受験勉強に徹夜はNG?科目別に一番集中できる時間で効率よく勉強しよう
人間の生活タイプには、「朝型」「夜型」「中間型」があることはご存知でしょうか?
朝型は全体の約4割、夜型は約3割、中間型は約3割であり、これらの分類は「クロノタイプ」と呼ばれ、分類の大きな要因は遺伝であると言われています。
学生のみなさんは、学校がある日は必然的に朝早くから起きる必要がありますが、休みの日は夜更かしをしまったりして生活リズムが崩れることもあると思います。
特にこれから冬休みになるので昼夜逆転してしまいがちです。
今回は朝型、夜型のメリットやデメリットをお伝えします。
Contents
朝型のメリット
前倒しでスケジュールを進められる
夜遅い時間になってから、あれもやってないこれもやってない…と終わらない計画に焦りを感じた経験はありませんか?せっかく計画を立てても計画通りに進まないとなかなかやる気を維持するのが難しくなってしまいます。
そこで、朝30分でも1時間でも早く起きて計画に着手することでより計画をスムーズに進めることができます。やる気が出ないときもとりあえず手を付けてみると気付いたら集中できていたということもよくあることです。
手を付けるタイミングが早ければ早いほど長い時間勉強に集中でき、計画通りに勉強が進められます。
学習効率が高い
夜よりも朝の方が学習するのに適していると言われます。一旦睡眠を経て頭の中が整理された状態であり、身体も十分に休まっているため勉強に集中しやすくなっています。しかし中には寝起きが悪い方もいらっしゃるでしょう。そういった方は朝起きたらまずカーテンを開けて太陽の光を浴びる、朝ごはんをしっかり食べる、歯を磨く、冬なら少し窓を開けて冷たい空気を部屋の中に取り込むなど目が覚めるような工夫をすることをおすすめします。
生活リズムが整う
みなさんは基本的に毎日学校に通っていると思います。平日はほとんどの方が6時や7時くらいには起床しているのではないでしょうか。せっかく平日に朝早く起きる習慣がついているのに休みの日になった瞬間にお昼まで寝てしまって夜型になると生活リズムが狂ってしまいます。生活リズムが狂うと集中力が続きにくくなったり心身に不調をきたしたりする原因となりますので、休みの日でもできれば平日と同じ時間もしくは遅くとも寝坊は2時間以内に留めるようにすると生活リズムも整えやすいです。
受験本番と同じスケジュールに慣れやすい
ほとんどの入試は朝から行われます。早いうちから朝型の生活に慣れておくことで、受験直前に慌ててコンディションを整える必要がなくなります。過去問の演習を本番と同じ時間割で解いてみるのもおすすめです。受験はメンタル面も大事になってきますので、直前に余計なことで気を揉まないようにするためにも朝型を習慣にしておくと有利です。
朝型のデメリット
夜早い時間に眠くなってしまう
睡眠時間は確保する必要があるため、生活リズムが朝型にシフトすると自然と夜早めの時間に眠くなります。塾や予備校に通っている場合はどうしても帰宅が夜遅くなりますので体力的に厳しくなってしまうかもしれません。
夜型のメリット
復習しやすい
授業やテストが終わってからの復習はとても大切ですが、その日のうちに終わらせようとすると夜遅くまでかかってしまいます。翌日に持ち越すよりも、その日のうちに解決しておいた方がよいので復習の点では夜型にもメリットがあるといえます。
朝よりまとまった時間が取りやすい
朝に勉強しようと思っても学校に行かなくてはならないのでまとまった時間はせいぜい1~2時間といったところでしょう。一方で帰宅してご飯やお風呂を済ませて…と考えても夜型では3~4時間はまとまって取れるはずです。
夜型のデメリット
生活が不規則になり体調を崩す原因になる
夜遅くまで起きていても次の日の朝は学校に間に合うように早起きしなくてはなりません。しかしそれでは十分な睡眠時間が確保できず、居眠りや昼寝で足りない分の睡眠を補うことになります。そうなると短く質の悪い睡眠ばかり取ることになりいつの間にか睡眠負債がたまってしまいます。睡眠負債がたまると短期的な不調だけでなくうつや認知症など長期的な影響が出てくることも言われています。受験を乗り切るのも大学生活やその後の生活においても健康第一です。規則正しい生活を心がけて体調管理に努めましょう。
