【2023最新情報】卒業前も卒後も充実のサポート体制!本人の意志を尊重する宮崎大学医学部
1949年、いわゆる戦後の大学設立ブームの流れの中で、国立大学として宮崎大学は誕生しました。
そして、「1つの県に医科大学を1つ」という政府の方針の下、1974年に宮崎医科大学が設立されました。公立(県立)の「〇〇医科大学」についてはすでに数多く言及してきており、いままでmedichenを読んできてくださった方々にはなじみ深いと思います。
その後、やはり全国規模の大学統廃合の流れのもと、2003年に宮崎大学と宮崎医科大学は統合し、新制「宮崎大学」となりました。このときに、宮崎医科大学は「宮崎大学医学部」となったわけです。
大自然の中でのびのびと部活動や学業に精を出せる医学部として知られています。
Contents
全国の受験生にキャリアアップの機会を与える「地域枠」
大自然の中で磨かれていく地域医療の精神
宮崎大学医学部は、かつては全国で最も進級が厳しい医学部として知られていましたが、「単位制へのシステムの改善」などが見られ、ここ数年で緩くなったと見られています。現在、「理不尽な留年もないので、しっかりと試験をこなせば進級できる」と述べている卒業生がいます。ですが座学等の講義・学問の科目が多い3年次までは予断を許しません。
そして宮崎大学医学部は、2006年から推薦入試を実施。「宮崎県内の高校の出身者」を対象にした「地域枠」が作られましたが、これは現在は「学校推薦型選抜」=「地域枠」として存続しています。
それと関連して、宮崎大学医学部は1年次から「地域医療」の講義があり、地域医療に注力しているため、関心のある人は深く学ぶことができます。また面接でも「将来、この県に残る意思がありますか?」と訊かれるほどなので、医師偏在解消や地域貢献に関心のある人に向いていると言えます。
さらに面接では、宮崎来訪経験や宮崎の感想についても問われたことがあり、それらを通して人柄や感性とともに、宮崎についてどう思っているか調べられています。地域医療サークルがあり、実際に地方貢献について実践しながら学んでいる医大生もいます。
学校推薦型では全国から受験生を募集
宮崎大学医学部では、「学校推薦型選抜=地域枠」なのですが、地域枠にA,B,Cの3種類があり、宮崎県外の高校を卒業した人(もしくは卒業見込みの人)も学校推薦型選抜に出願することができますよ。
今度の入試については要項や情報が発表されていませんので、直近の2023年度入試について簡単に紹介します。宮崎地域医療支援機構によりますと、以下の通りになっています。
地域枠A・・・10人
⇒ 宮崎県内の高等学校を令和5年(2023年)3月に卒業見込みの者
地域枠B・・・15人
⇒ 宮崎県内の高等学校を令和3年(2021年)3月以降に卒業の者、又は令和5年(2023年)3月に卒業見込みの者
地域枠C・・・ 日本のひなた枠15人
⇒ 宮崎県を含めた全国の高等学校を令和3年(2021年)3月以降に卒業の者、又は令和5年(2023年)3月に卒業見込みの者
地域枠Bによって、現役生でない既卒生・浪人生にも学校推薦型選抜へのチャンスが与えられています。また、地域枠Cによって、宮崎県外の高校の人にも同様にチャンスが与えられているのです。
このようにダブルチャンスがあるため、宮崎県の自然や文化、農水産に興味のある方は出願を検討してみてはいかがでしょうか。地域枠Cは、宮崎県外の高校を卒業した浪人生にも門が開かれていますし、地域枠のBとCは各15名と少なくない募集人数になっています。
資金援助とキャリア支援を受けられる地域枠
地域枠で入学すれば、宮崎の大自然と水産物を楽しみながら勉強しつつ、「宮崎県医師修学資金」の貸与を受けられるほか、キャリア形成支援も受けることができます。一粒で2度おいしい枠と言えるでしょう。大学や県としても宮崎に残る医師を育てたい為、この地域枠をプッシュしており、上述の公式サイトには次のようにあります。
平均気温、日照時間、快晴日数、どれも全国トップクラスの宮崎には、真っ青で広く高い空と、どこまでも透き透る海、豊かな自然に育まれた、美しい「ふるさと」があります。
そして、宮崎大学医学部には、宮崎県の医療を担おうという、強い意志を有する受験生のための学校推薦型選抜「地域枠」があります。
入学後は、在学中から卒業後を含めて医師としてのキャリア形成を支援します。
