医学部で後期入試がある大学は28校ある!実施日や配点もご紹介
この記事では、国公立大学や私立大学の後期試験での受験を予定、検討している人に向けて概要を解説します。
前期日程と後期日程では入試の際に重視される項目も違ってくるため、前期日程と同じ気持ちで受けると思ったように点数が取れないことも。
後期日程まで見据えた受験計画を立てている人、前期と後期で出願大学を変えるべきかどうか迷っている人は参考にしてみてくださいね!
また最後には、追い込まれている方へ向け、受験期後半の「気持ちの保ち方」にも触れているので、ぜひご覧ください。
Contents
一次試験、二次試験とは?
国公立大学の受験では、共通テストに加えて二次試験の結果を合わせることで合否が決定します。
この共通テストのことを一次試験と言います。
二次試験は各大学ごとの試験で、試験日程によって前期(2/25~)、中期(3/8~)、後期(3/12~)と分かれてます。
前期日程 | 後期日程 | |
出願期間 | 1月下旬~2月上旬 | 1月下旬~2月上旬 |
試験日程 | 2月下旬 | 3月中旬 |
募集人数 | 8割 | 2割 |
試験科目 | ・文系:英語、数学、国語、地歴公民の中から2~3科目
・理系:英語、数学、理科の中から2~3科目 |
各大学ごとに異なる
・前期日程と同じ ・総合問題 ・小論文 ・共テのみなど
|
注意点として、
①「後期日程」の出願のタイミングは「前期日程」と同じであること
②「前期日程」で合格し、入学手続きをした場合、「後期日程」は合格対象外となること
が挙げられます。
「前期日程」で合格した場合、後期日程や中期日程の合否を確認することなく、「前期日程」で合格した大学への入学の判断をすることになります。
私大の後期試験の特徴
前期試験の合否状況によって受験を考えられる
私立大学の後期試験は、前期試験の受験や合格発表を終えてから出願できます。
そのため大学・学部の選択肢が広くなり、より高いレベルの大学を受験したり、確実に受かるであろう大学の受験をすることができます。
出願期間が長い
私立大学の後期日程は、その年の大学受験の最後の受験チャンスとなります。
自分の合否の状況を考えて出願したり、すでに合格している大学より高いレベルの大学の受験を考えることができます。
出願の受付期間中にミスなく願書を送付できるよう、早め早めに準備しましょう。
共テ利用入試や受験科目が少ない入試がある
国公立大学の一部と私立大学の一部では、後期日程にも共通テスト利用入試を取り入れてる大学があります。
後期日程の共通テスト利用入試は共通テスト受験後に出願できるため、自己採点の点数と予備校が発表するボーダーを比べながら出願を考えることができます。
出願を視野に入れている人は志望校の出願日程を確認しましょう。
自分の得意科目に絞って受験科目を選択するなど、科目に応じた対策を計画することで、より合格可能性を高めましょう。
私立医学部の受験について
私大医学部では受験者数が多いため、筆記試験に通過した人のみ、次の面接・小論文の試験を受験できるというシステムであることがほとんどです。
ですので筆記試験に通過したという発表を聞いてから、別日に面接の試験を受けることになり、筆記試験の合否状況によって受験のスケジュールが変わってきます。
私大医学部の入試では
「この大学の筆記試験に合格したから、ここの大学の筆記試験は日が重なって受験できないな」となることもあります。スケジュールをよく確認して出願しましょう。
後期日程の方が難易度が高いというワナ
大手の予備校などでは、二次試験は前期日程に比べ後期日程のほうが難易度が高いと言われています。
それは、
①前期日程の方が募集人数が多い
②後期試験は募集人数が少なく、高倍率になる
③後期日程では後がない状況で受験する人が一定数いるため、確実に合格できる大学を受験する人がいる
④私大後期では受験科目が少ないため、ワンチャンスを狙う受験生がいる→ますます高倍率になる
などの理由が挙げられます。
ですが、後期試験の受験は、直前まで、受験準備や対策に時間を使えます。
また何度か試験本番を経て都度、振り返りをすることで、「自分の弱点」や「試験の解き方」を改善していくこともできますし、いい意味で場慣れしやすいです。
さらに本番は、諦めて受験しにくる学生(途中で帰る、試験中寝ている)や、そもそも受験に来ない学生も多いです。
メンタル的に非常に厳しい時期ですが、だからこそ「負けずに準備を続けられている人」に合格のチャンスが来ます。
医学部後期日程は倍率が高い
医学部に限りませんが、後期日程には以下のような特徴があります。
・実施している大学が少ない
・定員が少ない
・倍率が高い
・(国立)共通テスト、面接のウエイトが大きくなりがち
国立私立問わず、後期試験を実施している大学は医学部医学科では少なくなっています。
全国に医学部は82校ありますが、そのうち後期試験を実施しているのはわずか 校。
しかも、ほとんどの場合定員が少なく、5〜20人程度の数しか募集していません。
前期試験と違い、辞退者も出ないため合格者数が定員とほぼ同数となっているのも後期試験の特徴。
そのため、後期試験の倍率は自然に高くなります。
倍率が高いということは、合格に必要な点数も高くなるということ。
また、単に1校あたりの受験者数が増えるだけでなく、「もう後がない」との思いからランクを下げて受験する志願者も増えるため、後期試験で合格するのは至難の業です。
また、国立大学では二次試験で学力試験を課さず、面接や小論文だけになることが多いので、共通テストと面接や小論文のウエイトが大きくなります。
「数Ⅲが得意」「二次試験での挽回を図りたい」というタイプの人は、二次試験に筆記試験がある学校を選ぶようにするといいでしょう。
後期日程は廃止される傾向にある?
