英検を使うと入試に有利?何級を受ければよいの?【英検利用入試】
大学受験に英検って利用できるの?
英検利用入試は有利って本当?
何級を受ければよいの?
今回は、英検利用入試についてまるっと解説します。
Contents
1. 英検を利用できる大学は増えている!?
英検利用入試って何?聞いたことないよ。
そういう方も多いと思います。しかし、外部の英語試験を利用する大学は近年増加しています。
2015年に、外部の英語試験を利用して入試を行った大学は、
国立大28.0%、公立大22.6%、私立大39.5%でした。
しかし2022年では、国⽴⼤61.0%、公⽴⼤33.0%、私⽴⼤58.5%となっており、大幅に増えていることがわかります。
また、2022年の外部検定の採用率において、英検は1位です。
外部検定を利用する大学が増えている。そして、そのなかで英検は最も採用されている検定である。
2. どの級を受ければよいの?どうやって利用するの?
①どの級を受ければよいの?
英検が入試に利用されることが多くなってきたことはわかりました。では、一体どの級を受験すればよいのでしょうか。
その前に、英検の種類について解説させてください。
まず級について、英検には1級から5級まであります。
それぞれの級の目安として、以下のようになっています。
1級 大学上級程度
準1級 大学中級程度
2級 高校卒業程度
準2級 高校中級程度
3級 中学卒業程度
4級 中学中級程度
5級 中学初級程度
英検利用入試で求められるレベルは、準2級から準1級です。ちょうど、高校中級から大学中級程度ですね。
大学受験で使うなら準2級から準1級を受験したほうがよい。
②2つの受験方式
また、2つの受験方式があります。
それは、従来の受験方式である英検(従来型)と、PCで受験する英検S-CBTというものです。英検S-CBTでも、従来の英検でも、取得した級、点数は有効です。
従来型では、Reading(読む)、Listening(聞く)、Writing(書く)をテストする1次試験と、Speaking(話す)をテストする2次試験が分かれていました。そのため、全てのテストが終わるのに2日かかり、また結果出るのも時間がかかります。
英検S-CBTでは、PCを操作して受験します。パソコンの操作に慣れていない人の場合は、難しいかもしれません。Reading、ListeningはPC画面上で、マウス操作して回答します。Speakingはヘッドセットを着けて、解答を録音する吹込み式です。Writingは筆記型と、タイピング型を選ぶことができます。キーボードに慣れていない人は、筆記型を選んだほうがよいでしょう。
英検の受験方式には、英検(従来型)と英検S-CBTがある。英検S-CBTはPCを操作して受験する。また、従来型が年に3回しか受験できないのに対し、英検S-CBTのほうが受験できる回数は多い。どちらも、取得した級、スコアは有効。
③英検CSEスコアを利用する大学も多い。
英検にCSEスコアというものがあるのを知っていますか。
英検CSEスコアとは、Common Scale for Englishといいます。受験する級に関わらず、英検を受験すると、CSEスコアが出ます。5級から1級まで統一した尺度で、英語力を測ってくれます。
大学のなかには、何級に合格したかではなく、CSEスコアを入試に利用する大学もあります。
例えば、あなたが準1級を受験して、CSEスコアが2000点だったとします。準1級の合格ラインは2304点のため、準1級を取得することはできません。しかし、このスコアを利用し出願することができます。例えば、東京女子大の現代教養学部の英語外部検定試験利用型の出願要件は、CSEスコアが1950点以上であることです。この場合、東京女子大の英語利用入試に出願することができます。
単純にこの級に受かった、落ちたという、何の級を取得したかだけではなく、CSEスコアにも注目してください。
英検を受験するとCSEスコアが出る。何級の取得だけでなく、CSEスコアを利用する大学もある。どんな利用条件なのかきちんと確認しよう。
4. 英検利用入試のメリットとデメリット
英検利用入試がどんなものかわかったでしょうか。
これから英検利用入試のメリットとデメリットを解説していきたいと思います。
1.メリット
①何度でも受験できる。
一般入試の試験と違って、英検は複数回受験することができます。
従来型では年に3回。従来型と英検S-CBTを合わせて利用すると、年に最大9回受験することができます。一発勝負の入試と違って、何度も挑戦できるのはメリットです。
②負担が減る
ある大学を受験すると、その大学に合わせて対策する必要が出てきます。しかし、英検で英語科目の受験を免除してくれる場合、その大学に合わせた対策をする必要がなくなります。そのため、他の科目に割く時間が増やせるかもしれません。
③色んな大学で使える
英検利用入試を使える大学は増えています。立教大学など一部の大学では、独自の英語試験を廃止し、外部試験のみで英語の点数を計っています。複数の大学で使えるのは便利ですね。
2.デメリット
①お金がかかる
2022年になり、従来型の英検の受験料は値上げされました。
以下が、2022年英検の受験料の一覧です。
団体申込ではなく、個人で受験すると、
1級 | 準1級 | 2級 | 準2級 | |
従来型 | 11800円 | 9800円 | 8400円 | 7900円 |
英検S-CBT | 実施していない | 9900円 | 9000円 | 8500円 |
(参考:公益財団法人 日本英語検定協会『2022年度「英検」・「英検 S-CBT」・「英検 S-Interview」の検定料のお知らせ(値下げ)』)
団体で受験すると少し安くなりますが、それでも5000円から8000円ほどかかります。
1回で目標とする級に合格、もしくは点数に到達すればよいですが、何回も受験すると金銭的な負担が大きいでしょう。
②定員が少ない場合がある。
英検を利用できる受験方式だと、定員がとても少ない場合があります。
2022年の中央大学の場合を見てみましょう。
中央大学経済学部を学部別選抜で受験しようとした場合、一般方式、英語外部試験利用方式、大学入学共通テスト併用方式の3つの方式があります。
そのうち、英検が利用できるのは、英語外部試験利用方式のみです。
それぞれの定員は、以下の表のようになります。
一般方式 | 527名 |
英語外部試験利用方式 | 20名 |
大学入学共通テスト併用方式 | 40名 |
他の受験方式を足して計算すると、全体の定員が767名。
英語外部試験利用方式は、全体の2.6%しか占めていません。
一方で、立教大学のように、全学部の全ての試験で英検を利用できる場合もあります。
大学によって英検が利用できる度合いは、非常に違っています。
自分の受ける大学で、英検を利用できる方式の定員が少ないか調べてみることが重要です。
2022年度の英語外部利用入試を実施する大学一覧です。
自分が志望する大学が英検を利用しているか調べてみましょう。
2022年度入試 国公立大学一般選抜 英語外部試験利用大学一覧
2022年度入試 英語外部試験利用入試を実施する主要私立大学一覧
まとめ
今回は、英検利用入試についてまとめてみました。自分の志望する大学が英検利用入試を実施しているか、本当に使えるか調べてから、大学受験のために英検を受けるか考えましょう。
注意:この記事の情報は2022年4月時点のものです。詳細な情報については、大学が発表する情報を確認してください。
参考資料:
文部科学省高等教育局大学振興課大学入試室 「大学入試改革における英語資格・検定試験の活用について(関係資料集)」
公益財団法人 日本英語検定協会「英検S-CBTは検定期間内に同一級を2回受験可能!」
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