医学部を目指す受験生の失敗しない年間スケジュール管理【現役医大生が教える】

医学部対策の勉強法

みなさんは受験勉強のスケジュールをしっかり立て、日々の勉強をこなしていますか?

受験生の多くの方は、「大学受験に向けて勉強しなきゃ」という気持ちがあると思いますが、ただ闇雲に勉強するのはNG。

スケジュールの作成と管理こそが受験において最も重要なことだと言っても過言ではありません。

なぜならば、大学受験のような長丁場の勉強をする際は、適切な時期に適切な取り組みをしないと学力をうまく伸ばせないから、また限られた時間で1月後半〜3月の受験時期に学力のピークが来るように勉強しなくてはならないからです。

スケジュールを制すものが受験を制します!

 

受験までは勉強すべきことがとても多いので、非効率的な勉強方法や遠回りをしていては時間が足りなくなってしまいます。
また、ただ勉強しているだけでは苦手科目や分野は放置されたままになりがちですし、段階的にしっかり勉強しないと受験レベルの問題に対応できるようになりません。

 

「いつ、何をすればいいか」を明確にすることで最短距離で志望校に合格できる学力が身につきます。

今回は、現役医学生が受験計画の立て方と管理の仕方をお教えします!

しっかりとした受験計画を立てて管理することで、合格を掴み取りましょう!

目標から逆算してスケジュールを立ててみよう

「大学受験は年間スケジュールが大切」と言っても、それまでに1年間もの長期的なスケジュールを立てたことがない方は、どうすれば良いのか戸惑ってしまうこともあるのではないでしょうか?

 

スケジュールを立てる際に、まず行わなければならないのは入試日程を把握することです。なぜなら、入試当日に良い点をとって、合格することが受験生の最終目標だからです。

国公立医学部を受ける場合は、共通テストと2次試験を受けなければなりません。
共通テストは、来年は1月18日と19日に行われます。また、2次試験(前期試験)は、2月25日から例年行われています。

私立医学部を受験する場合は、例年共通テスト後から3月上旬まで各大学の発表した日程に試験が行われます。

最近では、私立医学部でも共通テストを利用した入試形式を用意している大学も多いため、私立医学部専願者でも共通テストを受けることが多いです。

12月上旬〜中旬に共通テストの勉強に本腰を入れる人が多いので、11月末までに私大入試、国公立2次試験に対応できるレベルまで学力を上げられるように受験勉強を進めていく必要があります。

そう考えると、実はあまり時間に余裕がないのは分かると思います。

出題範囲がしっかりと決まっている模試を例にスケジュールを立ててみましょう。

たとえば河合塾の第一回全統共通テスト模試(マーク式)の出題範囲を見ると

物理(電磁気・原子分野は除く)
生物…生物(生命現象と物質(遺伝子のはたらきを含む)(2021年度時点)

化学…化学(反応速度と化学平衡、無機物質、有機化合物、高分子化合物は除く)

と記載があります。このように出題範囲が明確にされている場合は、これが進度の目安になります。なぜなら、これに合わせて全国のライバルと自分の本当の力比べができるからです。

この出題範囲に合わせて、模試までの数ヶ月で勉強分野を分割し、大目標を決めましょう。

例えば生物であれば

3月:代謝をマスターする
4月:遺伝をマスターする

このように大まかで大丈夫です。

年に数回ある模試の出題範囲に合わせて自分の勉強ペースを考えると、自然と秋までに全ての範囲を網羅的に勉強できるようになっています。

次に中目標です。3月に代謝をマスターすると決めたなら1週間ごとに大目標の中身を分解して目標を決めていきます。具体的には下記のように計画を立ててみましょう。

1週目:生命現象とタンパク質
2週目:呼吸
3週目:光合成
4週目:窒素同化

 

受験生の1年間の流れを把握してスケジュール作成のイメージをしよう

高校3年生の1年間の流れを大きくまとめると、以下のようになります。

 

