【医師国家試験後に待ち受ける】初期研修と後期研修とは?! 1人前になれるのは30歳前後
「医師国家試験に合格したら1人前の医師になれる」
そうではありません。初期研修と後期研修があります。
今回は初期研修・後期研修についてそれぞれ紹介します。
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国家試験に合格後は研修医に 初期研修と後期研修の2本立て
「研修医」という言葉を耳にしたことがある方も多いと思います。
医師国家試験合格→初期研修医(2年)→後期研修医(3~6年)という流れです。
初期研修・後期研修は病院ごとに特色が大きく異なるので、自分自身で自分の目的に合った病院を探して応募する必要があります。
募集人数に対して行きたい人が多いと試験や面接を通して選考が行われます。
初期研修は医学部卒業後2年間
初期研修は主に医学部を卒業した後の2年間、後期研修医はその後の数年間のことを指します。
まず初めに初期研修についてですが、初期研修では「スーパーローテート」という制度で各科を回って研修します。
みなさんは、医学部に入って6年間勉強したら
「どんな患者さんも診られるようになる!」
と思ってはいませんか?
残念ながら医学の世界は広く深いため、たった6年では完全な知識を習得することはできません。
ましてや生身の患者さんを相手にする機会も、学生時代は実習以外ではなかなか確保できません。
そこで卒業後の2年間は
「将来どんな専門領域に行っても通用するように」
「重要な科を勉強するために」
あらゆる科で研修することになっています。
必修となっているのは
内科 6ヶ月以上
救急科 3ヶ月以上
地域医療 1ヶ月
外科・麻酔科・小児科・産婦人科・精神科のうち2つ以上の診療科の研修
それ以外は自分で選択できます。
ちなみに内科というのは循環器内科や腎臓内科などの総称です。
選択の時期は病院によって大きく異なります。
後期研修を通して専門医資格の取得を目指す
次に後期研修について紹介します。これは端的に言うと
「〇〇科の医師です。」
と名乗れるようになるための研修と言っても良いかもしれません。
例えば消化器内科医になりたい!と思ったら、研修制度のある病院の消化器内科で数年間研修を受けます。
その後「専門医試験」と言う試験に合格すると、
「私は消化器内科医です」と名乗ることができるようになります。
初期研修と同じ病院で研修する人もいますし、別の病院に移って研修をする人もいます。
後期研修病院の選び方は、大学時代に教わった先生の紹介など実は人の繋がりで選ぶ方が多いとのことです。
初期研修でローテーションしているときに、どこかの先生が「うちの診療科に来る?」と誘ってくれることもあります。
お給料や忙しさも病院によって異なるため、医学生は4年生くらいから病院見学に行って自分に合う病院(まずは初期研修病院)を選んで行きます。
大学病院と市中病院の2つの選択肢がありますが、
大学病院は教育機関としての責務がありますし、学生なども多くいます。
また研究機関でもあるため、沢山の症例が集まりやすいです。
一方で、市中病院はより地域密着型のため、近所の人が通っていることが多く、患者さんと顔馴染みになったりもします。
また大学病院に比べて医師の数が少ないことが多いため、研修医になんでもやらせてくれるところが多い印象です。
「研修というと大学病院」というイメージがある方が多いと思いますが、最近では市中病院で研修を受ける人も増えています。
大学病院で働くとなると、「忙しい」ことは覚悟しておいたほうが良いです。
三次救急として、地域医療の最後の砦となることもありますし、日本にない症例・重篤な患者さんも来ることが多くなるので、その人達への医療提供をしなければなりません。また大学病院なので研究もしなくてはなりません。
大学病院のお給料は安めなので、後期研修に入ると外勤、いわゆる「アルバイト」を休日に多くの医師が行います。
金額は1日8万円ほどと平均的なアルバイトよりもかなり稼ぐことができます。
現在は「マッチング」という制度が取られており、医師免許を得て臨床研修を受けようとすると、研修病院の研修プログラムとを研修希望者及び研修病院の希望を踏まえて、一定の規則に従って、コンピュータにより組み合わせを決定するシステムです。
詳しくはこちらからご覧ください。
やっと1人前 後期研修以降の医師のキャリアは様々 「大学病院勤務」「開業」
現役合格でも医師国家試験合格時点で24歳、初期研修修了時点で26歳、後期研修修了時点で29~32歳です。
専門医を取得していよいよ「1人前」の医師となった後のキャリアはどのようなものがあるのでしょうか。
大きく分けて3通りあります。
・大学病院に残り、出世を目指す
・民間に転職する
・開業する
・大学病院に残り、出世を目指す。
最初から研修先に大学病院を選び、後期研修後も残った場合、順調に行けば講師→准教授→教授と出世していきます。
40歳ごろには自分がどこまで出世できるか、出世コースの先が見えてきます。
40歳から50歳前くらいまでは、このコースを取る人が多いですね。
・民間病院に転職する
民間病院に転職する場合、主に3つのパターンがあります。
- 専門性を追求したり、腕を磨きたい場合
ESE(運動負荷心エコー検査)ができる医療機関など、専門の分野に特化した病院に勤めれば自分の専門性を高められます。
より多くの症例に携わることで、医師としての腕を磨くことを目標とする人もいます。 - プライベートと両立させたい場合
民間病院のほうが休みや勤務時間などの相談により柔軟に対応してくれます。
プライベートを充実させたかったり、あるいは子育てなどとの両立を目指したりするために転職される方もいます。 - ポストを手に入れたい場合
麻酔科の部長や副院長など、キャリアアップを目指して転職される方もいます。
・開業する
開業を目標とされている人もいらっしゃるでしょう。
その場合はクリニックなどで働き、医院経営について勉強してから開業するのが一般的です。
大学病院から転職する際の注意点として、退職する時は「円満に」退職するのが大切です。
医師間の関係が強いため、医局から自由になりたいと思い大学病院から出ても、その県内に大学病院が1つしかないということになると、県内で干されてしまうこともあります。
まとめ 初期研修、後期研修を経てやっと1人前の医師になれる
今回は、医師国家試験に待ち受ける初期研修、後期研修について紹介しました。
「思ったよりも時間がかかる!」と思った方も多いのではないでしょうか。
しかしその分、教育期間が長いということです。
「手先が器用ではないから心配」「すぐに診療科を決めなければいけないの?」
と不安に思っている方も安心して医学部を受験して頂ければと思います。
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