ドクターの仕事ってキツい?当直や残業を徹底調査しました

医者のキャリア

みなさんこんにちは。冬が一歩ずつこちらに近づいてきていますね!毎日布団から出られずにもがいているのは私だけでしょうか?

今日は医師の労働についてお話ししたいと思います。最近世の中では働き方改革が叫ばれて久しいですが、これはドクターにも当てはまることなんです。

医師の勤務時間

厚生労働省が医師の労働状態について2017年に調査を行っています。

この調査によると、最長の連続勤務時間が「32〜36時間」と答えた人が38.6%、「36時間以上」と答えた人を合わせると6割超にもなります。

医師の働き方として、日勤(一般的には8時〜17時くらい)の他に、当直(17時〜翌朝9時くらい)や当直を分割した準夜帯や深夜帯など働く時間帯がまちまちとなります。そのため、勤務と勤務の間であるインターバル時間の確保がQOLに直結します。この勤務間インターバル時間についても調査が行われており、勤務割上の最短時間が「〜9時間未満」と答えた人は23.1%だったのに対し、実際の最短時間が「〜9時間未満」と回答した人はなんと43.1%。つまり勤務割上でさえも2割以上の人が短いインターバルで働くことになっているものの、実際はその倍近い人が9時間未満という非常に短いインターバルで勤務していることになります。

「9時間未満って短いの?」と思った方は、想像してみてください。24時に職場を離れて朝の9時には勤務している自分の姿を。人の命を扱うためかなりのストレスを日々感じながら働く医師にとって、とても過酷な現状を表していると思います。

医師の本音は?

リクルートが医師を対象に行った労働に関するアンケートがあります。

勤務先の1日の労働時間が9時間以上と答えた人が44.3%でしたが、アンケートによる適正だと思う勤務時間平均は7.9時間/日となっています。また1ヶ月の当直件数ですが、適正だと思う回数が平均で1.9回/月だったのに対し、2回以上であった人の割合は46.8%と半分近くにも及びます。このことから、医師自身が理想とする勤務形態と実際の勤務形態にはギャップが生じていることがよくわかりますね。

このほか「今の働き方は過重だと思いますか?」という問いに対して「過重で今後心身に影響が出ないか心配」「過重で心身への影響が既に出ている」と答えた人を合わせると33.6%、実に3人に1人以上が心身への影響を不安視していることがわかります。また「過重だが心身に影響が出るほどではない」と答えた人を合わせると、6割の人が勤務を過重だと捉えていることが判明しました。

今の働き方を過重だと捉えている人がこんなにいるということに、私はとても驚きました。私が大学病院でお世話になる先生たちは、いつも優しく丁寧に指導してくださる方々が非常に多いからです。しかし仕事に関して、自分自身を大切にした働き方ができていない医師が多いということがこのアンケートからわかるのではないでしょうか。

医師の働き方改革

では、どうすれば医師がいきいきとやりがいを感じながら働くことができるのでしょうか?これから医師の働き方が大きく変わるかもしれません。

みなさんは医師の2024年問題、という言葉を聞いたことがありますか?

コロナ禍での医療者、特に医師の労働の厳しさを受け、2021年5月に医師の働き方改革の実現に向けた改正医療法が成立しました。この改正医療法は、医師の健康確保のために、勤務間インターバルや面接指導、連続勤務時間の制限などを義務づけています。

では具体的にどのような働き方になるのか見ていきましょう。

①時間外労働の上限は年間で960時間以下・月100時間未満

もともと、労働基準法第32条で定められた労働時間は『1日8時間・週40時間まで』となっています。しかし医療者である以上、目の前で突然患者が苦しみ始めたのに、「よーし、17時になったからかーえろっ♪」なんてことできるわけがありません。そこで、医師には今回このような時間外労働を定めました。しかし、救急医療など人手がかなり必要になる医療分野、または初期研修医・後期研修医などまだまだ駆け出しで学ばなければならないことが多くある人たちには年1,860時間以下/月100時間未満と規定が緩くなっています。

どうでしょうか?多すぎるよ!って思いますか?たしかに年960時間ということは月に80時間、1ヶ月の勤務日を25日とすると、毎日3〜4時間の時間外労働をしているという計算になりますね。年1,860時間なんていったら約2倍の時間になります。

それだけ医師が必要とされているということが実感できるかと思います。

②時間外割増賃金率の引き上げ

2023年からは、医療界も含めて中小企業において、月60時間を超える時間外労働をした場合に50%以上の割増賃金率で計算して給料を支払わなくてはなりません。時間外割増賃金率を引き上げることで、雇う側はなるべく1人当たりの労働時間を短くしようとします。これにより時間外労働を軽減できるというのが狙いです。

すでに一般企業の中には働き方改革を押し進めて実現した企業も多くあるかと思います。こういった取り組みが医療界にも浸透していくのは時間の問題のような気がします。

働き方を、今から考える

いかがでしたか?いやー働き始めるのしんどい…と思った方もいらっしゃったのではないでしょうか?

私も同感です(笑)

医師は絶対に必要な職業であるからこそ、時間外労働の規制は見て見ぬふりをされてきたという現状があります。しかしついにそこにもメスが入り、これからの働き方を考える時が来ました。

みなさんは何科になりたいですか?どんなところで働きたいですか?

たくさんの叶えたい夢や目標があるかと思います。将来の働き方を考えたときに、辛そうだから、とか、途中で挫折しそう…とか不安な気持ちもあると思います。

でも、やりたいことを諦めて消去法で選ぶのではなく、やりたいことをやりながらどうやったら楽ができるのか?を考えることもとても重要です。

みなさんの夢が実現されますように!

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