医学部の学費は工面できる【医学部受験をあきらめない】

医学部入試情報

こんにちは。

いよいよ12月。受験書類の準備などに追われている方も多いのではないでしょうか。

受験をする上で必ず検討しなければならないのが「お金」の問題。

医学部は他学部と比較してとにかくお金がかかりますよね。

しかし、実は医学部は奨学金が豊富であることをご存知ですか?

今回は学費の工面方法をご紹介します。

透明なガラスの花瓶に入った緑の植物

医大に通うにはどれだけのお金が必要?

地方国公立:学費や生活費をあわせて年間180万円ほど必要

国公立医学部の学費は、他の学部と同じで年間55万円ほどです。

〈地方住みの1か月の支出例〉

  • 学費:4.6万円(半年に一度27万円を支払います)
  • 家賃+駐車場:5万円
  • 生活費+交通費:5万円

地方国公立に通うなら、毎月15万円が必要になるでしょう。

夏休みには部活動の遠征があり、臨時の支出が必要になります。多くの学生は、バイト代を部活動や飲み会の費用に充てています。

後ほど詳しく述べますが、国立大学には家庭の収入によって、学費が全額免除になったり半額になったりする仕組みがあります。

私立:学費や生活費をあわせて年間700~800万円必要

私立医学部の学費は、2000万~4000万円です。学費だけで年間500万円が必要になります。

国公立に比べ、私大には裕福な学生が多い印象です。

一般に私大は、奨学金制度が比較的豊富で、それらを利用して裕福でなくても通えることがあります。私大独自の奨学金についても後ほど詳しく述べます。

 

これまでざっくりと必要なお金について述べてきました。実際には、高額な医学書を購入したり、車を購入したりと、追加でお金が必要になることも・・・。

こちらの記事では、より具体的に6年間で必要なお金について解説しました。

学費が免除になる医学部がある 防衛医科大学校 自治医科大学 産業医科大学

まず最初にご紹介するのは、入学者全員、「入学後に縛りはあるけど、その代わり学費は免除だよ」という医学部です。

①防衛医科大学校

防衛医科大学校は学費0円であるだけでなく、なんと毎月学生手当として、113,300円のお給料までもらえてしまいます。

埼玉県所沢市にあります。

全寮制で食事も出ます。その代わり、訓練・授業は義務です。卒業後9年間、自衛隊に入る義務もあります。

入隊を拒否した場合や卒業後9年に満たないで退職した場合は、学費の返還を求められます。

なんと、5000万円近くの費用を請求された学生もいるのです。

防衛医科大学校の生徒は特別国家公務員という位置付けなのです。

入学試験は毎年1次試験が10月、2次試験が12月と早いので、受験を考えている人は気を付けましょう。

 

②自治医科大学

自治医科大学はへき地で9年間勤務する代わりに、学費が免除になります。栃木県下野市にあります。

防衛医科大学校同様、全寮制であり、義務年限を放棄すると学費の返還が求められます。

都道府県ごとに受験者を募集するのが特徴です。

 

③産業医科大学

産業医科大学では、産業医を育成しています。福岡県北九州市にあります。

在学中に修学金(いわゆる奨学金)として学生納入金の約2/3が貸与され、6年間の実質負担額は約1300万円となります。

卒後9年間、産業医として働けば返済が免除されます。

 

ただし、上記の3大学は入学試験が決して簡単ではないうえに、勤続年数が長くなる医師を養成する目的があるため、特に防衛医科大学、自治医科大学は(20代後半以降の)再受験に関しては非常に厳しいです。

 

特待生制度で学費減額!

多くの大学が、有能な医師を育成するため、優秀な生徒を確保する特待生制度を採用しています。

特待生として採用されるのは成績が優秀な人なので、優秀な成績の人は検討してみるとよいでしょう。

以下は、各医学部が採用している特待生制度の一部です。

様々な大学が独自の特待生・奨学金制度を採用しているので、気になる大学のホームページはチェックしておきましょう。

 

●国際医療福祉大学「医学部特待奨学生」

特典:入学金150万円を免除。最大6年間で1,400万円の奨学金を給付。

選考条件:特に成績が優秀な合格者。

 

●北里大学「特別待遇奨学生」

特典:第1種は「入学金、授業料、施設設備費及び教育充実費の納入免除(学費全額免除)」

第2種は「入学金及び授業料の一部の納入免除」

選考条件:一般選抜試験合格者の中から特待生を選考(若干名)。

 

●慶應義塾大学「人材育成特別事業奨学金」

特典:年間200万円(総額800万円)を給付。

選考条件:一般入学試験の成績上位者10名程度。

 

