【2023最新情報】医学の沿革の中に尊厳をヒシヒシと感じる!長崎大学医学部

医学部入試情報

長崎大学の前身は、1923年創立の「長崎医科大学」です。長崎医科大学の起源は、幕末にオランダ海軍の軍医が開いた、日本最古の医学校です。

そのため、長崎の地は、医学とりわけ西洋医学に関して長い歴史と伝統を誇っていることになります。鎖国時代も長崎はオランダから西洋学問をとりいれていたため、西洋医学が日本に舶来した地であるともいえるでしょう。

戦後になって、長崎医科大学が他の学校と統合して、総合大学の「長崎大学」になりました。西洋医学伝来の地で医学を学べるとは、なんとも贅沢なことに思いませんか。

 

患者のために尽くす姿勢が医学部でも医学科でも貫かれている

公式サイトの医学部長のメッセージも、オランダ国軍医が近代西洋医学を広めたことに遡る経緯が述べられています。

長崎大学医学部は、1857年にオランダ国軍医ポンペ・ファン・メールデルフォールトが長崎奉行所西役所医学伝習所において、松本良順やその弟子達に近代西洋医学教育を開始したのをもって開学としています。

1861年には西洋式の病院が作られ、ベッドサイドで患者を診(み)ながらの臨床教育が始まったという事です。

さらに、このオランダ国軍医ポンぺが遺した言葉が、長崎大学医学部の「建学の精神」そのものになっています。ポンぺが医学教育で伝えた利他主義や尊厳重視がいかに立派だったかを知って、驚きを隠すことができませんよね。

本学はポンペの言葉「医師は自らの天職をよく承知していなければならぬ。ひとたびこの職務を選んだ以上、もはや医師は自分自身のものではなく、病める人のものである。もしそれを好まぬなら,他の職業を選ぶがよい」を建学の基本理念とし、深い医学知識と豊かな創造性、高い倫理観を身につけた医療人を育成することを目標としています。

ポンぺが生徒たちに伝えた「医師は、自分自身の栄達を追い求めるのではなく、病める人のために尽くすのみである」という精神は、今もなお私たちの胸に刺さります。

その他にも重要な内容が書かれていますので、少し長くなりますが引用します。

長崎大学は 2020 年から「Planetary Health(地球の健康)に貢献する大学」を目指すことを掲げ、医学部でも「人の健康、地球の健康、あなたの未来 RAPID ACTION!」のスローガンのもと、医学研究や診療を行っています。特に近年は教育の改革に努め、グローバルに活躍する人材の育成をも目指しています。医学科ではビュルツブルク、ライデンを始め、UAE、シンガポール、モンタナ、アンジェ、ハーリム、プサン等の多くの大学との交流が盛んで、希望すれば学生時の間に海外実習・留学を経験する機会を持てるようにしています。

交流や海外実習を行っている大学がある都市名が上記に具体的に挙がっていますので、興味のある海外地域がある人は、是非参考・検討してみてはいかがでしょうか。

ヴュルツブルクはドイツにあり、シーボルトの生まれ故郷です。ライデンはオランダの都市で、シーボルトの家が資料館として公開されています。シーボルトは、「オランダ商館の医師」ということで来日したのです。医学部で勉強しながらも、このあたりの交流史を深めたいという人には、長崎大学医学部は最高の環境です。

さらに、離島が多く過疎化が続いているという地域状況を踏まえた一節もあります。

また、本学は全国的に見ても離島の多い長崎県にある大学として、地域医療を守る機能も果たしています。離島実習や地域包括ケア実習を通して地域医療を担い引っ張っていく人材を育成することも大切な使命であると考えています。研究面では、これまでも世界をリードする研究が行われてきた感染症、放射線医学の分野に加え、医学部・歯学部・薬学部という生命医科学系の学部が揃っている本学の特徴を活かし、研究を行なっています。

研究面でも世界をリードしている放射線医学などの実績があり、かつグローバルに活躍する人材を育ててはいるものの、「長崎の地域医療に貢献したい。もしくは長崎から世界に貢献したい」という学生を期待していると明記されているため、大都市圏や「自分の地元」を愛している人には一悶着ある環境と言えるでしょう。

こういった環境や雰囲気、最近の言葉で言うと「空気感」は、数年間の学生生活を過ごすうえで非常に重要です。偏差値や受験科目が最も重要であることに違いありませんが、やはり受験生の立場として、大学などに電話を掛けて問い合わせてみるなど、情報収集も行ってみてはいかがでしょうか。

長崎にいる人にSNSで雰囲気や状況を聞いてみてもいいですし、人づてに長崎大学関連の人を探してみてもいいでしょう。ゆっくりした時間が流れている田舎のほうであれば、市役所や町役場、図書館や公民館などに電話してみると情報を得られることもあります。

このような情報収集は、手間が掛かりますし、電話などで問い合わせるのを恥ずかしいと感じる人も多いと思いますが、偏差値が62.5~67.5の医学科が多いなか、「正規の学業」以外の「環境から得られる財産」を増やすために重要であると考えています。

むしろ、インターネットが普及する以前は、このような類の問い合わせを高等教育機関に電話で行う若い人は多かったのです。たとえば、「グローバルに活躍する医療者になりたいが、長崎に貢献する意思はない。それではダメなのか」と問い合わせる人は、昔はもっとたくさんいました。冗談のような話に思えるかもしれませんが、本当の話です。

