共通テスト古文・漢文で7〜8割とるには?短期間で集中的に対策するのがコツ

医学部対策の勉強法

医学部は理系ですが、国公立医学部を受験する場合、現代文・古文・漢文が必要になります。

出題される文章によって得点の取りやすいものとそうでないものがあるため「なかなか点数が安定しない」「高得点が取りにくい」と思われがちな大学入試の国語。

しかし、問題文によって差があるのは主に現代文の話。
実は古文と漢文は共通テストでも例年安定して点数を取りやすい部分です。

今回は「共通テストの古文、漢文が苦手で勉強法を知りたい」と言う方や、「共通テストの古文、漢文で高得点を取りたい」という方のために、共通テストの古文・漢文で高得点をとる対策と勉強法を解説します。

iPhoneとMacBookの隣の白い机の上に開いた空のノートブック

古文で得点を取るためには英語と同じく単語の暗記から

2021年度から、センター試験ではなく共通テストになりました。各教科において、出題傾向や出題形式に、多かれ少なかれ変化が見られます。特に、英語と国語は、出題傾向や出題形式がガラリと変わり、難易度も上がり、特別な対策が必要となりました。

古文と漢文は、現代文に比べれば共通テストになって変わった点は少ないため、これまでと同じように勉強していけば大丈夫です。

共通テストの古文と漢文は、国語の第3問と第4問に出題されます。大問3が古文で50点、大問4が漢文で50点となります。

古文と漢文というと、1000年以上前の文章で現代文より難しく感じると思いますが、要領よく対策すれば、実は安定して高得点が狙えるのです。現代文のほうは、出題される素材文についての背景知識を持っているかどうか、出題される素材文と相性がいいかなどが重要になってくるので、古文と漢文でガッツリ高得点を稼げるようになれば、国語全体の点数が上がってきます。

古文は、英語と同じく単語と文法の暗記が核になります。でも、古文の単語は英語より少なく、文法に関しては本当に少ししかありませんから、古典文法は短期間に集中してマスターしてしまい、単語はコツコツ覚え、国語で安定して高得点をとれるようになりましょう!

最低限暗記しなくてはいけない古文単語は、せいぜい300語~400語程度です。覚えた単語は暗記カードなどに書いて、繰り返し小テスト形式で復習しましょう。特に「あやし(身分が低い)」「はづかし(立派だ)」といった古今異義語は、試験で狙われやすいので重点的に覚える必要があります。

「主語の省略」と「和歌」が古文特有の特徴

さて、古文では、「古文特有の特徴」があります。単語と文法を覚えたら、この古文特有の特徴に随所随所で対応していけるようになることが重要なステップになります。このステップを超えられれば、古文を得点源にできます。逆に言うと、ここを超えられないと、単語と文法を覚えてもなかなか点数は上がりません。古文特有の特徴とは、「主語の省略」と「和歌」です。

では、主語の省略とは、どのようなものなのでしょうか。実は、古文では、主語は一度出てきたら、基本的にそのあとは省略されるのです。

いかにも日本語らしい特徴ですよね。そのため、一文一文、適切に主語を補って読み進めないと、「全部、(解釈が)ずれていた」ということも起こりえます。

古文で省略される主語を正しく補うために役に立つのが、敬語がどのように使われているかを把握することです。主語が省略されていても、敬語を見て、動作主つまり主語が分かるわけです。敬語をヒントに、その文は、だれが、だれに対して行動を起こしているのかを理解しましょう。敬意の方向、敬語の語順、最高敬語をヒントに、省略されている主語を素早く察する思考回路を身につけましょう。

さらに、アドバイスです。古文を読むときには、登場人物の人間関係を頭の中で図式化しながら読む習慣を身につけましょう。これは、問題を解くときだけでなく、学校の授業や課題で古文を読むときにも、必ずそうしましょう。素早く、的確に古文の内容をつかめるようになります。

主語の省略と敬語の他に、「和歌」が重要なのでしたね。

日本文学史における和歌とは、親しい相手に自分の感情を伝えるためのものでした。恋人に愛の気持ちを詠む和歌、感謝の気持ちを伝えるための和歌など、貴族なら当然のように身につけたい技術の一つでした。

和歌には「修辞」という規則があり、古文における単語や文法のように、和歌の基本となるものです。「修辞」とは、句切れ・枕詞・序詞・掛詞・縁語などです。これらを覚えることが、和歌における基礎となります。

そのうえで、共通テストで古文を確実に得点源にするために、和歌の解釈をできるようになりましょう。現在親しまれている百人一首でもよくつかわれる「掛詞」に気づけるようになると、和歌の解釈がぐっと深まります。掛詞とは、ある言葉に2通りの意味を含ませて、和歌を面白くする技法です。共通テストでも、掛詞を理解しているかはよく問われます。

さらに、和歌の深い部分を理解して確実に得点するために、和歌の前後の文脈や、登場人物の人間関係に注意して、それを念頭に置いて和歌を読み解きましょう。和歌に関して、深い読解ができるようになれば、共通テストの古文の点数はぐっと上がります。

選択肢と注釈に目を通してから本文を読もう

古文ですぐに得点を挙げるテクニックとして、現代文で紹介したのと同じく、さきに設問と選択肢と注釈に目を通してから本文を読む、という技が挙げられます。

注釈に目を通すことで、その古文と背景となっている人間関係や場面や状況をある程度先読みできるのです。

また、設問や設問の選択肢を予め読んでおくことで、物語の流れや、起こった出来事などを、ある程度先に理解することが可能です。

このように、設問と、すべての選択肢と、注釈に目を通しておくことで、本文理解に役立ちますし、それだけでなく、解答するにあたってどこがポイントとなるのか、どこに注力して本文を読み進めていけば選択肢を絞れるのかを先に把握できます。