●東京女子医科大学「特別奨学生」

特典:授業料を給付。

東京女子医科大学のホームページには、「日本学生支援機構」「小林育英会」「公益信託川津哲郎 記念奨学金基金」「財団法人 颯田医学奨学金」「楠田育英会」「一般財団法人 山根奨学基金」など、さまざまな奨学金制度が掲載されていますので、ぜひ一度ご覧になることを強くお勧めします。

http://www.twmu.ac.jp/univ/medical/m-ent/shougaku.php

 

この他にも「地域枠入試」や、自治体が独自に行っている奨学金制度を利用すれば、医学部の学費はグッと安く抑えることができますよ。

私立医学部の奨学金制度

みなさんは自分の志望校にどんな奨学金制度があるかご存知ですか。

先ほども少し触れた「地域枠」制度と、大学独自の奨学金制度をご紹介します。

①将来働く場所が決定している奨学金 10~30万円/月が支給される:医学部の定員の約1割が地域枠

これが先ほど少し触れた「地域枠」制度ですね。

東京都では『東京都地域医療医師奨学金』があります。

令和6年度では

順天堂大学→10名

杏林大学→10名

日本医科大学→5名

の募集があります。

学費と生活費10万円/月の貸与があり、以下の条件を満たすと返還が免除になります。

東京都保健医療局のHPによると条件は以下の通りです。

次の1から3までの要件をすべて満たす方が対象です。
1 出願時に、次のいずれかの要件を満たす者
ア 東京都内に住所を有し、かつ高等学校等を卒業した者(卒業見込みを含む。)
イ 都内の高等学校等を卒業した者(卒業見込みを含む。)
2 各大学が実施する「東京都地域枠入学試験」に合格したとき、当該大学への入学を確約できる者
※ 合格したときは入学を辞退できません。
3 医師免許取得後、小児医療、周産期医療、救急医療、へき地医療のいずれかの領域で、東京都が指定する医療機関において9年間(初期臨床研修期間を含む。)以上の期間、医師として従事しようとする意志を有すること。

 

②学校独自の奨学金

多くの私立医学部が独自の奨学金を設けています。実際、私も利用していて大変助かっています。

以下のサイトに奨学金一覧が載っています。またご自身の志望校は各ホームぺージを確認してみましょう。

「思ったよりたくさんある!」という場合も多いと思います。

注意点としては多くの大学が奨学金の採用人数が限定されている点です。確実にもらえるわけではない、ということは認識しておきましょう。

 

最大15万円/月が支給される:病院独自の奨学金

在学中に学費や奨学金を支給し、卒後その医療機関で働けば返済が免除になるという制度です。

徳洲会グループをはじめ、多くの病院がこの制度を設けています。

たとえば徳洲会グループでは、医学生に毎月15万円貸し付け、卒後6年間(初期研修の2年含む)徳洲会グループの病院で働けば、返済が免除されます。

他にも民医連などが奨学生を募集しています。地域枠の病院版とも言えますね。こちらも慎重に決断しましょう。

図書館で本を持つ女性

 

医大生に限らず、大学生が利用できる奨学金

1. 世帯年収が380万円以下:大学無償化(国立大学)

2020年からスタートした「大学無償化」。これは、大学の授業料減免と給付型奨学金の拡充によって、年収380万円以下の世帯では、学費が免除になる仕組みです。

また、世帯年収が380万円を超えていても、大学の授業料減免を受けることができます。

大学独自の基準や、扶養者の数などの複雑な計算式があるので、詳しくはこちらをご参照ください。

 

2. 固定金利年1%以下で借りられる:日本学生支援機構(JASSO)

実は全国の学生の3人に1人が借りているのが、JASSOの貸与型の奨学金です。

日本学生支援機構(以下JASSO)の奨学金には、給付型と貸与型の大きく2種類があります。

給付型は原則として返す必要がない奨学金ですが、貸与型は借りたら卒業後に働きながら返していく奨学金です。

貸与型には利息がない「第一種奨学金」と、利息を付けて返す「第二種奨学金」があります。一定の条件を満たせば、「第一種奨学金」と「第二種奨学金」は併用できます。いずれも高校3年生の時に申し込む予約採用と進学後に申し込む在学採用があります。

