医学部地域枠で後悔?後悔するよくある理由やパターンを解説

医学部入試情報

みなさんこんにちは。

今回は、医学部入学の方法の1つである「地域枠」についてお話しします。

地域枠って魅力的?

みなさんは医学部特有の「地域枠」という受験方法をご存知でしょうか?地域枠というのは、医師が不足している地域における人材を確保するために設けられた医学部定員の枠のことです。

よくあるのは9年間特定の地域にて医師として働くことが課されている場合です。大学によっても特色があり、県の指定がある場合や特定の地方であればどの県で働いてもいい場合もあります。また、その大学の所在する県で働く人材を求めている地域枠もあれば、同じ地方の他の県で働くための枠を設けている大学もあります。

次に受験についてです。国公立大学医学部の地域枠の場合、一般枠と学費が変わらないため一般枠よりも合格しやすい場合が多いです。しかし私立医学部の場合は、地域枠を設けさらに学費が国公立大学医学部並みになるよう免除される地域枠もあります。そのため単純に地域枠=一般枠よりも合格しやすい、というわけでもありません。

また自分の住んでいる地域によって、そもそも出願できるかどうかも変わってきます。すでに自分の住んでいる県にある大学の地域枠しか受験できない場合も多く、志望校の募集要項をよく読んで受験を考えましょう。

ここで挙げられたように、地域枠と言っても全ての大学で制約の多さ、学費、合格難易度なども変わるため、念入りな情報収集が必要です。

地域枠の難しいところ

医学部に入学して色んな大学の地域枠の人と友達になると、地域枠の実態で見えてこなかったものが見えてくるようになりました。

まず1つ目は医局人事が関わってくること。医学部卒業後、2年間の初期研修を終えた後は後期研修に進みます。それは病院の医局に入って、「〇〇科の医師」と名乗るために必要になってくる研修です。その県の中でどの科が強いのか、どの医局なら自分の雰囲気に合っているのか、など内部事情はさまざまです。医学部在学中にやりたいこと、目指したいキャリア像が生まれたとしてもそれを実行できるのは地域枠の義務年限が終了したあと、ということもよくあります。

2つ目はライフイベントが左右される、ということです。女性なら出産や育児によって仕事から離れることもあるかと思います。その点を考慮してくれる場合も多いですが、自分の家族の手を借りたいのに近くにいない、夫も違う県の地域枠だから単身赴任にならざるを得ない、などなど自分のライフイベントで自由が効かないということがままあります。

3つ目は形成される人間関係です。地域枠の義務年限は数年としているところがほとんどだと思います。しかし、そこでの研修、医師としてのキャリアを過ごしていくうちにそこに恩師や大切な患者さん、地域住民の人との深い関わりが生まれます。「地域枠で義務年限が終わった後は地元で開業したいな〜」など何かプランがあったとしてもライフプランが大きく変わることがかなりあります。もちろん、医師として働いていく中で大切な人が増えていくことは本当に嬉しいことで、それで良いという人にとってはストレスなく順応できると思います。

人生を良くも悪くも左右する地域枠

いかがでしたか?

私の話を聞いて、地域枠について恐怖を覚えた方もいらっしゃるかもしれません…(笑)

私が医学部受験生だったときは「とにかく合格さえできればいい!!!」と、地域枠を受験することも考えていました。しかし入学後にこういった実態を聞いていると「地域枠でも、自分は本当に幸せなキャリアだったのだろうか?」と考えさせられることがあります。

もちろん、「自分の地元の医療に貢献したい」「この地域が大好きだからここで将来働きたい!」といった夢があれば地域枠は本当に魅力的だと思います。

みなさんの目標やしたいことを十分考えて、受験方式を選びましょう♪

ピックアップ記事

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

【2023年版】 現役医大生が選ぶ医学部予備校おすすめTOP5