・〜夏休み:基礎固め
・夏休み:基礎の復習
・夏休み後〜12月:応用問題練習
・12月〜:受験直前の確認

 

一般的に夏休みが終わるまでに全科目の基礎が一通り身についていることが必須条件であり大きな目標となります。

なぜなら夏休みが終わった時点で基礎が身についていないと9月以降に入試問題へと進み、理解を深めていくことができないからです。

では、ここからはどの時期にどんなことをすればよいか詳しく見ていきましょう。

高校2年生の1月~3月

「どうやって受験勉強すればいいの?」という点ばかり考えてしまいがちですが、「どうやって勉強するか」を考えるには、まず「どんな学校に行きたいか」というゴール地点を明確にしておかなくてはなりません。

高校3年生に入ってからでは時間が取りにくくなるので、高校2年生の冬休みや春休みに自分の志望校を決めておきましょう。

話しにくいかもしれませんが、保護者の方と「合格後に一人暮らしができるのか・浪人はしてもいいのか」「受験全体で予算はいくらぐらいか」などまで話し合っておくと、受験戦略が立てやすくなります。

高校3年生の4〜7月

《この時期にしたいこと》
・年間スケジュールの策定
・志望校の過去問・偏差値チェック
・基礎固め

 

高校3年生に進級したら、年間スケジュールをまず立てます。
しかしゴール地点がわからないままではスケジュールを組めないので、まずは自分の志望校の過去問と偏差値をチェックしましょう。

 

「英語長文の比率が多い」「数学の配点が高い」など学校ごとの特徴に合わせ、今の自分の学力と合格に必要な学力を比較・逆算して大体の目標を定めていきます。

年間スケジュールを決めたあとは、基本部分を理解していないと応用問題を解くことができないので基礎固めを行いましょう。

基礎とは、「教科書レベル、学校で配られた傍用問題集」レベル。
主要科目は学校で習った・習っていない関係なく全ての範囲を終わらせておきましょう。

8月

《この時期にしたいこと》
・苦手分野の克服
・ここまでの復習(基礎問題練習)

夏休みまでに教科書レベルの問題が完璧になっている状態を目標にしましょう。

1学期中に終わらなかった基礎固めをまず最優先で終わらせます。
予定通りに進んでいるのであれば、ここまでに見つかった苦手分野の復習としっかり定着しているかどうかの確認を兼ねて基礎問題練習(傍用問題集や、一問一答レベル)を行います。

また夏は受験の天王山という言葉もある通り、夏の過ごし方で今後の結果が変わるといっても過言ではありません。

夏休みだからといって、朝遅くまで寝ていると生活リズムが崩れてしまいます。

生活リズムが崩れると、日中眠くなってしまったり、頭がうまく働かなかったり、集中も続かなくなり良いことがありません。

ですので私は朝から勉強できるよう、朝早い時間帯の夏期講習に参加するようにしていました。そうすることで1日を有効的に使えるようになりますよ!

では、ここからは夏休みの勉強について詳しくお伝えしようと思います。

夏休みの英語

  • 文構造を確実に取れるようにする。
  • 使っている英単語帳を1冊仕上げる。
    (ない場合は、「速読英単語必修編」と「速読英単語上級編」、「鉄壁」、「ターゲット1900」、「DUO」など)
  • 文法問題集を1冊仕上げる。(例えば、新・英文法頻出問題演習PartI:文法篇やnextstage)

 

夏休みの数学

  • 夏までに問題集を何回か回すことで定着を図る。この際自分に合った問題集を選ぶことが大切。(例えば、「理系数学 入試の核心」、「厳選!大学入試数学問題集理系262」,青チャートなど)
  • 同じ問題を何回も回すことが大事。学校で配られる問題集は解説が不親切な上に問題数が多い場合が多い。

