医学部の難易度はどれくらい? 国公立から私立まで徹底解説

医学部の難易度はどれくらい? 国公立から私立まで徹底解説
「国公立大の医学部の難易度は、旧帝大の理系並みであることが多い」とか「私大医学部は、早慶と同じくらい難しい」と言いますが、実際には医学部の難易度や、入学するための困難さ、受験勉強や入試準備の大変さは、どのくらいなのでしょうか。
一口に「医学部」といっても、国公立と私立によって全く変わってくる要素も少なくないのですが、「入学試験の科目数」と「倍率」という観点から、できるだけ分かりやすく解説します。
倍率
国公立大学医学部の場合
国公立大学の場合は、前期後期で1校ずつしか受験できないので、私立大学医学部よりは倍率は高くなりません。
2020年度の一般入試前期日程の志願者合格倍率は、時事通信社『2021年度用 医学部最新受験情報』によりますと、以下のようになっています。
・防衛医科大学校 16.1倍
・岐阜大学 11.1倍
・愛媛大学 7.7倍
・奈良県立医科大学 7.4倍
・秋田大学、島根大学 6.6倍
・・・・・
・京都大学、大阪市立大学 2.6倍
・京都府立医科大学 2.5倍
・筑波大学、九州大学 2.4倍
・徳島大学、和歌山県立医科大学 2.2倍
倍率が2~3倍に抑えられている大学もあるものの、やはり同じ大学の他学部と比べれば、難関であることに違いないでしょう。
また、2020年度の後期日程では、23.0倍~11.7倍と、最低でも11倍を超えており、極めて難関となっています。
私立大学医学部の場合
私立大学は入試日程が大学によって異なるため、たくさんの大学を受けることができます。その結果、受験者数が多くなり、倍率は高くなる傾向にあります。
私立専願の受験生と、国公立大学と私立を併願する受験生がいて、どちらも私大医学部はたくさん受験するでしょう。
医学部受験生だと、私立大学医学部を10校ほど併願することも珍しくありません。
倍率も、108.2倍~5.6倍と、国公立大学と比べて倍以上になっていると言えます。
「国公立大学は学費も安く人気が高いから、滑り止めに私立を受けておこう」という甘い考えでいると、(受験者数の多い)私立にもなかなか受からないというのが、医学部受験の難しさの一つかもしれません。
私立をたくさん受けるとなると、ペーパーテストと面接の両方があってスケジュールが過密になりますので、そういう時は以下の記事を参考にしてみてください。
https://medichen.tokyo/advice-exam1/
https://medichen.tokyo/advice-exam2/
入学試験の科目数
国公立大学医学部の場合
共通テストと個別学力試験の両方を受けなければならないので、全部で6科目が必要になります。
それだけ、勉強しなければならない総量も増えるという事ですね。
共通テストに必要な6科目は、以下の通りです。
・英語
・国語
・数学(数1A、数2B)
・理科2科目(物理、化学、生物、地学より選択)
・社会(日本史B、世界史B、地理B、倫理政経より1科目選択)
医学部受験する人も含めて、理系の人は英語や数学や理科2科目の準備で忙しいのに、古文・漢文や社会の勉強までしなければならないというのは、だいぶ負担になり、難易度が高くなります。前々から勉強計画を立てて、リズムを崩さず進めていく必要があると思います。
学費の安い国公立大学医学部は、科目数が多い点で、ハードルが高いと言えます。
そのため、高校2年生までに、少なくとも英語と数学、理科1科目は固めておく必要があります。
さらに、個別学力試験で必要な4科目は、以下の通りです。
・英語
・数学(数1A、数2B、数3)
・理科2科目
※ただし、大学によって個別学力試験で課せられる科目に違いがある場合があるので(国語が課される、理科が無いなど)、必ず前もって大学のホームページや募集要項などで確認しておきましょう!
私立大学医学部の場合
共通テストを課さない大学が多いので、そのぶん科目数は少なく抑えられるのですが、併願する受験生が多い大学では国公立より倍率が高くなることも。
個別学力試験で必要な4科目は、以下の通りです。
・英語
・数学(数1A、数2B、数3)
・理科1科目または2科目
ただし、たとえば帝京大学医学部の一般選抜の一次選考では、「英語は必須で、あとは数学・物理・生物・化学・国語の5科目から2科目を選択」(数学には数3が含まれず、国語は古文漢文を除く)と定められているなど、大学によって異なる場合があるので、必ず前もって調べておきましょう。
・出身校
東京大学大学院
・出身地
東京都世田谷区
・経歴
英会話スクールで講師とバックオフィスを担当。現在は医学部受験塾ASIRにて英語、地歴公民、国語を担当、Medichenの編集長を兼任。
・PR
大のドイツ通で、クラシック音楽が趣味。大学院修了後、ドイツに留学。ドイツ語だけではなく英語、フランス語、ラテン語、古代ギリシャ語、韓国語、イタリア語、スペイン語など多言語と触れ合うことも趣味のひとつ。高校時代の親友数名が国立大医学部に進学しており医学部受験に対するアプローチにも精通。江戸文化の名残や、欧州の建物と自然が融合した雰囲気などを日々探している。

コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。