医学部の面接前に知っておきたい!日本・アメリカ・ドイツの医療保険制度の違いとは?
医学部受験生の皆さんは、医療保険制度について考えたことはありますか?
勉強が忙しくてそんな時間はないよ…と思ったそこのあなた!
医学部受験には必ず面接または小論文があり、日本の医療制度のメリットデメリットを考えなければならないこともあります。
医師になってからはもちろんのこと、一般教養としても役立つ知識なので知っておいて損はありません!
日本、アメリカ、ドイツの医療保険制度について一緒に学んでいきましょう!
みんなが平等に医療を受けられる日本の医療
日本の医療保険制度といえば、国民皆保険です。
国民皆保険とは、すべての国民が健康保険に加入し、保険証があれば国が一定の割合で金額を保証してくれて、いつでもどこでも医療を受けることができる仕組みです。
年齢によって国が負担してくれる割合は異なります。
小学生未満、70〜74歳 | 2割負担 |
小学生〜69歳 | 3割負担 |
75歳以上 | 1割負担 |
※小学生になってからも、地方自治体によって医療費が控除される場合があります。
※70歳以上でも一定以上の収入がある場合は、3割負担となっています。
しかし、先進医療や新薬には保険適用外のものが多く、このような医療が必要となった時には自己負担額が膨大になってしまう事があります。
そのため、多くの人は各保険会社の医療保険などに加入し万が一に備えているというのが現在の日本の現状です。
この医療保険加入にも条件が様々あり、誰でも自由に加入できるわけではありません。
また、保証内容が充実すればするほど保険料は高い傾向にあり、全ての国民が平等な医療を受けているかどうかは議論の余地があるでしょう。
その一方で、国民皆保険によってどの国民も最低限度の医療を受けることが可能であることは評価するべき点であります。
日本医師会や厚生労働省によって詳しい説明もされているので、知識を深めたい方はぜひご覧ください。
合理的に患者を管理するドイツの医療
医学というと、ドイツ語を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
実は、「カルテ」や「メス」もドイツ語なんです。
ドイツは、1883年に世界で初めて公的医療保険を導入しました。
開国後の日本もドイツの医療を見学に行くなどして、ドイツの医療を参考にしていました。
そんなドイツの医療保険制度には以下の 2つがあります。
公的医療保険(GKV)
民間医療保険(PKV)
公的医療保険は誰でも加入できますが、年間所得が限度額以下の人々は必ず加入しなければなりません。
一方で年間所得が限度額以上の人には加入義務が免除され、任意加入者の扱いになります。
しかし、公的医療保険に加入しない人には民間医療保険への加入義務が発生するので、事実上の国民皆保険制度となっています。
結果的に国民全員が何かしらの保険に入っている状態になるので、国として医療費を軽減するためにもかなり合理的な仕組みになっていますね。
また、ドイツの公的保険にはハウスアルツトという家庭医の制度があり、基本的に外来患者が受診するのは開業医院です。
入院が必要な場合には日本の一般的な病院のようなクランケンハウスという医療機関を受診することになります。
日本とは異なり、医療機関の役割がはっきりと決まっているんですね!
必要な医療を必要なぶんだけ提供するアメリカの医療
アメリカと聞くと、医療先進国のイメージが強いのではないのでしょうか?
多くの医師が尊敬するウィリアム・オスラー先生も教鞭をとり、かの有名なジョンズ・ホプキンス大学もアメリカにあります。ジョンズ・ホプキンス大学について詳細はこちらをご覧ください。
日本ではCTやレントゲンを積極的に用います。しかし、アメリカでは本当に必要でない限り使いません。
また、入院したとしても完治を待たずに退院してしまうこともしばしばあります。保険に入っていないと入院費用も自己負担のため、お金をかけたくないと思う人が多いです。
アメリカの公的な医療保障制度ですが、日本やドイツと異なり、はっきりと対象が限られています。
65歳以上の高齢者や障害者を対象に連邦政府が提供している 「メディケア」
低所得層を対象に州政府が提供している 「メディケイド」
これに該当しない場合は、民間保険会社の医療保険に加入する必要があります。
しかし、アメリカは日本と違って国民皆保険ではないので、保険に入らない人もいます。
そのため、保険に入っていない人は、万が一の時に保険に入っていないと医療費が高額になってしまい自己破産するケースもあるようです。
新型コロナウイルスの感染の際には、医療保険に加入していない人たちの自己負担額が42000ドル〜75000ドル(約450万円〜800万円)になってしまったと言われています。
日本と違って、「自分の健康は自己責任」という雰囲気がかなり強いですね。
アメリカ的な「医療もあらゆる競争を勝ち抜いてより上を目指し、利用する側も国の力には頼らない!」という考え方が影響しています。
アメリカ社会において重視されている「自由競争」や「自己責任」などの民間の力の尊重が医療にもあてはめられているんですね。
医療もあらゆる競争を勝ち抜いてより上を目指し、利用する側も国の力には頼らない!といったところでしょうか。
また国民1人当たりの医療費においても、アメリカの医療費の支出は飛び抜けて高額です。
アメリカの医療保険制度では医療格差が生じやすく、平等を重んじる日本の医療制度とは大きく異なることが分かります。
医療保険制度を知ることは世界の医療を知る第一歩
日本、アメリカ、ドイツの医療保険制度をご紹介しました。
それぞれ特徴があり、どの国にも国民性や文化が表れていて、とても興味深いですね!
医療保険制度をより深く理解するには、その国の文化について知っておくと良いでしょう。
受験生のメインは勉強ですが、息抜きとして医療の知識も吸収してみることをオススメします!
モチベーションの維持にもつながりますので、他の国についてもぜひ積極的に調べてみてくださいね!
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