【速報2022】正式発表から予測する「共通テストは今後どうなる⁉」を徹底解説
本格的な春が訪れ、「春爛漫」といった陽気です。東京では、真冬の寒さに戻ったような日が、なくなってきました。「薫風」という言葉がありますが、5月になれば、若葉の香りを漂わせて吹く風を感じられると思います。
さて、共通テストを作成している大学入試センターから、今後の共通テストに関する様々な情報が正式発表されました。本日の記事では、それらの正式発表の元データをもとに、今後の共通テストがどうなるかを予測し、また徹底解説していきます。
Contents
令和5年度の共通テストの出題方法及び問題作成方針より
令和4年度と変わらない科目教科の構成
正式資料で謳われている「令和 5 年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト」とは、簡単に言うと、来年行われる共通テストのことですね。来年の共通テストはこうなりますよ、という大枠が正式に発表されたわけです。
まず、科目・教科と、試験時間、配点ですが、これらについては今年と変わりないようです。念のため、大まかにまとめておきますと、「国語」が80分で200点。
「世界史A」「世界史B」「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」「現代社会」「倫理」「政治・経済」「倫理、政治・経済」が、1科目選択の場合は60分で100点、2科目選択の場合は120分で200点。
数学①については、「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・数学A」より1科目選択し、70分で100点。数学②については、「数学Ⅱ」「数学Ⅱ・B」「簿記・会計」「情報関係基礎」より1科目を選択し、60分で100点。
理科については、「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」「物理」「化学」「生物」「地学」の中から1科目~3科目を選択します。「○○基礎」に関しては、2科目合わせて60分で100点。「基礎」でない科目に関しては、1科目選択の場合は60分で100点、2科目選択の場合は120分で200点となります。
外国語ですが、「英語」を選択した場合、リーディングが80分で100点、リスニングが60分で100点です。そして、外国語は、何を選択しても200点となります。
以上を簡潔にまとめると、国語と外国語は、ともに200点ずつです。高配点が決定しており、シビリアンコントロール(文民統制)を徹底した戦後日本の人文科学重視の姿勢が反映されています。そして、地歴公民は100点もしくは200点、数学も100点もしくは200点、理科も100点もしくは200点となります。なお、理科が合計200点となる受験の仕方としては、「○○基礎」2科目+「○○」1科目というケースと、「○○」2科目というケースの、2通りがあります。
時間配分と配点について重要なこととしては、とりわけ「国語」が200点という高配点の割には、80分という相当短めの時間で解き切らなければならないことが挙げられます。200点の内訳は、「近代以降の文章」が2問で100点、古文と漢文がそれぞれ1問ずつで50点ずつとなっています。古文も漢文も50点ずつなので「捨てる」ことができないという事情のほかに、時間配分に留意してハイスピードで全4問を一気に解かなければならないというハードルもあります。国公立大医学部を受験した人たちから「国語で失敗した、苦労した」という話をよく聞くので、理系の人は注意しておきましょう。
「現代社会」とは違って短期間で対策できないのも国語の特徴なので、英語・数学という主要科目ではないにもかかわらず、とりわけ理系の人は苦労するかもしれません。ほかに特筆すべきこととしては、理科の「○○基礎」は2科目合わせて60分で解答し、2科目合わせて100点にしかならないという事です。以上のことは、知っている人にとっては当然だと思いますが、「意外と、知らなかった」という高校生もいると思いますので、普段から意識しておくとよいです。
より具体的で細かい点は?