特に国公立大学では、後期日程は前期日程に吸収されたり、地域枠にその分の人員を充てたりして廃止される傾向にあります。
2020年には広島大学、鳥取大学、福島県立大学の3校が、2021年には愛媛大学と香川大学が、2023年には岐阜大学も後期日程での後期日程を中止しました
年々後期日程を実施している大学は少なくなってきていますので、国立大学の受験を考えている人は考慮に入れておくといいでしょう。
後期を実施している大学
後期日程を実施している大学は、2025年度入試では国立大学16校、私立大学では12校となっています。
以下に一覧と配点を表にしましたので、受験戦略を立てる際の参考にしてください。
(志願する際には必ず学校のHPや入試要項で確認するようにしましょう)
後期日程のある医学部一覧・国立
2025年度のものについて各大学HPなどに募集要項が掲載されているので、常に最新の内容を確認するようにしましょう。
大学名 | 定員 | 共通テスト配点 | 二次試験科目 | |||||
国 | 社 | 数 | 理 | 外 | 情 | |||
旭川医科大学 | 8 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | ×
|
集団面接 個人面接(300) |
秋田大学 | 20
|
150 | 50 | 150 | 200 | 150 | 50 | 小論文(100) 個別面接(200) |
5(秋田地域枠) | (100) | (50) | (100) | (100) | (100) | 50 | 小論文(100) 個別面接(150) |
|
山形大学 | 15 | 200 | 100 | 200 | 200 | 200 | × | 面接(100) |
千葉大学 | 15 | 100 | 50 | 100(50/50) | 100(50/50) | 100 | 25 | 数学(300) 理科(150×2) 外国語(300) 面接(100) |
東京科学大学 | 10 | 200 | × | 200 | 200 | 200 | 100 | 小論文(100) 個人面接(100) |
山梨大学 | 90 | 200 | 100 | 200 | 200 | 200 | 100 | 数学(600) 理科(1000)外国語(600) 面接(100) |
福井大学 | 25 | 100 | 50 | 100(50/50) | 100 | 100 | 50 | 面接(120) 小論文(100) |
浜松医科大学 | 14(+静岡枠1) | 200 | 100 | 200 | 200 | 200 | 50 | 小論文(100) 面接(250) |
名古屋大学 | 5 | 200 | 100 | 200(150/50) | 200 | 200 | 50 | 英文の課題に基づいた面接 |
三重大学 | 10 | 100 | 100 | 100 | 200 | 100 | 50 | 小論文(200) 面接(100) |
奈良県立医科大学 | 53 | 100 | 50 | 200 | 300 | 200 | 50 | 数学(225) 理科(450) 英語(225) 面接 |
山口大学 | 10 | 200 | 100 | 200 | 200 | 200 | 50 | 小論文(300) 面接(200) |
佐賀大学 | 4 | 140 | 70 | 140 | 140 | 140 | 10 | 面接(120) |
宮崎大学 | 15 | 200 | 100 | 200 | 200 | 200 | 100 | 英語(150) 面接 |
鹿児島大学 | 21 | 200 | 100 | 200 | 200 | 200(150/50) | 25 | 小論文(200) 面接(120) |
琉球大学 | 25 | 200 | 100 | 200 | 200 | 300() | 100 | 面接(120) 小論文(200) |
国公立入試は日程がかぶるため、前期で1校、後期で1校しか受けられません。
しかも、出願日程は前期日程の前に締め切られてしまうため、様子見してから…というのも不可能。
自分が有利に受験できそうな大学を共通テスト直後に決めなくてはいけないため、あらかじめ「数学が高得点だったらこの大学」「総合得点がこれくらいだったらこの大学」などと決めておくと時間を無駄にせずにすみます。
後期日程のある医学部一覧・私立
大学によって「後期試験」「Ⅱ期」など名称は様々ですが、私立大学でも2回に分けて募集をする医学部はあります。
以下では、2025年度に後期募集のある私立の医学部をご紹介します。
大学名 | 定員 | 日程 | 試験科目と配点 |
埼玉医科大学 |
19名(+臨時定員1名申請予定) |
3/1 | 【1次試験】数学(100)・理科(物・化・生から2科目選択)(100×2)・英語(100)・小論文(段階評価) |
3/9 |
【二次試験】面接 |
||
獨協医科大学 |
15 |
2/27 | 【1次試験】数学(100)・理科(物・化・生から2科目選択)(100×2)・英語(100) |
3/10 |
【二次試験】面接・小論文 |
||
聖マリアンナ医科大学 |
10 |
3/6 | 【1次試験】数学(100)・理科(物・化・生から2科目選択)(100×2)・英語(100) |