    夏休みの物理

  • 微積を用いたくない人は「物理のエッセンス」や良問の風を、微積を用いて物理を学びたい人は、「新・物理入門」とその練習問題を解けるようにする。
  • 問題集を一周する。
    (例えば、微積を用いたくない人は「物理基礎問題精講」や重要問題集の易しい問題、微積を用いて物理を学びたい人は、「新・物理入門問題演習」)

     

夏休みの化学

  • 「大学受験Doシリーズ」の該当部分を読んで、該当部分の「化学基礎問題精講」を解くを繰り返し、「化学基礎問題精講」を一周は回す。重要問題集のA問題でも可

     

夏休みの生物

  • 「大森徹の最強講義117講生物[生物基礎・生物]」の該当部分を読んで、該当部分の「生物基礎問題精講」を解くことで「生物基礎問題精講」を一周は回す。

     

夏休みの現代文

  • 「現代文読解力の開発講座」を通読して、論理構造の取り方を学ぶ。
  • 学校の授業をしっかりと聞いて、学校の授業で扱った文章を「現代文読解力の開発講座」で学んだ方法で論理構造をとってみる。

夏休みの古文

  • 学校で使っている(今まで使ってきた)単語帳を1冊仕上げる(例えば、「読んで見て覚える重要古文単語315」)

夏休みの漢文

  • 「漢文ヤマのヤマ」または漢文早覚え速答法共通テスト対応版を1周する。

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夏休みの社会

  • 「 大学入試共通テスト 〇〇の点数が面白いほどとれる本」(通称:黄色本)を何回か通しで読んでおく。

夏休みが終わるまでに基礎を身につけるということは、以上のような勉強を夏休みが終わるまでに完了する必要があります。

 

また、遠隔地に受験に行く場合、志望校の入試日程が確定したらすぐに宿の手配することも忘れずに。

受験当日の受験会場に一番近いホテルは直前だと満室になってしまうこともあります。私は、夏休みの間に受験する可能性が高い学校の入試日のホテルを抑えるようにしていました。そして秋頃に正式に受験校が決定してからホテルをキャンセルしたり、追加したりしていました。

9〜10月

《この時期にしたいこと》
・応用問題集演習
・過去問演習

夏休みが終わると、いよいよ本格的に入試問題に取り組む時期です。
実際に入試問題と同じくらいのレベルの問題集を解くことで、応用的な問題の解き方や思考力を身に着けます。
目標とする学校のレベルにもよりますが、英語なら英文法ファイナル、数学ならプラチカ〜上級問題精講程度が目安です。

 

二次試験などで論述や記述問題がある場合も、この頃から対策していきましょう。
ある程度慣れてきたら、10月頃から志望度の低いor難易度の低い志望校の過去問演習も取り入れていきます。

11月〜1月前半

《この時期にしたいこと》
・共通テスト対策
・応用問題演習
・過去問演習

11月以降は、過去問や応用問題演習と並行して共通テスト対策も始めていきましょう。
過去問や予想問題集、共通テスト用の参考書などを使って短期集中で仕上げていきます。

国立を受験する人は、国語や社会の勉強を本格的に始めないといけないので勉強量が増えますがここが踏ん張りどころです。頑張りましょう。

第一志望or難易度の高い志望校の過去問に入るのも11月に入ってから。

とにかくやることが多いので、週ごと/月ごとだけでなく、毎日何をするかを時間単位でスケジューリングしておき、共通テスト対策だけや1つの教科だけなどに勉強が偏らないようにしましょう。

1月後半〜受験終了まで

《この時期にしたいこと》
・過去問演習
・応用問題演習

共通テストが終わったら、とにかく過去問を中心にアウトプットの練習をしていきます。

 

心配になってしまうかもしれませんが、この頃の勉強は「新しいことをはじめない」のが鉄則。
受験直前用に残しておいた過去問を解く以外は新しい問題に取り組まず、今までやってきた問題を繰り返し解くことでより正確に、より早く問題が解けるようにしましょう。

 

そうすることで、「自分はできるんだ」という自信を失わないことと、「やったはずの問題」で失点してしまうことを防げます。
試験場で「これだけ勉強してきたんだから大丈夫!」と思えるよう、しっかり復習しておきましょう!