「修学資金」については、卒後9年間の指定機関勤務で返還が免除されます。
地域枠で入学された方は、宮崎県医師修学資金の貸与を受けます。医師修学資金の貸与額等は宮崎県の予算の範囲内で決定されます。
(現行:入学金28万円、月額10万円×最大6年間 総額748万円)この修学資金は下記に記載の「宮崎県キャリア形成プログラム」の適用を受け、9年間(貸与の期間の1.5倍)宮崎県知事の指定する医療機関に勤務することで返還が免除されます。
キャリア形成プログラムの適用を受け、「本人の希望を最大限尊重」した勤務先等で7年間の専門研修を受けることができて、かつそれによって奨学金返還免除というのも大変魅力的です。プログラム適用や人脈を生かすことができる人にとっては、医師としての様々なスキルをアップさせることができる絶好の場になります。
公式サイトの説明と図表を以下に載せます。
地域枠で入学された方は医学部を卒業後、原則9年間「宮崎県キャリア形成プログラム」が適用されます。宮崎県キャリア形成プログラムは宮崎県の将来を担う医師の確保とスキルアップを目的として策定されたプログラムです。
医学部卒業後、臨床研修から9年間県内の医療機関に勤務し、そのうち4年間を医師少数区域等で勤務します。
学校推薦型選抜(地域枠)の出願要件
最後に、学校推薦に出願する為の要件を解説します。これは2023年度入試のものですので、2024年度以降に関しては最新の情報をご確認ください。
「調査書の学習成績概評がAに属していること」「出身高校の校長が推薦していること」「合格した場合は入学すること」などの条件がいくつかあります。
- 高等学校における学習成績が優秀で、調査書の学習成績概評がA段階に属し、医師として活躍し得る、能力・適性を有する者で出身高等学校長が責任を持って推薦できる者
- 入学後はキャリア形成卒前支援プランの適用を受け、卒業後は、宮崎大学医学部附属病院又は県内の基幹型臨床研修病院において、臨床研修プログラムに参加し、臨床研修修了後も引き続き宮崎の医療に従事するとともに、宮崎県が指定する県内の医療機関に一定期間勤務することを約束できる者
- 合格した場合は入学することを確約できる者
- 入学後は「宮崎県医師修学資金」の貸与をうける者
宮崎大学医学部医学科の地域枠について公式情報を得たい方は以下のリンクよりどうぞ。
医学科の一般選抜の前期の偏差値は高くない年度もある
宮崎大学医学部は、一年次の教養科目などで他学部生と交流する機会があり、洗練された点や自由な学風も魅力です。
でも、その一方、地方医学部として、やや閉鎖的な医学部と医師界がありますので、人付き合いな苦手な人は「自分を変えるチャンス」と前向きにとらえて、人脈の作り方を学んでいきましょう。
そのほか、部活動に「日本古来の伝統的なイエ制度」が残っており、部活に入らないと過去問が入手できないほか、どの部活に入っていたかが身分証のように機能し、診療科の後釜医師なども部活で決まっていく事があります。家システム(イエ制度)については文化人類学的な観点から英語の文献も数多くあり、家父長的な社会と関連しています。
これは、たとえば金沢など地方の医学部にも共通しています。また、車社会であり、車がないとスーパー買い出しや病院実習の時も困る点も共通しています。
そんな宮崎大学医学部の医学科の偏差値は、パスナビ最新情報によりますと、前期で62.5(共テ得点率79%)であり、後期で67.5(共テ得点率84%)となっています。こちらは、いずれも医学科の一般選抜の入試の数値です。
国家試験合格率が高い!
2023年に実施された医師国家試験において、宮崎大学医学部は92.3パーセントと高く、新卒者に限ると96.7パーセントと相当高いです。
宮崎大学の雰囲気が自分に合っていると感じた人は、いろいろ調べてみましょう。入学後に環境になじめれば、学力もスキルも素敵な思い出も作ることができます。
また、誇り高き地域の国立大学として、宮崎大学では「国際交流」「研究推進」「産学・地域連携」も盛んにおこなわれております。学問や研究においては学生たちの意思を尊重する、大学らしい自由な風が吹いています。
これらについては、めいめいの個々人の関心があると思いますので、ぜひ時間のある時に公式サイトを閲覧してみて下さい。
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