医学部受験の数学にオススメの問題集6選と勉強法【目的別・レベル別】

医学部対策の問題集・参考書

受験勉強において重要なのは、「良い教材を用いて、正しい勉強法で学ぶこと」と「なぜ、この勉強をしているのかをしっかりと把握しながら、学習を進めること」です。

医学部の数学は難しいと言われていますが、実際にはどんな部分が難しいと言われているのかよく分からない、どうやって医学部のレベルにまで学力を伸ばせばいいのかわからない、という人も多いのではないでしょうか。

そこで、今回の記事では医学部の数学が難しいと言われる理由や、実際に医学部攻略のためにおすすめの問題集、その問題集の使い方を解説します。

医学部に合格したいからといって、むやみに難しい問題ばかり解くのは実は逆効果。
着実に実力を伸ばす方法を知りましょう!

医学部の数学は「問題レベルが高い」「計算が複雑」

 

 

 

 

医学部の数学が難しい理由には、主に2つの要素があります。

・「解けなければならない問題のレベル」が高い
・計算が複雑、かつ時間がかかるものが多い

医学部の数学は、基本的な問題とされるものでも応用力が要求されます。
そのため、問題集の丸暗記では太刀打ちできず、問題の解き方を制限時間内に見抜く力を要求されます。

黒チャートやFocus Goldレベルの問題集の丸暗記ができれば別ですが……そこまで数学に時間をかけられる人はそういないはずです。

もちろん、応用問題ができるようになるためには、基礎問題は完璧であることが前提。
数学の公式や基本的なパターン問題に対する知識と、「その知識を使って、この問題をどう解くか」を見抜く思考力が高いレベルで要求されるのです。

また、ただ応用力が必要なだけでなく、計算力も要求される点が医学部受験をさらに難しくさせています。
つまり、ただ「解法がわかる・解ける」だけでは不十分で、それを時間内に解ききるスピードと、ミスなく回答を導く正確性も必要となってくるのです。

医学部は入試応用レベルの部分点で得点差がつく

よく言われる話に、「医学部も基礎問題ができれば合格する!」というものがあります。
聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

実は、この話は「半分正解」で「半分不正解」です。

「半分正解」というのは、医学部受験であってもやみくもに難しい問題を解けるようになる必要はなく、基礎問題ができれば合格点に到達するというのは本当だからです。

「半分不正解」というのは、そもそも医学部受験で言うところの「基礎問題」は、他の大学で言うところの「入試標準」レベルであり、つまり我々が普通にイメージする「基礎的な問題」ではないからです。

簡単に言ってしまうと、GMARCHレベルの理系を受験するときに「この問題は部分点狙いで行こう」「解けなくても合格できます」という難易度の問題が、医学部では「絶対に解けなくてはなりません」という位置づけになるのです。

その上で、入試応用レベルの難問(予備校講師でも「え、ええっと…?」と初見では即答できないレベル)からどれだけ部分点を取れるかで得点差がつくのが医学部入試。
そもそもの「基礎として要求されるレベル」が高いため、基礎問題ができればいいといっても、他大学よりも遥かに難しいのです。

基礎固めに最適な問題集・勉強法

医学部の数学は難しいからと言って、難問ばかりを解くのは危険です!

基礎固めが最も重要な段階であると言っても過言ではありません。基礎が疎かになっているな、抜けているなと思ったら、この段階で用いた参考書に戻るので、何十回と見返すことになる参考書・問題集となります。

この段階で用いる問題集で最も重要となるのが「問題数が少ないこと」です。

問題数が多い問題集は、網羅性が高い反面、何回も問題集を反復学習することが困難になってしまい、なかなか定着しないことが問題点としてあります。この段階で用いる参考書は、網羅性をある程度、捨てて、本当によく出る定番の問題(定石問題)にだけ焦点を絞った問題集を選択することをお勧めします。

