが、後からわかりました。出願のボーダーには関わらなかったので、大きな影響は出ませんでしたが、もしボーダーぎりぎりの点数だったらとヒヤッとしました。練習していても間違えることはあります。ぜひ、模試の段階から自己採点していきましょう。また、1つずらしてしまってマークしたというのも良く聞く話です。自己採点の結果を間違えていないか、ずらしてマークしていないか確認していきましょう。
6、学力の変化が一目瞭然な成績推移
共通テスト模試では最大5回分、記述模試では最大3回分の過去の成績が表示されます。長期的な学力の変化がわかります。
受けている回数が少ないとわかりにくいですが、成績推移も重要な情報の一つです。
私はここで常に成績がよい教科と、波がある教科を確認していました。例えば、私は英語と国語が得意科目だったのですが、英語は常に成績がよかった一方、国語の成績には波がありました。今回はよかったけれど、安定せず、本番で失敗する可能性がある。そういう教科を割り出すためにも便利でした。また、前回からどれくらい成績が伸びたか、落ちたかも確認できます。一回の成績に踊らされず、長期的に自分の実力がどのようなものか確認しましょう。
5、模試の復習は当日と成績表返却後がオススメ
模試が終わったら開放感でいっぱいで、遊んでしまいたくなりますよね。ですが、模試は終わってからが重要です。模試を通して得たことをしっかり身につけなければなりません。
そこでここからは、模試が終わった後の復習の仕方について、説明していきたいと思います。
模試の反省を当日中に!
人は、物事を忘れてしまいます。中には、今朝食べた朝ごはんの内容すらパッとでてこない人もいるのではないでしょうか。
模試に関しても同様のことが言えます。それぞれの科目の時間配分や問題の解く順序はどうだったか。途中でどんなトラブルが起きたか。トラブルが起きた時の心理状態はどうだったか。どんな対応をしたか。事前の準備で設定した課題やプランを達成できたか。など、細かい内容に関しては、翌日以降になって鮮明に思い出せる人はそういません。
ですので、その日うけた模試の反省や振り返りは、その日中にノートなどにまとめて記録に残しておくようにしましょう。
ミスした問題の解き直しは1週間以内に必須!合わせて、解説も読み込もう!
この内容に関しては、おそらく皆さんがされていることだと思います。ですが、多くの人が効果的な復習をできているかと言われれば、少し怪しいような気がします。わからなかった問題やミスした問題を解き直して、出題された問題を完璧に解けるようにする。という段階で、終わってしまってはいませんか?
そういった復習をすることは大前提で、それだけであれば普段から使用している問題集で十分なはずです。大切なのは、時間制限や会場の空気など緊張感をもった中で、問題を解いた時に、どういったことに陥るのかをしっかり分析することです。
そしてもう一つ大切なことは、解説をしっかり読み込むことです。模試の解説は、それぞれの塾のトップクラスの先生方が執筆してくださっています。そして問題の解答はもちろん、解き方や知識のまとめなど、さまざまなコラムを載せてくださいます。それらのトップクラスの先生のエッセンスが、模試の解説には凝縮されていて、それだけで何万円とかかる夏期講習と同等の価値があるのです。
また、設問別成績でライバルがとれて、自分が取れなかった問題を重点的に復習するも大切なことです。自分と同じくらいの成績の人々がほとんど正答している問題を誤答している場合、その分野の基礎が抜けている可能性があります。ぜひ、復習してください。
私は、ノートに書いて復習していました。模試の問題をノートの左側にはりつけ、右側に間違えた要因や、覚えられなかった公式や知識を書くという方法で振り返りを行いました。このノートを見返せば、効率的に弱点を補強できます。ぜひやってみてください。そこまで時間を掛けられない人は、解答・解説集をみましょう。解答・解説集にはその教科に関する情報がまとまって載っています。私は、数学の別解の方法を確認していました。自分が正答しても、もっと効率的な方法が載っていることもあります。一読すると大変役に立つので、確認してみましょう。
詳しい活用方法について河合塾が出している情報もあります。興味がある方はぜひ見てください。
判定を鵜呑みにせずに、全統模試をフル活用しよう
受験料を払って受験するわけですから、フルに活用してみましょう!
自分の弱点も発見できて、さらに合格に近づくことができます。
判定の鵜呑みはせずに、志望校の過去問の対策をしっかり行いましょう。
模試の判定ではなく実際の共通テストや入試本番での得点が大切ですので、本番にしっかり解答できるように模試を通して学力を高めていきましょう。
皆さんのご健闘をお祈りします。
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