それでも、昨今、電話による問い合わせが恥ずかしい人は多いので、メールで問い合わせするか、知り合いなどのメッセージを送って情報を探ってみるのも一案です。

欧州で500年以上の歴史がある大学ですが、「大学がある地に貢献することが求められる、もしくは推奨される」という話は、私は聞いたことがありません。むしろ、医学であれ、理工系・技術系であれ、「大学を出たら自分が生まれ育った故郷に戻って開業し家族と暮らす」のがオーソドックスでありスタンダードであります。それが、数百年かけて、その大学の名声を地方に広めることになっていったのです。

深刻な高齢化と医師不足、医師偏在がある日本だからこそ、地域の医療に貢献する医療人が求められているのですが、「制度としての地域枠」のほかに、「この地で医療をしてほしい」といったポリシーや方針にもとづく無言の空気といったものが学生生活にもたらす影響は大きいと思って下さい。

話が長くなってしまい申し訳ありませんが、私も進学したところの雰囲気が合わなかった経験を持っており、皆さん方の将来の充実のためのアドバイスなのです。たとえば、友人と話すときなども、偏差値や受験科目の話題だけでなく、正規のカリキュラム以外のこともディスカッションしてみてはいかがでしょうか。

医学科では創造性、人間性、社会的責任が重視される

医学科の理念として、公式サイトには次のようなものが掲げられています。

医学科では,

1)基礎医学,臨床医学知識の総合的理解(医学を学ぶ)

2)医科学的創造性の養成(科学を学ぶ)

3)医師としての社会的責任感と人間性の確立(人間を学ぶ)

を重視した教育を実施する。

科学的創造性に加えて、社会的責任感と人間性といった高度な倫理観が掲げられており、学風としてはエリート教育重視の路線と言って過言ではないと思います。

被爆地として放射線研究を第一線で実践

医学科の人数は1学年あたり約120人のまま推移しており、国立大学医学科としては1学年の人数が多いほうです。

また、医学科の数ある特長の一つとして、やはり被爆地であることと関係して、「原爆後障害医療研究所」を擁していることが挙げられ、ゲノム機能解析、細胞機能解析、放射線リスク制御など放射線科学が第一線で研究されており、放射線が環境や人体に与える研究についても日夜研究が続けられています。

放射線医療科学専攻は「原爆・ヒバクシャ医療部門」にも所属しており、医の尊厳だけでなく、被爆地として人間の尊厳を科学的に追い求める体制には心を打たれます。

医学科には「推薦枠」が4つある

そして、医学科は、一般枠の他に「推薦枠」が4つあり、それぞれの進路は以下の表のようになっています。

 

 

地域枠や卒業後進路について詳しくは下記ページより、大学が公表しているPDFファイルをご覧ください。

 

長崎大学医学科の公式ホームページは以下のリンクよりご覧になれまして、「医学科バーチャル・オープンキャンパス」の動画を見ることができます。遠方に住まわれている方でも学内の様子を見れますので、是非どうぞ。

 

長崎大学が非常に多くの国と交流協定を締結

また、長崎大学は、アジアだけでなく、ヨーロッパをはじめアメリカなど、幅広い国と地域の大学と学術交流協定を締結しているのが特長です。中国、台湾、韓国、東南アジアだけでなく、ドイツ、オランダ、フランス、イタリアと簡便に学術交流できるのは大きな魅力であります。

医学科の公式パンフレットにも交流協定大学が載っており、医学科生も他学部生と同様に、多くの提携大学と交流できるものと判断されます。

興味のある人は下記の公式ページで確認して、是非とも検討してみて下さい。

 

医学科の偏差値は65!共テ得点率は81%

科学において本格的な第一線を走り続け、医学においては「オランダ国軍医の精神」と「被爆地としての重さ」の両方から人間的尊厳を大切にしている長崎大学医学部。

パスナビによると、2023年度入試の医学科の偏差値は65.0であり国公立医学科としては平均的です。共通テスト得点率は81%です。

長崎大学医学部には保健学科もあり、看護学、作業療法学、理学療法学に分かれていますが、いずれも偏差値47.5~52.5ですので、ここからも、医学科の屹立した難易度の高さが窺えます。

なお、医学科も保健学科も前期課程のみの入試で、後期では入試は実施していません。

長崎大学医学科の確定志願倍率は、4倍弱~6倍弱の間で揺れ動いています。旧帝大の医学科では、受験生が敬遠するがために倍率が3倍程度という大学もありますが、それに比べれば高くなっており、「人気の国立医学科であるが、最も倍率が高い国立医学科より低い」といえます。

多方面のことを試問される医学科の面接

医学科の面接では、「医師志望理由」「本学志望理由」のほかに、「医学部に入ったらどんな勉強をしたいか」「どの診療科の医者になりたいか」「地方の医師不足について」「困難の乗り越え方について」「高校時代の部活について」などが尋ねられたようです。鉄板の質問である医師志望理由と本学志望理由のほかに、医師や医学に関する見解と、「人間力」の両方を試そうとしていると判断されます。

いずれにしても、筋の通った、習熟した意見を述べたいところです。

以上、医学科を中心に長崎大学医学部について見てきました。至るところに人文主義的な人間の尊厳がにじんでおり、律儀な人、几帳面な人、人間的側面やヒューマニズムを重視したい人にとっては理想であると言えます。

また、放射線医療科学、とりわけ原爆障害について学び研究できるのも長崎大学医学部独自の特長であり、唯一の被爆国である日本から世界に向けて科学的知見を発信し続けられるよう、興味のある若い方の積極的なチャレンジを期待しています。

Medichen編集長

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・出身校 東京大学大学院 ・出身地 東京都世田谷区 ・経歴 英会話スクールで講師とバックオフィスを担当。現在は医学部受験塾ASIRにて英語、地歴公民、国語を...

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