また、「計算量が多い問題集」もおすすめしません。高校で一斉購入する問題集の多くは、計算量が多い傾向にあります。

計算量が多い問題集は、計算力が上がる反面、問題数が多い問題集と同様に反復学習に適しておらず、この段階の問題集としては適切ではありません。

計算量、問題数ともにコンパクトに収まっていながら、定石問題がしっかりと載っている問題集を紹介していきたいと思います。

教科書レベルを固めるなら青チャート

目安としては青チャートと同じくらいの難易度。
青チャートは量が多いので重要なものだけピックアップしてもOKですが、高1高2の時間があるうちに全部マスターできれば、将来的に数学を得点源にできるようになってくるでしょう。

ここでのコツは、「わからなかったら解答をすぐ見る、そして解答を覚える」こと。
このレベルの問題が「わからない」と思うときは、公式の使い方が理解できていない、パターンが分かっていないなど問題の解き方そのものを理解できていません。

じっと考え込んでいても時間のムダでしかないので、わからなければ解答をさっさと見てしまいましょう。
そして、解法や考え方のポイントをどんどん覚えていきます。

数学が苦手な人、偏差値60台の人→厳選!大学入試数学問題集理系262 

厳選! 大学入試数学問題集 理系 262

この問題集のポイントは、問題数が262題と少ないことです!それにも関わらず、網羅性が抜群です。

解説も丁寧ですので、万人におすすめすることができる問題集となっています。

数学が苦手な人、偏差値60台の人→基礎問題精講

数学Ⅱ・B+ベクトル 基礎問題精講 六訂版

この問題集は分野ごとに細かく分かれており、解ける問題、解けない問題によって自分の苦手分野が一目瞭然にわかります。

この問題集が仕上がれば、応用問題を解くための基礎固めは順調でしょう。

数学が得意な人にはわからないことかもしれませんが、数学は公式が多い。私はまずこの公式を理解して、使いこなせるようになるまでに時間がかかりました。

使いこなせるようになるために、誰にでも理解できる学校の教科書を使い、一つ一つの公式に「どんな意味があり、どう使うのか」をちゃんと理解していきました。そして、理解した後は実際に問題の中で使えるのかどうかを確かめていきます。

この時に重要なのが、質より量をこなすことです。数学が苦手な人にとっては、わかりやすい出し方をされれば公式の使い方、その問題へのアプローチ方法がわかります。

とにかく量をこなすときは問題集はなんでもいいと思っています。私は当時通っていた予備校が作成した問題集を使っていました。圧倒的な問題数をこなすこと、これによって解法を抵抗なく使えるようになっていきます。問題を解いた後は、解法が正しいのか講師の先生と一緒に確認。もし解けなかったり解法が違っていたらそれを復習していました。

数学が好きな人・得意な人、偏差値70以上の人→1対1対応の演習シリーズ

1対1対応の演習/数学A【新訂版】

問題数が程よく、一問一問の問題の質がとても高くて勉強になる問題集です。そのため、反復学習もしやすいです。
計算量も極めて少なく抑えてあります。

デメリットとしては、問題が多少難しいのと数学を理解している人向けに解説が施されているので、数学が苦手な人には厳しい問題集かもしれません。数学が得意な人にとっては、とても端的な解説で理解がすんなりとできると思います。

もっと問題数が少ない方がいい人、やる気が続かない人→理系数学 入試の核心 標準編

この問題集のポイントは、もちろん問題数が驚愕の150題と極めて少ないことです!

正直、少なすぎる気もしなくはないですが、本当に重要な問題は網羅されているので、かなりおすすめの問題集です。

私のように、やる気が続かない人にとっては、夢のような問題集ではないでしょうか?笑

解説も丁寧ですので、万人におすすめすることができる問題集となっています。

問題演習に最適な問題集・勉強法

基礎の問題集を完璧にできたら、次のステップに進みましょう!