受験当日にコンディションを整えられない
先ほども触れましたが、どんなに夜型の人でも入試の時間割には逆らえません。夜型の生活にどっぷり浸かったまま本番を迎えてしまうと脳が覚醒していない状態で試験に臨むことになります。朝型の生活に慣れている他の受験生の方がはるかに有利なことは言うまでもありませんね。受験直前に夜型からいきなり朝型にシフトすることはかなりの負担にもなりますのでできれば1か月前までには夜型人間を卒業しましょう。
また、横になって睡眠を取ることで脳と体を休めなくてはならないところを無理やり起きて働かせるわけですから、疲労は蓄積する一方です。徹夜をしている間に疲れを感じるどころかどんどん元気になって捗るような感覚を経験することがありますが、これはとても危険です。
ドパミンなどの物質が分泌されることで、本当は限界寸前なのにまだまだいけると脳をだまして無理をしている状態だからです。当然ながら反動はきますので徹夜をした翌日はどっと疲れが出るほか、注意力の低下や頭痛・めまい・吐き気などの自律神経失調症状が出やすくなります。
翌日に大事な予定がない場合は多少無理をしてもなんとかなるかもしれませんが、そんな時にわざわざ徹夜する意味はありません。一夜漬けをするのは多くの場合試験前日などではないでしょうか。受験に必要のない科目だから体調が万全でなくてもいいやと思っている方、無理をして寝落ちした挙句に試験に遅刻するというリスクを十分念頭に置く必要があります。
翌日以降にも響く
1回徹夜をすると、その影響は翌日だけでは済みません。体内時計という言葉を聞いたことがありますか?私たちの体はさまざまなホルモンによって調節されるリズムによって動いています。常に一定の量のホルモンが分泌されているわけではなく、睡眠中に分泌されるものや太陽の光を浴びると分泌されるもの、ストレスがかかった時に特に増えるものなど色々なものがあります。
徹夜をするとそのバランスが崩れて体内時計が狂ってしまいます。また徹夜明けは居眠りや昼寝などイレギュラーな睡眠を取ってしまうことが多いです。その結果正しい時間に眠くならなくなり、徹夜をした翌日以降も夜型の生活が定着してしまうなどの悪影響が続いてしまうことになりかねません。狂ったリズムを正常に戻すのは大変です。普段から規則正しい生活を送ることは受験勉強と同じくらい大事なことだということを認識してください。
さらに長期的な影響も
徹夜や夜更かしを繰り返し、足りない分の睡眠は居眠りなどの浅い眠りで補うといった生活を続けていると思わぬ病気を引き起こすことにつながります。「睡眠負債」という言葉を聞いたことはありますか?毎日の睡眠不足が借金のように積み重なっていくことを指します。
睡眠負債が蓄積すると、自律神経が乱れて心臓に負担がかかります。さらに続くとホルモンバランスが乱れて糖尿病や脂質異常症の原因となります。慢性的な疲労を感じるようになり免疫も下がります。数年後にはうつ病など精神系に異常が現れてきます。最終的には認知症の原因となります。目の前のことしか見えずに短期的な利益だけを求めて徹夜を繰り返すと、将来的に取り返しのつかないことになります。健康を害してしまっては元も子もありませんので、長い目で考えて自分の体は大切にしましょう。
記憶が定着しにくい
記憶は睡眠によって定着すると言われています。浅い眠りであるノンレム睡眠と深い眠りであるレム睡眠を繰り返す過程で記憶が固定されるそうです。一夜漬けの短期記憶だけでも試験を乗り切ることはできますが、せっかく勉強したのにすぐ忘れてしまうのはもったいないことです。一見受験にもなんにも関係なさそうな知識が将来どんなところで活きるかもわかりません。もっておいて損な知識はありませんので、脳が若くて色々吸収できるうちに知識を広げておくと気づいた時には話の引き出しの多い魅力的な人になっているかもしれませんね。
短期記憶にのみ依存する定期テスト対策はNG