3/14 |
【二次試験】面接(50)・小論文(50)・出願書類・適性検査 |
||
日本大学 |
15 |
3/4 | 【1次試験】数学(100)・外国語(100)・理科(100×2) |
3/17 |
【二次試験】数学(60)・外国語(60)・面接(30) |
||
金沢医科大学 |
10 |
3/4 | 【1次試験】数学(100)・外国語(100) |
3/12 |
【二次試験】小論文(60)・グループ面接(110・調査書等の評価を含む) |
||
関西医科大学 |
5 |
3/1 | 【1次試験】数学(150)・外国語(150)・理科(100×2) |
3/11 |
【二次試験】個別面接 |
||
近畿大学 |
5 |
2/22 | 【一次試験】数学(100)・外国語(100)・理科(100×2) |
3/8 |
【二次試験】小論文(段階評価)・面接 |
||
日本医科大学 |
33
(うち地域枠6人)
|
2/28 | 【一次試験】外国語(300)・数学(300)・理科(200×2) |
3/9 |
【二次試験】小論文・面接 |
||
藤田医科大学 |
一般枠5
愛知県地域枠 5名以内 |
3/3 | 【一次試験】外国語(200)・数学(200)・理科(200) |
3/14 |
【二次試験】面接(40<提出書類は面接評価に含む>) | ||
久留米大学 |
約5 |
3/8 | 【一次試験】外国語(100)・理科(200)・数学(100) |
3/16 | 【二次試験】小論文(50)・面接(50) | ||
昭和医科大学 |
18 |
3/1 | 【一次試験】英語(100)・国語または数学(100)・理科(100×2) |
3/8 | 【二次試験】面接(100) | ||
大阪医科薬科大学 |
15 |
3/10 | 【一次試験】理科(200)・数学(100)・英語(100) |
3/18 | 【二次試験】面接・小論文 |
私立の場合は、国立のように面接のウエイトが大きくなることはありません。
しかし、全体的に定員が少なく、倍率が高くなる=合格のために要求される水準が高くなることは同じ。
私立大学は国立と違って全部の学校の試験日が同じというわけではありませんが、受験日は被りがちです。
「自分の行きたい大学に再チャレンジする」か「合格可能性の高い大学に切り替える」かを考えて選択する必要があるでしょう。
後期日程まで計画を立てて受験しよう
その年度の最後の入試となる後期試験。
前期試験よりも募集人数が少ないせいで倍率やボーダーラインが高く、合格の難易度は大幅に上がってしまう点が特徴です。
国立大学の後期日程では二次試験で学力テストが課される大学が少ないため、共通テストの点数が非常に大切になってくる部分も前期とは違います。
悔いのない受験ができるよう、そして共通テスト後に迷って時間を使ってしまわないよう、あらかじめ計画を練っておきましょう!
たとえほんの少しだけの一歩一歩でも、最後には大きな味方をします。
↓以下後期入試で合格した方の体験談です
少し長くなってしまいますが、僕の受験期の経験と反省をお話させていただくと、僕は医学部を複数受験して初めて一次試験通過の発表を確認したのは、
2月終わり~3月上旬くらいで後期の初めくらいでした。
前期に受験したほとんどの大学は不合格だったわけですが、不合格が連続すると「もうどこにも受からないんじゃないか」と考えたり、
「あれだけ勉強したのに、予備校費用や日頃の送り迎えとか親にも散々迷惑かけたのに、本当に自分はどうしようもないな」と思ったりしていました。
浪人してやり通すと決め、逃げ道はなかったので、自分の情けなさにひたすら絶望して涙したことを覚えています。
2月終わりにかけ勉強時間がゼロに近づいていき、僕はたまたまこのタイミングで筆記試験通過の知らせが来たのですが、自分を責める考え方を続けてしまい、後期日程期間中もほとんど勉強が手につきませんでした。
結局、後期試験はどこの大学にも通りませんでした。
※僕の医学部合格体験記です↓
今振り返ると、この自分を責める考え方と、それまで積み重ねてきたことへの評価が過少すぎたことが、メンタルブレイクや後期試験の結果の要因だと考えています。
反省ではなく「自分を責めても」プラスにはなかなか変わりませんし、この考え方は負のほうへループしてしまいます。
(自分はダメな奴→ 努力しない、結果が出ない→ やっぱり自分はどうしようもない奴、、、)
それよりも、「今まで積み重ねてきたこと」、「自分の目標や夢」、「ここまでなんとかやってきた自分」に自信をもって、じゃあ何をすべきか、どうやったらうまくいくか等プラスに考えるべきであったなと振り返って思います。
最後まで諦めずに受験しよう
医学部に限らず、最後まで合格の夢を諦めない人たちが受験するのが後期日程。
これから受験を考えている人も、「もしもの時は後期日程まで頑張りたい!」「受けられる試験は全部受験しておきたい」と思っている人も多いのではないでしょうか。
後期受験をする人の多くは、前期受験で残念な結果になり、精神的にも辛い状態になりますが後期入試で合格する可能性も十分にありますので最後まで頑張りましょう
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