【速報2023】国公立大学の志願状況や志願倍率が公表!わかりやすい考察つき!

医学部入試情報

文部科学省が、国公立大学の2次試験の出願状況に基づき、志願倍率の中間集計などを発表していましたが、2023年2月3日に国公立大2次試験の出願が正式に締め切られました。

これにより、国公立大学入試の志願状況や倍率が「速報」として公表されました。

文部科学省は、「2023年度国公立大学入学者選抜(一般選抜)実施に当たり、2次試験出願期間(1月23日~2月3日)の最終日である2月3日10時現在の志願状況を取りまとめました」としてデータなどを発表しました。

 

国立大も公立大も志願者数が減って倍率が低下

倍率は微減したものの、公立大学の人気は変わらず

以下の表は、2023年2月3日10時の時点での志願倍率です。

「確定志願倍率」は2月下旬に発表されるため、それまでは数字の揺れが見られますが、昨年度同時点の倍率との比較ができるため、有用です。

それに基づきますと、国立大学の志願倍率は3.7倍から3.6倍に微減しており、公立大学の志願倍率も5.0倍から4.9倍に、同じく微減しています。

国公立大学全体としての志願倍率は、4.0倍から3.9倍に微減しています。

やはり注目したいのは、公立大学のほうが国立大学より数が多くて倍率が高いことです。(ただし、全体の定員は国立大学のほうが多いことに注意)

国立大学と公立大学の倍率の差は、2023年度も2022年度も大きいことに変わりなく(1.3倍)、地方在住の幅広い学力層の「堅実派」が地域の公立大学に行きたくて、志願が殺到しています。

 

国立大学の志願者数は4000人近く減少

では、前述の「倍率がほんの少し下がった」という現象はどこから来ているかと言うと、国公立大学の志願者数が減ったことによります。

具体的には以下の表が示す通りで、国立大学は志願者が約3800人減り、公立大学は志願者が約700人減っています。

唯一、公立大学の前期日程だけは、志願者数が増えており、約1100人増加しています。ですが、それ以外のパラメータが減少していますから、全体として、国公立大学は志願者数が4548人減りました。

 

 

国立前期は、倍率は低くても「偏差値や難易度」は高い

2月3日現在の、日程別の志願状況も明らかになっています。

国立前期は2.6倍、国立後期は8.8倍。公立前期は2.9倍、公立後期は9.9倍、公立中期は11.5倍。

公式データという事もあって、信頼がおけますし、参考になると感じる人も多いでしょう。

ですが、やはり受験生のことを思うと、倍率だけで判断せずに、偏差値を重視してほしいと助言せざるを得ません。

「なんだ、やっぱり偏差値か」と思われてしまうかもしれませんが、倍率は「入学難易度」を示す、ごく一部の、局部的な指標にすぎません。

とりわけ「偏差値」や「共通テストボーダー」は、各予備校ごとに揺れがあるため、「倍率の低い国公立を目指そう」もしくは「共通テストの配点比率が低い国公立に出願しよう」と考える人が毎年少なからずいます。

ですが、「倍率の低い国公立」そして「2次試験の配点が高い国公立」は、いずれも偏差値や合格最低点などが高い、難関国公立である傾向にあるのです。

また、合格最低点が低いにもかかわらず、過去問を解いた自己採点の結果が妙に高めだった場合は、大学側が設けている採点基準が厳しいために平均点や最低点が下がっていることが考えられます。

受験生や高校2年生は、上記の点に留意して、合格可能性の高い国公立大学を目指しましょう!

 

 

 

日程別の高倍率の大学! 医・歯・薬・獣は少し減る

医・歯・薬・獣医に加えて「データサイエンス」

令和5年度(2023年度)入試の一般選抜において、国立大学の前期日程では、東京芸大(美術)、鹿児島大学(共同獣医)、東工大(情報理工学院)が高倍率のTOP3になりました。

TOP10までを一覧表にすると、以下のようになります。

1 東京芸術大 美術
2 鹿児島大 共同獣医
3 東京工業大 情報理工学院
4 島根大
5 徳島大
6 千葉大
7 岐阜大
8 金沢大 理系一括入試
9 一橋大学 ソーシャル・データサイエンス
10 横浜国立大 経済

 

2位に鹿児島大学の共同獣医学部と言う、獣医系がランクインしています。志願倍率は10.3倍です。

また、4位~7位に、国立大学(駅弁大学)の医学部、薬学部、歯学部がランクインしていますね。4位の島根大学医学部は志願倍率7.1倍、7位の岐阜大学医学部は志願倍率6.0倍と、いずれも難関となっています(もちろん受験生にとっては倍率よりも偏差値のほうが重要な指標ですが)。