学校の定期テストなど、一瞬の短期記憶で乗り切れる試験も少なからず存在します。試験範囲が限られている暗記物などは徹夜で乗り切るという人も多いです。
進級・卒業できなくては話になりませんので、とりあえず目の前の試験に落ちないようにするために一夜漬けするのはありかもしれませんが、リスクと辛さを考えると普段からコツコツ勉強することを強く推奨します。
徹夜をしてしまった時の対処法
徹夜をしてしまったら、できるだけ早く元の生活リズムに戻すことが大切です。最後に生活リズムの整え方をご紹介します。
朝になったら太陽の光を浴びる
太陽の光を浴びることでメラトニンという体内時計の調節に重要なホルモンの分泌が整えられ、体内時計をリセットしやすくなります。普段の起床時刻と同じ時間に日光を浴びるようにしてください。
朝食をしっかりとる
朝食をとることも体内時計を整える助けになります。徹夜で脳も体も栄養が足りなくなっている状態のため、朝食をしっかりとって栄養を補給しましょう。貧血や低血圧の予防にも効果があります。また噛むことは脳を刺激しますので覚醒しやすくもなります。
夜にしっかりと寝る
徹夜明けは無理せずに、早めに就寝しましょう。ここで注意したいのは昼寝をしないことです。徹夜明けの午後はどっと疲れが押し寄せますが、ここで寝てしまうと夜正しい時間に眠れなくなり夜型の生活リズムへとシフトしてしまいます。そうなると徹夜のダメージが翌々日以降も続く負のループかが抜け出せなくなるため、昼寝は極力我慢しましょう。どうしても眠気に抗えないときは15分以内で仮眠を取ってください。
時間によって勉強すべき科目は異なる
ここまで朝型、夜型のメリットやデメリットをお伝えしてきました。
実は、一日のうち時間によってやった方が良い科目が違うのは知ってますか?
朝から昼は理系科目
朝起きてから数時間は睡眠をとったあとで1番脳が活動している時間です。なので、頭を使う理系科目の勉強を行うのが効率良いとされています。
しかし、起きてからすぐの時間はまだ完全に脳が起きていないので、前の日の夜に暗記したことの確認を行いましょう。
前の日の夜に暗記したことを次の日の朝にもう一度確認することで、暗記したことを長期記憶に定着させることが出来ます。
昼食の後は文系科目
昼ごはんを食べたあとは、血糖値が上がるため眠たくなります。眠たいまま勉強していても頭には入りにくいので短時間の睡眠を取るのもオススメです。実際、私も昼ごはんを食べて眠くなった際は、タイマーを15分にセットして机で寝ていました。
昼から夕方にかけては、英語や国語などをとくと良いとされています。
夜は暗記科目
また、人間の記憶は睡眠中に整理されることから夜は暗記科目を行う事が効率良いとされています。そうすることで睡眠を取っている間に暗記したものが整理され、効率よく暗記が行えます。
また、夜になると一日中勉強をして、頭を使っているわけですから頭も朝のような高い思考力は期待できません。
私は、寝るギリギリまで暗記をしたかったのでベッドに単語帳や自分で作ったまとめノートを持ち込んで暗記をしていました!(寝る直前まで勉強するというのは、人によって向き不向きがあると思います)
生活習慣を整えよう
いかがだったでしょうか?
朝型、夜型のメリットやデメリット、科目別に勉強をした方が良い時間などをお伝えしてきましたが、やはり1番大事なのは生活リズムを整えることです。
今日終わらせることが終わっていないからや成績が思うように上がらない焦りなどから夜遅くまで勉強をしたい気持ちもあると思います。
しかし、試験は朝から始まります。
夜遅くまで勉強して日中ずっと眠たいままであったり、体調を崩してしまっては本末転倒になってしまいます。
ですので、特に試験前には朝から勉強して夜にしっかりと睡眠を取ることをおすすめします。
また、共通テストなどの試験前になった際には、本番の試験の時間割りと同じ時間から初め、休憩時間も同じにして、共通テストパックなどを解くことで当日の時間のの感覚を掴めるようになるので何度か自分でシュミレーションを行うと良いでしょう。
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