新薬開発ってどんな仕事?
先輩にインタビューしてみた!

「病気を治す仕事」と聞くと医者や薬剤師を連想してしまいがち。
しかし、医療に貢献する方法はそれだけではありません。
製薬会社で新薬開発に関われば、医者のように目の前で患者さんを助けることはできませんが、研究を通じてより多くの人を助けられます。
今回は生物系の修士を修了し、製薬会社に勤務するAさんのお話をお伺いしました。
どんな人が新薬開発に向いているのか、実際に薬がどう作られるのかについてを教えてもらいました!
今回インタビューした先輩はこちらの方!
【お話を聞いた方】
Aさん
【学校】
筑波大学生物資源学類 修士修了
製薬会社勤務。現在社会人4年目。
前回の記事はこちら

製薬会社にはどんな人がいる?
– 製薬会社で研究しているのは薬学部卒の人ばかりなのでしょうか?
Aさん:私の働く会社には生物系、農学部の人もいますね。
再生医療の発達段階で、バイオ系の知見への需要が出ているので。
女性も職場には多いです。
もちろん薬学部出身の人も多いですが、薬剤師の免許をとって研究の道に進む人は比較的少ないですね。
私は腎臓を研究していた研究室に所属していて、たまたま会社がその領域の人を求めていたのでこの会社に入ることになりました。
– 普段はどんな1日ですか?
Aさん:毎日実験してデータを取っていきます。
定時は9:00-17:30ですが、フレックスか裁量労働制になります。
3年目まではフレックスでしたね。
大学の時は自分たちで動物に餌やりなどもしなくてはいけなかったため、休日や不必要な拘束時間がありましたが、製薬会社は専門の業者を入れているので、自分たちでやる必要はありません。
目的を期日までに達成するため、やることとやらないことを決め、ゆとりを持ってやっています。
最短でも10年!薬ができるまで
– どんなふうに薬ができていくのでしょうか?
Aさん:最初はプロジェクトを立ち上げるところからですね。
最初は化学系の薬剤研究者、ケミストが合成した複数の化合物の効果を検討します。
望む薬効があるかどうか、安全性はどうか、などですね。
安全性などの基準をクリアできたら、クリニカル、つまり臨床試験の段階になります。
臨床試験にはフェーズが4つあります。
第Ⅰ相:少人数の健康な人に飲んでもらう
第Ⅱ相:少人数の疾患を持った人に飲んでもらう
第Ⅲ相:大人数の疾患を持った人に飲んでもらう
第Ⅳ相:薬の市販後行われる、予期せぬ副作用や使用法などについての情報収集
「治験バイト」の募集があるのは第Ⅰ相の部分ですね。
第Ⅱ相・第Ⅲ相は患者の選定や症例数などのルールがあり、計画立案も必要です。
トータルで最短でも10年はかかります。
臨床試験はやり直しができないので、慎重にやらなくてはいけません。
– どんなところに仕事の面白さを感じますか?
Aさん:研究で、わからないことを解明していくのが面白いです。
みんなで力を合わせて研究をしたい、何かを作り出すことが好きな人に向いていますね。
自分がそのタイプかどうかは、大学や大学院に行けばわかると思います。
興味のある研究室を選んでみるといいですよ。
新薬開発に関われば、将来的により多くの人を助けられるかも!
薬学部出身でなくとも、大学や大学院での研究分野によっては将来的に新薬開発の研究職に就くことも可能です。
「薬に興味がある、けれども薬剤師になりたいわけではない」という人は、農学部や生物学系の学科も視野に入れてみると良いかもしれませんね。
将来的に、自分の作った薬で多くの患者さんを助けられるようになるかもしれませんよ!
次回のインタビュー記事はこちら!

九州大学大学院修士課程修了(哲学専攻)、千葉県出身。大学は上智大学文学部哲学科。
勉強する時はリプトンの紅茶を常にお供にしていた。
受験時は特に世界史に苦労し、先生には「数学受験だと思ってた!」と驚かれるほどの状況だったがなんとか現役合格。 大学・大学院在学時は塾講師/家庭教師として文系科目を教えました。

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