滝の横の川に架かる木橋

助動詞を制する者は古文を制する

古文を理解するには単語と助動詞、どちらも必要不可欠です。助動詞の接続と意味はしっかり暗記しましょう。

助動詞の接続は、「もしもしかめよ♪」の歌に乗せて覚えるのが有名ですね。

(もしもしかめよ♪のメロディで)♪未然につくのは す、さす、しむ~、る、らる、む、ず、じ、まし、まほし、むず~、連用 つ、ぬ、たり、き、けり、ける、らし、終止 まじ、なり、べし、らむ、らし、めり~♪ (※他にもいろいろなバージョンがあります)

ところで皆さんは、助動詞「む」の意味を全て言えますか?不安な人はぜひ教科書を確認してほしいのですが、推量と意志を表していることが多いです。そして「べし」は「む」を強めたもの、つまり確信のある推量と強い意志を表します。さらに「む」の打ち消しである「じ」は、おおよそ打消推量と打消意志を表し、「べし」の打ち消しである「まじ」は強めの打消推量と打消意志を表します。

「む」「べし」「じ」「まじ」は、それぞれ強調と打ち消しで関連しているので、ぜひ図に描いて整理してみましょう。推量と意志以外の勧誘、婉曲などの意味も同様に関連しています。

助動詞の意味を一つずつ丸暗記するのではなく、このように助動詞同士の関係を理解するとより忘れにくくなります。

ポイントと最低限の暗記項目さえ押さえれば漢文は攻略できる

いよいよ、漢文についてです。漢文は、古文と同じく50点の配点で、古典合わせて100点となり、現代文100点と合算されます。

「漢文を後回しにする」「漢文は捨てる」といった話をよく聞きますが、漢文はポイントと最低限の暗記項目さえ押さえておけば、確実に得点でき、意外なことにある意味で得点源科目なのです。

だから、この記事をお読みの方は、できるだけ漢文を捨てないで、時間のあるときに短期集中で暗記を済ませ対策を終え、要領よく共通テストの国語の点を伸ばしてほしいと思います。

まずは再読文字を完璧にしよう

「漢文の基本は、再読文字にあり」と言います。

再読文字は、「未」「将」「当」「須」です。

また、参考書に載っている重要漢語を覚えてましょう。漢文に出やすい漢語は注釈がつかない可能性があるため、覚えておくと得点アップにつながります。教科書レベルのものでも構いません。

次に文法にあたる句形を覚えよう

そして、再読文字と重要漢語が古文で言う単語に当たり、古文で言う文法に当たるものに「句形」というのがあります。イラスト形式で句法を解説している参考書やYouTubeの解説動画などを参考にして、句法を全て覚えましょう。

漢文で暗記しなければいけない単語は、せいぜい100語程度です。「故人」といった現代日本語と意味が異なる語が頻出なので、重点的に覚える必要があります。

使役形、受身形、否定形、二重否定、全否定、部分否定、疑問反語といったもので、該当する漢字を教科書や参考書で覚えておけば、暗記量はそれほど多くない一方で得点を稼げます。「不必~(かならズシモ~セず)」と「必不(かならズ~セず)」といった部分否定と全部否定の区別、「如何」と「何如」の区別など、紛らわしい句法が頻出です。語順は英語に近く、用法も英語的なので、古文よりもとっつきやすいという理系受験生が多いんですよ。

さらに、漢文でも、ある点以上を取ろうとすると、現代文や古文と同様に、本文の解釈が重要になってきます。

再読文字と重要漢語、句形を覚えたら、過去問演習を繰り返し、類題や予想問題で磨きをかけ、作問者の意図を酌みとって解答できるようにすると同時に、現代文と同様に「この選択肢を作った人は、どこで受験生を引っかけたいのか」を読み取れるようになるまで「自分は、なぜ、どこで間違えたのか」を突き詰める復習をきっちり行うことです。

問題集は『ステップアップノート10漢文句形ドリルと演習』や『漢文ヤマのヤマ』がオススメです!

 

実際に漢文の勉強をするときは、以下の点に気をつけましょう。

・できるだけ学校の授業時間内に覚えきる
・手を付ける問題集は厳選する
・先に古文をある程度仕上げる

まず、漢文は上述したとおり覚える量はさほど多くないため、集中して授業を聞くことで「後から句法を覚え直す」時間を短くすることが可能です。
もし句法をしっかり覚えていれば、いきなり問題演習から手を付けられるので1ヶ月ほど時間短縮になります。

できるだけやる問題集を少なくし、ダラダラと問題集を使った演習をしないことも大切です。
目安は2冊以内とし、決めた問題集を3回ほど繰り返して完璧にしましょう。

また、漢文は古文と共通する文法も多いため、先に古文を覚えていたほうが楽に習得できます。
「古文と漢文、どっちから始めよう」と迷ったら、古文から手を付けるようにしましょう。

昼間の白い空の下の山の写真

古文と漢文は最低限のポイントを抑えて効率よく仕上げよう

古文と漢文は、同じく文系科目である社会と比べると暗記事項が少ないので、ある意味簡単に100点を取れる科目です。そのためには本格的な受験勉強が始める前までに、以下の勉強を終わらせましょう。

①古文単語の暗記

②古文助動詞の接続と意味を暗記

③漢文重要句法の暗記

④評論文の読み方の練習

覚えるべき単語と文法を完璧にしたら、あとは選択肢を正しく選んで確実に正答できるよう、本文の内容と選択肢を照らし合わせて考察する訓練を積んでください。急がば回れ、です。要領よくコツを掴めれば、現代文や社会より短期間で成績が上がりますよ。

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