注意点を意識して失敗しない計画を立てよう

注意点①余裕のある計画にする

定期テスト前のスケジュール作成との一番の違いは「計画を詰め込みすぎないこと」。

短期間なら多少無理のある計画でも気力や体力が続きますが、1年という長期間では続けられません。

 

「テスト前はこれくらい1日に勉強しているから」「頑張ればこれくらい勉強できるから」などと思わず、睡眠時間もたっぷり取り、達成可能な計画を考えるようにしましょう。

1年間ずっと勉強しっぱなしではなく、適度にオフの日などを入れることも重要です。個人差はあると思いますが、私はしっかり休息をとらないと体調を崩してしまうので週に1回は休むようにしていました。

 

また、「計画を立てる時に想像していたより苦手教科の定着が悪かった」などの理由で思うように計画が進まないのは誰にでもあることです。
1度立てた計画であっても適度に見直しや修正を入れていくことで、より現状に即したスケジュールを立てられます。

 

1週間に1回は「振り返りのための時間」と「予備日」を設けて、スケジュールのチェック・立て直しの時間を取りましょう。

予定していた勉強が終わらなかった際に消化するためにも計画を詰めすぎることはお勧めできません。

注意点②大きな目標から立てる

これはテスト前も同じですが、最初に最終目標を決め、そこから段々と細かい目標を逆算していくようにします。

 

具体的には、最初に「第一志望合格」のために必要な地点を明確にし、そこから月ごとにどれだけ学力が伸びていればいいか、何月までにどの問題集ができていればいいのか、そのために今週は何をすべきなのか、今日はどうすべきなのかを考えましょう。

 

毎日考えるのは大変なので、曜日や時間で行うことをある程度固定してしまうと楽になります。
例えば水曜日と金曜日は社会をやる、朝起きたときと寝る前は英単語、放課後2時間は数学をやる……と決めてしまうのです。

 

「今日は何をすればいいのかな」と考えたりチェックしたりする時間が減り、勉強だけに集中できるようになりますよ。

 

注意点③得意教科と苦手教科のバランスに気をつける

得意教科と苦手教科の勉強時間の配分は、苦手科目やどれくらい苦手か、志望校の点数配分などで違いますが、自分の取りたい点数になるよう適宜調節していきましょう。

何も考えずに勉強していると得意科目ばかり勉強してしまったというのは受験生あるあるではないでしょうか?

 

基礎固めの時期は苦手教科の配分を多めに、応用の時期は得意教科の配分を多めにするようにすることで、「苦手科目で点を落とさず、得意科目で高得点をとる」というセオリーに乗せやすくなります。

順調に勉強を進めるためにもスケジュールを制作しよう

大学受験は1年間の戦いになるため、効率よく学力を伸ばすためにはスケジュールを立てて勉強していくことが大切になります。

その際、「入試対策だから」といっていきなり難しい問題ばかり解くなどの回り道をしていては、最終的に時間が足りなくなってしまうこともあります。
基礎→応用の道のりを経ることで、強固な土台の上に思考力や表現力を身に着けられるのです。

勉強計画を立てることで、今自分がどのくらいの位置にいるのかも分かるようなり、「合格するための学力が足りない!」と焦ったりせず、落ち着いて毎日の勉強に集中できるようにもなるでしょう。

はじめは計画を立ててみても計画通りに進めることができず、計画を立てることが嫌になったり難しいと感じると思います。私も実際そうでした。

しかし、何度も計画を立てていくうちに、この勉強だったらこのくらいの時間かかるなということや自分の癖が分かるようになり徐々に自分がうまく消化できるような計画を立てられるようになります。

自分で計画を立て、1年間勉強するのはかけがえのない経験になるはずです。
息抜きを適度にはさみつつ、受験に向けて頑張りましょう!

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