医大生インタビュー(38)
杏林大学は進級が厳しい?(杏林Sさん)

医者を目指す受験生は「医学部合格」を目標にしてしまいがちですが、実は医学部入学はスタート地点。
医学部に入ってからも毎日勉強し、試験に合格していかないと医師にはなれません。
そこで、今回は杏林大学5年生のSさんに、大学の授業面を中心にお話をお伺いしました。
印象に残っている授業と、進級の厳しさについて教えてくれましたよ。
今回インタビューした医大生の先輩はこちらの方!
【お話を聞いた方】
Sさん
【学校・学年】
杏林大学医学部 5年生
【現役・既卒】
2浪
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印象深かった授業と、受験生へのメッセージ
大学に入ってから気になるのが「授業の厳しさ」と「留年割合」。
良い医師になるためには正確な知識を身につけることは必須ですが、あまり留年数が多いと「ついていけるかな」と心配になっちゃいますよね。
そこで今回は、どれくらい再試を受けたり留年したりする人がいるのかをお伺いしました。
印象に残る授業
– 大学の授業で印象に残ったものはありますか?
Sさん:やっぱり解剖実習です!
みんなそうだと思いますけど。
亡くなってる人ってあまり見る機会ないじゃないですか。
最初は怖かったんですけど、慣れましたね。
解剖実習って1班1体なんですけど、私はそれを清掃する係になったんですよ。
ホルマリンに浸かってるので、それに水をかけて洗うんです。
やっているうちに平気になりました。
– 大変だった授業はありますか?
Sさん:薬理学ですね!
3年の前期に終わったんですけど、授業でゼクシィかな?ってぐらい分厚い本渡されて。
表紙には「ハーバード大が使う」とか書いてあるんですよ!
「いやいやいや……」って思うじゃないですか。
先生の教え方はうまいんですけどとにかく量が多くて、試験も隅っこの方にちょっと書いてあることが出てくるんです。
薬理は100人くらい再試になりましたね。
– 受からずに留年する人もいますか?
Sさん:1学年120人くらいいますけど、うち20人くらいは留年しますね。
でも、2回留年すると放校になっちゃうので、そこまで行く人はほとんどいないと思います。
受験生へのアドバイス
– 最後に、受験生へのメッセージをお願いします。
Sさん:当時の自分にいうなら、「遅れていることにとにかく早く気づけ」ってことですね。
浪人する人って、「このままではやばい!自分が医学部に受からない!」って気づくのが遅いんですよ。
私は現役時代からずっと「まずい」とは父に言われていたんですけど、言われるのが嫌であんまり聞いてなかったんですよね。
やっと1浪で気づいて始めた感じなんで。
あと、「失敗したときの自分がもし横で今の自分を見ていたら何というか?」を考えてみるのもいいと思います。
数年後、医学部受験に失敗した自分が怠けている今の自分を見たら、「いや勉強しろよ……」ってなるじゃないですか。
将来の自分に見られても「ちゃんとやってるね」って言ってもらえるなら大丈夫ですよね。
後悔しないように頑張ってください!
次回のインタビューは「医師のキャリアにはどんなものがある?」
120人中100人が再試、20人が留年とは結構高い割合です。
杏林大学医学部に通うなら、合格したからといって気を緩めずに勉強し続けないといけませんね。
次回からは、薬剤師や新薬開発で実際に活躍する社会人の方に、働き方なども含めインタビューしていきます。
初回は医者のキャリアについて、元医師専門の転職コンサルタントの方にお話をお伺いしました。
大学病院に残ることのメリットやデメリットを包み隠さず教えていただきましたよ。

九州大学大学院修士課程修了(哲学専攻)、千葉県出身。大学は上智大学文学部哲学科。
勉強する時はリプトンの紅茶を常にお供にしていた。
受験時は特に世界史に苦労し、先生には「数学受験だと思ってた!」と驚かれるほどの状況だったがなんとか現役合格。 大学・大学院在学時は塾講師/家庭教師として文系科目を教えました。

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