また、8位の金沢大学も「理系一括」ですので、必然的に医学部入試や医学科入試を含みます。

そして今回、医学部・薬学部・獣医学部・歯学部と並ぶ人気や倍率を誇ったのが、いわゆる「情報系」と呼ばれる学部・専攻であり、3位の東工大の情報理工や、9位の一橋大のデータサイエンスがそれに相当します。それぞれ志願倍率は9.6倍、5.8倍と、医学科に並ぶほどの高倍率となっています。

70年以上にわたって社会科学でやってきた一橋大学が新規学部を開設したことからも察せられるように、データサイエンスはこれからの発展が目覚ましい分野で、AIと同じく、将来の日本を支える知見の一つです。

国内では担い手が少ないことからデータサイエンティストの報酬の相場は極めて高いものになっており、かつては欧米に留学するか、大企業に就職しながら学ぶしかないジャンルでした。

ですが、国内の大学でもデータサイエンスを学べる学部・専攻が増えてきており、これからデータサイエンティストの数が増加することが見込まれるなど、色々な意味で決して「医師を養成する医学科」と比べられるものではないのですが、「医学科をあきらめよう」と思ったときは、獣医系や薬学部だけでなくデータサイエンス専攻のことも想起して頂きたいと思います。

国立大学後期はTOP4に医学部が3つ

国立大学後期日程のTOP10においては、第6位までの内訳が「医学部が3つ、歯学部が2つ」となっており、かつての日本でよく言われた「将来が不安でないのは医師か歯科医である」という常套句がまだ健在であることを示唆しています。

具体的な大学名は以下の一覧表のとおりであり、やはり5位に一橋大のソーシャル・データサイエンスが入ってきています。

1 宮崎大学
2 旭川医科大学
3 徳島大学
4 千葉大学
5 一橋大学 ソーシャル・データサイエンス
6 鹿児島大学

なお、7位~10位は、いずれも教育学部であり、それぞれ富山大学、宮崎大学、滋賀大学、島根大学となっています。地方にあっては、教員養成系の学部・コースが、「医師や医療従事者養成の学科」と並んで、「学校教員になって身を固めることができる」と考えられているため人気なのでしょう。地域的な考え方やスタンスが色濃く表れており、大都市圏とはギャップがありますが、決して「地方色のあるものだから」と軽視してはなりません。公立中学・高校の教員には「公務員」という身分もあります。

かつての日本の姿を色濃く残しているものであるのみならず、各教育学部の倍率は22~23倍となっており、若い人たちが将来のため、家族のため、そして自分のため、社会的にしっかりした職に就くべく、それぞれの専門を発揮できる厳しい受験競争に挑んでいるのです。medichenは、医学部受験生、そして薬学部や獣医学部、歯学部の受験生を応援していますが、もちろん、それ以外の道を歩もうと模索して努力している若い人たちのことも応援しています!

なお、医学部をピックアップして具体的な志願倍率を示しますと、宮崎大学医学部が39.5倍、旭川医科大医学部が31.5倍、千葉大医学部が25.7倍となっています。

高倍率の難関学部は努力を注ぐだけの価値がある

昨年度に比べて、「医・歯・薬・獣医」が少し減って、代わりに「データサイエンス」が新登場し、地方の教育学部が増えた結果になりました。

ですが、国立大学の高倍率TOP10を見ると、いつの時代も、安定した優位的な職につながる学部・学科に人気が殺到していることが窺えます。

必ずしも人気が殺到している「土俵」の中で勝負する必要はありません。

皆さん独自の見解、ジャストアイディア、インスピレーションが当たって、倍率や偏差値が低い学部・学科に入って社会的に大成功する可能性も、もちろんあります。

そうは言っても、トルストイの小説タイトルにあるように、「光あるうち光の中を歩め」という考え方は日本社会において、まだまだ支配的です。偏差値はそれほど高くないけど確実な道を歩めるという、色々な点で冒険しないで済む学部に受験生は殺到するのです。

ワークスタイルが多様化している昨今、パソコン1台で仕事しながら世界中を飛び回る人もいますし、医師でも「フリーランス」という道を選ぶ人も増えてきました。でも、フリーランスや副業で稼いでいる人を知っていても、「固定給」や「公務員」という言葉は安定した暮らしを示唆し、魅力的に響きます。それと全く同じ事情なのです。

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