奨学金を受けるための基準は、(1)学力基準、(2)家計基準、(3)資産基準、そして、(4)進学先の学校が給付奨学金の対象校となっていることの4点です。

進学先が給付対象校となっているかどうかは、文部科学省のホームページから確認できます。
文部科学省:支援の対象となる大学・短大・高専・専門学校一覧

給付型、第一種、第二種でそれぞれ学力や家計、資産状況の基準が決まっており、一定の基準を満たせば奨学金をもらうもしくは借りることができます。

給付型が一番基準が厳しく、次に第一種、どちらの条件も満たせないという人が第二種になります。

第二種の基準は比較的ゆるいので、給付対象校であれば条件を満たすことはできると思います。

第二種の貸与型は、年利付きで返済していきます。固定金利と変動金利があり、借りる前に調査が必要です。

しかし、在学中に留年をしてしまったり成績が悪かったりすると、途中で奨学金が打ち切られてしまうこともあるので、注意が必要です。

 

3. 最大350万円まで借り入れ可能:日本政策金融公庫の教育ローン

日本政策金融公庫では、固定金利年1.95%で最大350万円まで借り入れることができます。審査も厳しくなく、年収が790万円以下の世帯で利用可能です。

また、日本学生支援機構の奨学金との併用が可能です。

 

4. 金利2~5%で1000万円以上借りられる:銀行の教育ローン

多くの銀行が教育ローンを提供しており、中には医学部限定ローンもあります。特に有名なのが、ちばぎんの「医学部・歯学部向け ちばぎんスーパー教育ローン」です。変動金利3%以内で、3000万円借りられます。

多くの銀行から、金額や利子、返済期間などを比較して選びましょう。一例をお示しします。

変動金利/年 借り入れ上限額 最大の返済期間
ちばぎん(医学部・歯学部) 2.2%~2.6% 3000万円 10年
労働金庫(例) 2.2%~3.4% 2000万円 15年
三菱UFJ銀行

(ネットDE教育ローン)

3.975% 500万円 10年

医師といっても、初期研修の間は年収500万円に満たないこともしばしば・・・。医師になってすぐに高給が約束されるわけではないので、無理のない借用額にしておくことをおすすめします。

5. 地域によって最大20万円/月もらえることも: 地方公共団体の奨学金

都道府県や市区町村が窓口となる奨学金もあります。保護者の居住地か大学の所在地かで受けられる場合が多いようです。

各自治体の奨学金は貸与型が多いようですが、中には卒業後にその自治体で就職した奨学生に対し、奨学金の返還を支援する制度※もあります。例えば、医学部であれば6年間借りたら一定期間(9年間のことが多い)はその地域で働くことで返還が免除される、地域枠なども存在します。

※都道府県(基金設置団体)
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/chihoshien/sosei/seido/sousei_ken.html

成績や家計の基準は、日本学生支援機構の基準に準じているところと、独自に設定しているところがあります。家庭の所得制限が厳しい場合や、日本学生支援機構の奨学金と併用できない場合もある点に注意が必要です。

医師不足の地域では月に20~25万円ほど貰える地域もあり、親に頼ることはできないけど医師になりたいという人にはおすすめです。

参考例 茨城県地域医療医師修学金貸与制度 特設ページ

6. 成績優秀者または経済的に困難な学生に2万~6万円/月の給付または貸付: 民間育英団体の奨学金

民間団体(企業や学生を支援する団体)が運営する奨学金もたくさんあり、給付型のものと貸与型のものがあります。

給付型の場合、学業成績だけでなく、品行方正など人物評価も対象となり、募集枠も少ないことが多いです。

高校時代に指定された高校の推薦者から予約選考を行うものや、大学入学後に申し込むタイプでも対象となる地域や大学・学部が指定されている場合があり、情報を集める力が必要になってきます。

大学によっては、そういった奨学金をまとめているページを作っているところもあり、そういったところを細かくチェックしましょう。

参考例 筑波大学 奨学金・就学支援 民間奨学団体

貸与型は成績良好で、学費の支払いが困難な人向けのものが多いです。金額は給付型、貸与型ともに月20,000~60,000円くらい。期間は1年~数年までさまざまなものがあります。

筆者の友人はこのタイプの奨学金をもらっていますが、大学教授の推薦を頂いたり、教務の方と密に連携したりと手間はかなりかかったそうです。それでも、その奨学金があることで学生生活を過ごすことができているので、可能性のあるものは狙ってみましょう。

まとめ 医学部進学をあきらめる前に確認しよう

今回は学費が免除になったり、減額になったりする方法をご紹介しました。

私自身もサラリーマン家庭で私立医学部には進学できないと思っていました。

しかし、奨学金制度を利用することで進学・通学することができています。

今、お金の関係で「医学部は無理」と考えている方がいらっしゃいましたら、是非一度この記事を参考に調べてみてください。

 

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