文系でも医学部編入試験は合格する?
取るべき戦略を知ろう!
一度社会人になったけれども、やっぱり医者になりたい!と考えた人にとって選択肢の一つとなる「医学部編入試験」。
この編入制度を利用して医者を目指しているという人も多いのではないでしょうか。
しかし、「編入試験は倍率が一般入試よりも高い」「大学の一般教養レベルの生命科学の知識が必要」などと聞いてしまうと、「文系だと難しいのではないだろうか」と感じてしまいますよね。
今回は、文系でも編入試験に合格できるのかどうかを説明します。
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文系でも医学部編入試験に合格できる?
最初に言ってしまうと、文系出身者でも医学部の編入試験には合格できます。
医学部の編入試験とは言っても、「医療系出身者」などの縛りがあるわけではありませんし、出身学部で優遇措置があるわけでもありません。
試験で合格点さえ取れればいいので、もちろん文系でも合格は可能です。
学校にもよりますが、実際に編入試験に合格した人のうち文系は約30%程度と言われています。
「文系の割合が少ない」と思うかもしれませんが、元々医学部の編入試験を受ける層は理系が多いため、目立って文系の合格率が低いということではありません。
ですから、文系だからといって編入試験は無理というわけではありません。
理系出身者と文系出身者の違い
文系でも編入試験には合格できる、といっても、やはり理系に対して不利であるという点は変わりません。
理系出身者と文系出身者では、何が違うのかを確認しておきましょう。
理系分野をあまり勉強してきていない
文系出身者と理系出身車で一番違い、かつ医学部の編入試験を受ける上で問題になってくるのが「理系の授業を高校・大学で受けているかどうか」。
薬学部や獣医学部、看護学科など医療系、生命科学系の出身者であれば、医学部編入試験で課される生命科学については大学時代にすでに学んでいるはずです。
そうでなくとも、理系であれば大学時代に生物・化学・物理(もしくは数学)について勉強していますし、高校のときには理科2科目を多くの場合履修しています。
選択していた科目にもよりますが、化学や物理まで課す試験でも受けやすくなりますし、勉強するための労力も比較的少なくてすむのです。
それに対し、文系では「生物基礎・化学基礎・地学基礎」のうち2科目、あるいは年齢によっては(新課程になる前に卒業した場合ですね)理科1科目しか勉強していない場合がほとんど。
すでにスタート地点で文系と理系だとかなりの差がついているのです。
英語は比較的得意
理系科目は圧倒的に不利ですが、理系に対して文系の方が比較的英語が得意、というアドバンテージはあります。
もちろん医療系の単語を覚えなくてはなりませんが、基本的な英文訳などは「理科や数学の能力だけでなんとか乗り切ってきた」という理系の人よりはできることが多いでしょう。
ただし、もちろん理系でも修士・博士まで行くと英語で論文を読み書きするのは当たり前になってきますので、「英語力で差をつけて合格」というレベルまで行くのは簡単ではありません。
英語についてアドバンテージが見込まれるとは言っても、過信は禁物です。
志望理由に苦労しがち
編入試験では小論文や面接のウエイトが大きくなります。
理系出身、特に医療系の人であれば、「なぜ医者になりたいか」という説得力のある志望理由を作成するのはさほど大変ではないでしょう。
しかし、文系の場合はどうしても「なんで唐突にそんな転向を!?」という雰囲気になりがち。
もちろん一人ひとり医学部編入を目指すまでの決心やドラマがあると思います。
その気持ちを、できるだけ具体的に「絶対に医者に今ならなければならない」という理由とともに伝えられるようにしましょう。
「人の役に立ちたいと思った」などのふわっとした理由だと、それが本心からだとしても「『今の職業の給料が不満』などの消極的な理由で医者を目指しているのかな」などと思われかねません。
聞いた教授が「なるほどね」と思うようなものでなくてはならないのです。
また、文系だと「あえて自分を医師にするメリットはなにか」という点でもつまづきがち。
今までの社会人経験・研究経験などから自分ならではのメリットと強みを提示できるようにしましょう。
文系出身者が取るべき戦略
理系に比べて不利な立場から始まる文系出身者の医学部編入試験。
合格するためには、文系ならではの戦略を取り、効率よく勉強していく必要があります。
予備校の説明会などに積極的に参加する
最初にすべきなのは、「予備校の説明会や、相談会などに参加して情報を集める」こと。
これは理系でも同じですが、文系は不利なためより正しい情報を、多く集める必要があります。
予備校の説明会に参加すれば、それだけで最近の編入試験などの情報が得られます。
「予備校に通おうかどうか迷っている」「独学で編入試験突破を目指している」という人も、予備校に実際に通うかどうかはさておき説明会などで情報を集めましょう。
特に医学部の編入試験で人気の予備校は河合塾KALS。
予備校に通えば、授業を受けられるだけでなく過去問を手に入れたりするハードルもかなり低くなります。
金銭面や時間面で都合が合えば、受講を検討してみるといいでしょう。
基本は最低限独学すべし
「予備校に通うと情報が手に入りやすくなります」といっても、最初から予備校に通うのは大変です。
というのも、文系の場合大体は生物の高校範囲の勉強、もしくはやり直しから始まるからです。時間と費用を節約して少しでも効率よく勉強したいなら、高校までの範囲は自分で独学するか、あるいは大学受験用のオンライン講座などを活用するといいでしょう。
文系合格実績のある大学を選ぶ
編入試験においては、「受かりそうな大学を選ぶ」ことも大切です。
編入試験を実施している大学はそこまで多くありませんし、中には文系の合格実績のない大学もあります。
一般的に、文系でも編入試験に受かりやすいと言われている大学は滋賀医科大学や鹿児島大学、長崎大学など。
「自分が関東に住んでいるから関東の大学がいいな〜」と選り好んでいるとそれだけで難易度はかなり上がりますので、もう受かりそうなら日本全国どこでも行く!くらいの気合は必要になります。
試験科目を絞る
文系出身であれば、試験科目が「英語&生命科学」タイプの大学を選んだほうが必要な勉強量が減りますし、英語のウエイトがより大きくなります。
中でも、TOEFLあるいはTOEICが使える大学を選べば、どれくらいの点数を英語で取れるかが事前にわかりますし、生命科学にだけ集中して勉強時間を割けます。
編入試験の英語についての参考書などはほとんどありませんが、TOEICやTOEFLであれば豊富に参考書や対策本があるため、対策もしやすくなるでしょう。
もちろん、生命科学と英語の2科目だけでなく、物理や化学などを課す大学を選んではいけないという意味ではありません。
しかし、その場合は勉強量が増えますし、文系の強みである英語のウエイトが比較的低くなってしまうため、より難易度が高くなってしまうことを覚悟する必要があります。
文系出身だからといって編入を諦める必要はない
文系でも、医学部の編入試験には受かります。
しかし、理系に比べて学力的に不利なところから始まるという点は事実。
そのため、より長い期間で勉強計画を立てたり、試験科目を絞るなどの工夫をする必要が出てきます。
医師になったとき、それまでの経歴がどのように活かせるかもしっかり詰めて考えなくてはなりません。
文系ならではの戦略を立てて、合格に向けて頑張ってください!
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