より具体的な問題作成方針について、重要な点をピックアップしながら解説します。まず国語ですが、「文章から得られた情報を、多面的・多角的に解釈する力」や「場面や目的に応じて文章を書く力」を問うとされています。「大問1つの中に、異なる分野・種類の文章を組み合わせた、複数の題材を扱うこともある」という注釈もあります。これらは、共通テストになって新たに掲げられた、「課題発見、課題解決、資料・データの考察」や「思考力、判断力、表現力」という基本方針が反映されたものです。これらの新方針は、国語だけでなく、英語、数学、地歴公民にも反映されています。
つまり、分かりやすくまとめると、従来のセンター試験に見られたような、単純な「一問一答式」ではなく、少しひねった複雑な問題が用意されるという事です。複数の題材が提示されつつ、深く突っ込んで考える必要がある問題が出るという事です。
では、英語は、どうなのでしょうか。問題作成方針には、「高校では、外国語の知識を、実際のコミュニケーションに際して、目的・場面・状況に応じて適切に活用する技能が養われるはずだから、それらの4技能のうちリーディングとリスニングにおいて外国語知識の活用ができるかを問う」という趣旨のことが述べられています。ライティングとスピーキングがあらかじめ除外されているという「偏り」はあるものの、「外国語は知識を持ってるだけではダメだから、実際のコミュニケーションの中で場面別に適切に使いこなす技能を問いますよ」と明言されている点が斬新です。
これらは、従来の大学教育においても文献資料の講読・読解が重んじられていた点をたやすく裏切っているものでもあります。その傍証として、「従来のセンター試験のような、発音、アクセント、語順整理などの単独問題は出さない」という趣旨のことが明言されています。総語彙数の増加や全問長文化により速読力が求められるようになったほか、リスニングの素点配分上昇により、英語は「難化した」と言われていますが、こういった背景や論理的前提があったことを知っておいて損はないです。実際、日常生活や学生生活や社会生活など、様々な具体的場面を想定した大問が出題されています。
大学入試センターの令和5年度共通テストの出題方法と問題作成方針はコチラをクリック
令和7年度以降は、新学習指導要領に対応して刷新
さて、もう1点重要なのは、令和7年度以降に実施される、新学習指導要領に対応した共通テストについてです。どういうことか簡単にまとめると、「2022年(つまり今年)4月に高校に入学した人から、新しい学習指導要領に基づいて学ぶことになる。したがって、彼らが高校卒業直前に受ける2025年1月の共通テストから、教科・科目などが刷新される」ということです。
従来の国語、地歴公民、数学、理科、外国語はどうなる?
では早速、具体的に見ていきましょう。国語においては、高校で「現代の国語」「言語文化」「論理文化」「文学国語」「国語表現」「古典探究」の6科目が設定されます。これらのうち「現代の国語」「言語文化」が必履修科目であることを踏まえ、これら2科目の内容が、新共通テストでは「国語」として統一して出題されます。
地理歴史においては、新共通テストでは「地理総合、地理探究」「歴史総合、日本史探究」「歴史総合、世界史探究」の3科目になります。つまり、地理、日本史、世界史にクッキリ分かれるわけです。公民においては、新共通テストでは「公共、倫理」「公共、政治経済」の2科目になります。つまり、新科目である「公共」の内容が必ず出題され、そのうえで倫理か政治経済かを選択する2択になります。比較的大きい変更点です。
数学は、新共通テストは「数学Ⅰ、数学A」「数学Ⅰ」「数学Ⅱ、数学B、数学C」の3科目になります。難易度の高い数学科目が「数学Ⅱ、数学B、数学C」に統一されるわけであり、難関大理系や医学部を受験する人にとっては大きな改変です。
理科と外国語に関しては、新共通テストの科目及び科目選択に関しては、本質的な変更点はありません。
新教科「情報」
高校で履修する「情報」という教科については、新共通テストで「情報」という科目が課されます。これだけだと当たり前に見えますが、国立大学の入試が「5教科7科目」だったのが、2025年(令和7年度)から「情報」を加えた「6教科8科目」になることが公表されているのです。これを受けて、東京大学が、2025年以降、共通テストで利用する教科に「情報」を加えることを発表しました。
つまり、大きく分けて「5教科入試」だったのが、2025年からは、情報を加えた「6教科入試」になるという改変点があるのです。なお、2025年から、新共通テストにおいて「簿記・会計」は廃止されます。
令和7年度以降の共通テストに関する公式情報一覧はコチラをクリック
まとめ
以上、共通テストについての最新情報を解説しました。
実際に本格的な共通テスト対策に入るのは高3の夏を過ぎてからという人もいるでしょうが、普段から情報収集して頭の中で整理しておきましょう!
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