これまで身につけてきた基礎を入試本番に出会う未知の問題で発揮する練習をしていきましょう。

基礎がしっかり固まったら、志望校が決まっている場合、過去問でも良いと思います。

しかし、私立医学部や一部国公立大学医学部のように問題に癖が強い大学を志望している場合や共通テストの点数次第で受ける大学が変わってしまう場合は、以下の問題集を解いて、演習することをおすすめします。

数学が苦手な人はステップアップ用に1対1対応に取り組む

1対1対応の演習/数学A【新訂版】

ここまで順調に来ていたら、応用問題を解いていきましょう。

私がイチ押しなのが、「大学への数学」です

この問題集は、それぞれの分野の例題1問につき、応用問題が1問というように問題が厳選されています。

自分の今持っている知識や解法を駆使しながら問題に向き合い、解法を導いていく練習をします。これにより、本番の試験でとっつきにくい問題を出されたときに自分で解法を考えて答えまで導き出す練習をすることができます。

この問題集も全て網羅することができるようになったら早速志望校の問題を解いていきましょう。

一対一の問題集が仕上がっていると、過去問を解いていてもなんとなく解法が導きやすくなるかと思います。それをぜひ体験してもらいたいです。

数学が好きな人・得意な人、偏差値70以上の人→やさしい理系数学

名前に反して、優しくないのでご注意ください笑

別解が豊富に載っているので、別解も合わせて学習できるかと思います。

問題数が200問と少し多いところが欠点かもしれません。

数学が得意な人・好きな人、偏差値70以上の人→理系数学入試の核心 難関大編

理系数学 入試の核心 難関大編 改訂版 - Z会の本

たった60題しかないですが、歯応えのある問題ばかりですので、良い練習になるかと思います。

この問題集と過去問という組み合わせも良いのではないでしょうか。

共通テストの過去問にも取り組んでみよう

共通テストの過去問としては、みなさんがよく買う赤本とよばれるものではなく、青本とよばれている駿台が出している過去問題集が解説が丁寧でおすすめです。

国公立大学を希望する人は、共通テストを受ける必要があります。

問題演習の一環として、過去問に取り組んでみましょう。時間との戦いになるので、時間配分に気をつけましょう。

さらなるレべルUPを狙うなら、スタ演レベルで思考力を養おう

・新数学スタンダード演習
・上級問題精講

上級問題精講 シリーズ | 旺文社

数学が得意な人、好きな人は更なる高みを目指すのも良いでしょう。このレベルの問題集であれば、他のものでも構いませんので1冊取り組みます。

この段階では、「思考力」を養うことを目的として、とにかく考えて手を動かす練習をします。
ここまでやってきた「わからなかったら解答を見て覚える」という勉強法はNG。

今まで見た問題に似たものはなかったか、あの公式は使えないか……答えを見ずに、とにかくできる限り、思いつく限りの解法を試して計算します。
「もう無理、何もできることがなくなった」となってからはじめて答えを見るようにしましょう。

解答を見たときは、丸暗記ではなく考え方や手法に注目して覚えることも大切。

最初は「無理!解けない!」と思ってすぐに答えを見たくなってしまうかもしれませんが、考える練習をしているうちに段々と「こうすれば解けるかもしれない」と思いつく数や「こうすればいいんじゃないか」という正解の道へのひらめきができるようになってきます。

医学部の数学は取りこぼしNG+難問でも部分点を狙うのが基本戦略

数学は大問を1つ落としてしまうだけで30点以上の得点差がついてしまうことが珍しくない科目。
苦手な人も多いため、入試では英語や理科に比べて得点差がつきやすい教科です。

配点も、学校にもよりますが25%から35%程度と大きめのウエイトを占めています。
つまり、「高得点を取れればそれだけ入試では有利になり」「苦手でも、ある程度の点数をとっていないと得意科目でカバーしきれない」のが医学部の数学。

高いレベルが要求される上に、受験期以前からの積み重ねが重要になってくる医学部受験の数学。
難易度は高いですが、高得点を取れれば大きなアドバンテージになりますよ!

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