【速報2022】国公立大学入学試験の前期日程がスタート

医学部入試情報

国公立大学の入学試験の、いわゆる前期日程が、2月25日からスタートしました。

いよいよ、国公立大学のために勉強を積んできた受験生の本戦の火ぶたが切って落とされたことになります。

 

国公立大学入学者選抜 確定志願状況

文部科学省は、「令和4年度 国公立大学入学者選抜 確定志願状況」を発表しました。

それによりますと、国立大学の募集人員は76599人、公立大学の募集人員は22036人、国公立大学合わせての募集人員は98635人となっております。

それに対してどれだけの人が志願したかと言いますと、確定志願者数は、国立大学で昨年を7022名上回る302935人、公立大学で昨年を3780名下回る125704人、国公立大学合わせると昨年を3242名上回る428657人となっています。

上記の数字より倍率が割り出せますので、では肝心の倍率をみてみましょう。国立大学の確定志願倍率は4.0倍、公立大学の確定志願倍率は5.7倍、国公立大学合わせての確定志願倍率は4.3倍となっています。

国立大学より公立大学のほうが難関となっている傾向がみられ、国立大学は偏差値が高いため敬遠する受験生が多いこと、地元志向の受験生が多く公立大学を受験する事情などが見て取れます。

では、この確定志願倍率を、昨年のものと比べてみましょう。昨年の国立大学の確定志願倍率は3.8倍、昨年の公立大学の確定志願倍率は5.9倍、昨年の国公立大学合わせての確定志願倍率は4.3倍でした。したがって、奇しくも国公立大学全体の確定志願倍率は、昨年も今年も4.3倍と同じであることがわかります。

4倍ちょっとと言いますと、さほど高くないような気もしますよね。とはいえ、4倍を優に超えていますから、強いメンタルタフネスを持ち、ゆるぎない勉強計画を立て、ハイレベルな受験生同士の争いを勝ち抜いた受験生しか合格できないため、ハードルが高いことは変わりありません。

確定志願倍率の変化を細かく見ますと、国立大学は3.8倍から4.0倍に上がっており、公立大学は5.9倍から5.7倍に下がっていますよね。国立大学が本命で人生をかけている受験生が多いでしょうから、「微増」であっても、国立大学の確定志願倍率が上がったことは注目に値すると思います。

令和4年度 国公立大学入学者選抜 確定志願状況はコチラをクリック

令和4年度の国立大学の志願倍率の詳細

では、倍率に関して、国立大学の前期日程から詳しく見ていきましょう。国立大学の前期日程においては、出願受付実施大学・学部数は82大学391学部です。令和4年度の入学者選抜においては、募集人員が63637人、それに対する志願者数は179320人で、令和4年度の国立大学前期日程の倍率は2.8倍となっています。

2.8倍というと、猛烈な努力をすれば受からないわけでもない、という気がしますね。でも、先ほど申し上げたように、ハイレベルな受験生同士の熾烈な争いになることは避けられないでしょう。したがって、確実に言えることといたしましては、私立第1志望で私立専願や私立優先にするのか、それとも国立第1志望で国立に向けた対策で完全燃焼するのか、早い段階で方向性を決めて対策を練っていくことの効率と重要性です。国立大学を目指すなら、前期日程で倍率が比較的低く3倍以下の大学・学部を選ぶことも一つの手です。

では、国立大学の後期日程は、どうなのでしょうか。72大学282学部がありますが、令和4年度入学者選抜における募集人員は、12962名なのです。以上のことより、かなり重要なことが2つ分かると思います。

まず、後期日程においても入学試験を実施する国立大学は、計82大学のうち72大学と、けっして少なくないことです。そのいっぽうで、国立大学の後期日程の募集人員は、前期日程の約5分の1なのです。このことにより、否が応でも、国立大学の後期日程の倍率は高くなるわけです。なお、国公立大学の医学部に関しては、そもそも前期日程しか入試を行わない大学も少なくないので、あらかじめ入念な調査とプランニングが必要です。

なお、令和4年度入学者選抜においては、国立大学の後期日程の募集人員は12962名、それに対する志願者数は123633名と「殺到」しており、倍率は9.5倍と跳ね上がっております。先ほど申し上げたように、国立大学の前期日程の志願者数に比べれば、後期日程の志願者数はだいぶ少なくなっているのですが、それでも募集人員との兼ね合いで後期日程の倍率は跳ね上がっており、後期日程に賭けるような受験の仕方は危険です。

ちなみに、国立大学の前後期の合計の募集人員、志願者数、確定倍率については、この記事の冒頭で申しあげたとおりになります。

令和4年度の公立大学の志願倍率の詳細

では、気分を変えて、令和4年度入学者選抜における公立大学の志願倍率について見ていきましょう。

公立大学の前期日程においては、87大学192学部が出願受付を実施しました。その募集人員総数は16320名と、国立大学前期日程と比べて約4分の1です。同じ前期日程で比べると、入試を実施する公立大学のほうが国立大学より数が多いにもかかわらず、募集人員が極めて少ないため、公立大学入試は狭き門となっているのです。

公立大学の前期日程の志願者数は54677人であり、志願倍率は3.4倍となっています。志願者数そのものは、国立大学の前期日程と比べて3分の1以下なのですが、募集人数が少ないため、志願倍率の数字は高めに打ち出されています。国立大学の前期日程の志願倍率が2.8倍でしたから、公立大学のほうが少しだけ高いように見えますが、この数字の差は実際の受験生には大きく映り重大に機能することでしょう。

では、公立大学の中期日程と後期日程についても見ておきましょう。公立大学の中期日程は、24大学32学部が出願受付を実施しており、募集人員は2349人、志願者数は31380人、志願倍率は13.4倍と、極めて高くなっています。

公立大学の後期日程は、63大学138学部が出願受付を実施しており、募集人員は3367人、志願者数は39647人、志願倍率は11.8倍です。以上のように、公立大学の中期日程と後期日程に関しては、いずれも志願倍率が「桁違い」となっております。

ちなみに、公立大学の前期中期後期を合わせた志願倍率は5.7倍であり、相当高くなっています。地元志向の反映、社会の先行きが見えない中で学費の安い大学の人気、そして偏差値の低めの大学を受験する傾向、などが読み取れますね。

最後に~国公立大学を合計して前期後期で分類すると

では最後に、国立大学と公立大学を合計して、時期ごとに倍率などを比べてみましょう。

国公立大学の合計においては、前期日程の出願受付実施大学は169大学583学部にのぼり、募集人員は79957人、志願者数は233997人、志願倍率は2.9倍です。

国公立大学の合計において、後期日程の出願受付実施大学は135大学420学部であり、募集人員は16329人、志願者数は163280人、志願倍率は10.0倍です。(中期日程は、公立大学しか実施していないため、公立大学のみのデータと同じになります。)

国公立大学の合計において、前期中期後期のすべての日程を合わせた確定志願倍率は、4.3倍でしたね。

国立大学と公立大学を合わせると、前期日程の志願倍率は2.9倍になるわけですから、さまざまな事情によって国公立大学を強く志望する人や、どうしても国公立大学に行きたい人は、倍率が比較的低めの前期日程の試験で勝負することになるのに変わりはなさそうです。

以上、データや数字を分析してみましたが、意外と自分が知らなくて「へぇー」とうなずいてしまったことや、大学受験を考え受験戦略をプランニングするうえで参考になることもあったのではと思います。以上のデータと分析が皆さんそれぞれのお役に立てたなら幸いです。

 

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