推薦とAOで役立つ!漢検を受けるべき受験生とは?
漢検をもっていると大学受験に有利なのか?
今回は、漢検と大学受験について大解説します。
Contents
1.そもそも漢検って?
漢検は、日本漢字能力検定協会が実施する、漢字能力を測定する技能検定です。漢字を「読む」「書く」という知識量のみならず、漢字の意味を理解し、文章の中で適切に使える能力も測ります。
漢検には3つの受験方法があります。1)個人受験、2)団体受験、3)漢検CBT受験の3つです。漢検CBTは、2級から7級のみで、コンピューターを使って受験します。
漢検の級には、10級から1級までが存在します。下から、10級、9級、8級、7級、6級、5級、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級です。目安として、5級は小学6年生修了、3級が中学校卒業、2級が高校卒業程度となっています。
2.AO・推薦入試が中心か?
では、どれくらいの大学が漢検を利用しているのでしょうか。
2019年の調査では、全体の57.3%の大学・短期大が漢検を活用すると回答しています。
詳しくは以下のグラフをご覧ください。
(日本漢字能力検定協会より「2019年度「漢検」「文章検」資格活用状況調査結果のご報告」より)
内訳としては、以下の表を見てください。
「漢検」を活用する入試の種類 (計1074校が対象) |
|
推薦入試 | 354校(33.0%) |
AO入試 | 344校(32.0%) |
一般入試 | 95校(8.8%) |
(*複数の入試種別で活用している場合は、それぞれ校数に含む)
推薦・AO入試に利用している大学が多いようです。逆に一般入試で利用している大学は、8.8%と少ないようです。また、活用していない大学も約47%います。AO入試や、推薦入試を中心に利用している大学が、半分ほどいるという結果になりました。
漢検活用状況調査について詳しく知りたい方は、以下のリンクをご参照ください。
3.具体的な活用方法?
主に、AO・推薦入試で活用されていることがわかりました。では、具体的にはどのような活用方法があるのでしょうか。日本漢字能力検定協会はホームページで、さまざまな活用方法を紹介しています。今回は、その4つの活用方法を紹介していきたいと思います。
① 出願要件
出願要件に漢検の取得がある場合です。資格をもっていないと出願ができません。また、資格をもっていると、出願の要件が緩和される場合もあります。
例えば、桜美林大学の場合、推薦入試(リベラルアーツ学群、ビジネスマネジメント学群、健康福祉学群)の出願資格の1つとして、漢検2級の取得があります。
また、評定平均値が足りなくても、漢検を持っていることで、緩和される場合もあります。例を1つあげます。出願するためには評定平均値が3.0以上必要ですが、漢検2級を持っていれば、評定平均値が3.0未満でも出願できるようになります。
この出願要件に漢検が必要な場合、ほとんどが推薦入試でした。
②試験免除
一部の入試を漢検を持っていることで、免除することができます。例えば、流通経済大学では、自己推薦入試で、漢検を持っていることで、小論文の1つが免除されるようです。
ただ、この利用方法を実施している大学は少ないように感じました。
③点数加算
内申や入試の点数に加算される方式です。具体的には、実践女子大学が実施していました。実践女子大学の一般選抜Ⅱ期(高校時代活動評価方式)では、高校時代の活動を評価して点数化します。そのなかの一つとして、漢検2級以上の取得で20点が加算されるというものがありました。
④合否判定考慮・参考
提出する書類に資格を記載すると、合否判定の際に参考にされます。
漢検のホームページでは、活用方法別にどんな大学があるか検索することができます。
大学・短大の活用校検索に興味ある方は、以下のリンクをご参照ください。
4.どの級を受けるとよいの?
2019年の調査によると、大学・短期大学の入試には、2級、準2級が主に利用されているようです。下記の表をご覧ください。
(漢字カフェ「半数以上の大学が漢検を入試で評価!その理由とは?」より)
級の設定をしていないという大学の数も多いです。しかし、入試に直接関わる利用方法の場合は3級から2級を対象にしているようです。
ちなみに、2021年度の3級から2級の合格率は、
2級 24.6%
準2級 39.1%
3級 47.0% でした。
2級を取得すると、高校卒業程度、つまり常用漢字が全て読み書きできる程度ということになります。大学側としては、高校卒業程度の力があるかを見たいのかもしれません。
5.結局役に立つの?
では、ここまで長々と漢検を利用した入試について、ご紹介してきました。実際に、役に立つのか、2つの視点から考えていきたいと思います。
①純粋に入試の観点から
漢検は入試の役に立つのか? 推薦入試やAO入試を受けたい方には、役に立つかもしれないと思います。また、推薦入試、AO入試を単体でみたとき、活用している大学はそれぞれ33.0%、32.0%でした。しかし、主に一般入試を受ける受験生にとっては、そんなに役に立たないかなと思いました。自分の受ける大学が漢検を利用する場合は、漢検を取得したほうがよいかもしれません。
②学力の視点から
学力をつけるといった点では、漢検は非常に便利な検定だと思います。まず、日本語が読めなければ、勉強が出来るようになりません。国語だけでなく、歴史、化学、生物など他の科目でも、問題は日本語で書かれています。学力を上げるために、漢検を受験する、漢検のために勉強することは非常に有効だと思います。
6.漢検を受けるべき受験生とは?
ここまでを踏まえて、漢検を受けるべき受験生とは、どんな受験生なのかまとめていきたいと思います。
まず、推薦入試、AO入試で合格したいと思っている受験生は、漢検を受けるべきだと思います。とくに評定平均値が危うい受験生におすすめです。評定平均値が多少低くても、漢検やその他の資格を持っていると出願できる大学もあります。漢字が得意で、評定平均値が危ない、推薦入試、AO入試を目指す受験生は、受けておくとよいでしょう。
一方で、一般入試にはあまり役に立たないと思いました。あくまで出願書類に記載する資格のうちの1つという感じです。他に資格をもっていない受験生は受けてみてもよいかもしれません。
今回は、入試と漢検について紹介しました。みなさんも資格を上手く活用していきましょう。
注意!:この記事に載っている入試情報は執筆時点のものです。各大学の詳しい漢検の利用方法は、大学のホームページ、入試要項を確認してください。
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