研修医の初期研修の2年間とは?5つ以上の診療科で実務経験を積む

医者のキャリア

医師国家試験に合格すると、晴れて医師として働くことができます。

医学部卒業後の2年間は初期研修医と呼ばれます。初期研修医は上級医のもとで、一人前の医師になるために研鑽します。

今回は、初期研修について詳しくご紹介していこうと思います。

初期研修の期間は医学部卒業後の2年間

医学部卒業後はどんな風なキャリアが待っているのでしょうか?

人によって選ぶ診療科も進路も様々です。

しかし、臨床医を目指す医師たちは卒後の2年間は色々な診療科を廻りながら、医師として病院で働くことが決められています。

研修医は、医学生のときとは違いレッキとした医師ですので、自ら医療行為をすることが求められます。

一般的には、この2年が終わったら、自分の進む診療科(心臓血管外科、呼吸器内科など)を決めます。

医師国家試験合格→初期研修医(2年)→後期研修医(3~6年)という流れです。

初期研修・後期研修は病院ごとに特色が大きく異なるので、自分自身で自分の目的に合った病院を探して応募する必要があります。

募集人数に対して行きたい人が多いと試験や面接を通して選考が行われます。

初期研修は「スーパーローテート」方式で行われる

初期研修は主に医学部を卒業した後の2年間、後期研修医はその後の数年間のことを指します。

初期研修では「スーパーローテート」という制度で各科を回って研修します。

みなさんは、医学部に入って6年間勉強したら「どんな患者さんも診られるようになる!」と思ってはいませんか?

残念ながら医学の世界は広く深いため、たった6年では完全な知識を習得することはできません。

ましてや生身の患者さんを相手にする機会も、学生時代は実習以外ではなかなか確保できません。

そこで卒業後の2年間は

「将来どんな専門領域に行っても通用するように」

「重要な科を勉強するために」

あらゆる科で研修することになっています。

必修となっているのは

内科 6ヶ月以上
救急科 3ヶ月以上
地域医療 1ヶ月
外科・麻酔科・小児科・産婦人科・精神科のうち2つ以上の診療科の研修

それ以外は自分で選択できます。

ちなみに内科というのは循環器内科や腎臓内科などの総称です。

選択の時期は病院によって大きく異なります。

どの病院でも初期研修ができるわけではない

認可された病院でしか初期研修を行うことはできません。こちらのサイトでは、どの病院で研修が行われているのかを調べることができます。

初期研修医を指導できる環境が整っている病院、例えば大学病院や総合病院などが研修医を受け入れることができます。

近所のクリニックに研修医という医師を見たことがないのはこのためです。

研修医を指導できる指導医と幅広く疾患を学べるような施設が必要になってきます。

初期研修を行う病院は「マッチング」で決める

初期研修をどの病院で行うかは、医学部6年生の時に決めます。

自分が行きたい病院をいくつか決めて、「マッチング」に出します。これが、医学生の就活です。マッチングについてはこちらの記事を参考にしてみてください。

このマッチングで勤務する病院が決まり、国家試験に合格した暁には、晴れて医師として医療行為ができます。

マッチングの際には、大学の成績表や志願理由書などの書類の提出が求められます。さらには、面接もあります。

病院によっては、CBTの成績と提出したり英語の試験が用意されていたりするので、自分が希望する病院の対策は大事です。

最近は、医師の働き方改革も進み、QOLを重視する学生も多いように感じます。病院によってベッド数、当直の回数や救急車受け入れ数は違うので、自分の理想の働き方に近い病院を選びます。

病院見学などで実際に病院に足を運んで、雰囲気を自分で感じ取る学生も多いです。

初期研修の次は専門研修へとステップアップ

初期研修を終えると、専門医を取得します。多くの医師が、初期研修後は専門医研修に進みます。専門医研修は後期研修とも言われます。

皮膚科医になりたい人は皮膚科で数年勤務して皮膚科専門医を、整形外科医になりたい人は整形外科で数年勤務して整形外科専門医を取得するといった具合です。

初期研修と同じ病院で専門医研修を行う場合もありますが、初期研修を行った病院が専門医研修の認定がない場合は、違う病院に勤務することになります。

ですので、医学生の時にすでに診療科を決めているのであれば、その診療科が強い病院をマッチングで提出することが多いです。

専門研修についてはこちらの記事で紹介しております。

初期研修は一人前になるための第一歩

初期研修の2年間は、非常に大事な時期です。

これからの医師人生の土台となる時期です。病院選びから実際に勤務するまで、医学生は一生懸命に取り組みます。

初期研修を通して、診療科を決める医師もたくさんいます。

この記事を読んで、初期研修について少しでも理解してくださると嬉しいです。

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