医者のキャリアの種類とは?パターン別に徹底解説

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受験生の皆さんは医者にはどのような働き方があると思いますか?

身近に医者がいる人はその人の働き方が思いつくかもしれませんが、大抵は町のクリニックや大きい病院で働いている医者のイメージが強いと思います。

町のクリニックや大きい病院で働くにしても実は様々な働き方があります。

医学部受験は、高校生で自分の進路をきめるのと殆ど同じことです。もちろん医師にならずに企業に勤める人もいますが、医師になる人が多いでしょう。

医学部受験を目指す上で、医師としてどんな将来を望むのか考えることはとても大事です。

大まかではありますが、今回は医師の働き方にはどのような種類があるのかお伝えしたいと思います。

今回は研修医の2年間の話ではなく、長い目でどういった働き方があるのかについてお伝えしていきます。

医者のキャリアは大きく分けて3パターン

医者のキャリアは大きく分けて3パターンあります。臨床医、研究医、その他の順に多いです。

臨床医 いわゆる病院やクリニックで働く医者

皆さんが医者と聞いて思い浮かぶのが臨床医です。大学病院や市中病院に勤務する勤務医、個人でクリニックを開設医している開業医、バイトをメインとするフリーランス医などがいます。詳しくは後述します。

主な業務としては患者さんの診察や検査のオーダー、薬を出したり、手術などの処置をしたりなどがあります。

また、少数ですがアメリカの医師国家試験に合格しアメリカで研修医、臨床医の道に進む人もいます。詳しくはセザキングというあだ名をもつ先生のブログUSMLEGOで紹介されているので参考にしてみてください。

研究医 研究をメインで行う医者

研究医は主に大学や大学病院ではたらきます。大学病院の業務を合わせて行っている場合もあります。

名前の通り、研究をメインで行っている医師です。研究内容は多彩で生物で習うような遺伝子やタンパク、酵素などの働きや臓器の仕組みのなど研究(基礎研究)や人を対象とした治験などを行う研究(臨床研究)、病気の発生率やワクチンの予防効果などを大規模に調査する研究(疫学研究)などがあります。

基礎研究や疫学研究は大学で行い、臨床研究は大学病院や規模の大きい市中病院で行われることが多い印象です。

それ以外の道 行政や企業に就職

少なくはありますが、行政に進んだり、就活を行い企業に就職したり、自ら起業する人達もいます。

医学部に入ったものの自分には合っていないと感じた人は企業に就職するのもひとつの手だと思います。ちなみに、それでも、医師免許はとることをおすすめします。医師免許には様々な資格が付随しているためです。実は飲食店も開くことが出来ます。

医師免許に付随する様々な免許は以下のサイトで知ることが出来ます。

 

臨床医にも様々な働き方がある

臨床医にも様々な働き方があります。病院、クリニックなどに分けて説明していきます。

大学病院で働く

まずは、大学病院ではたらく場合です。大学病院で勤務医としてはたらくメリットとしてはなんと言っても最先端の医療を学び、提供していくことが出来る点です。また、将来働く医局(大学は診療科ごとに医局があり、主な人事はここできまります。)によりますが、大学院への進学、研究、研究留学、技術を磨くために留学などを行うこともできます。教授など高いキャリアを望む場合も大学病院にいるべきです。デメリットとしては給与面です。大学から支払われる給料は業務内容や時間を考えると少ないものとなっています。大抵の医師は外病院へバイトに行くことで給料を補填しています。バイトの方が給料がいいことが多いのです、、、

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市中病院で働く

近年、ライフワークバランスが重視される傾向にあり、若い医師の市中病院人気が高まってきていると感じています。専門医(初期研修医2年が終わると、消化器内科など専門医をとる人が多いです)を市中病院でとる医師も増えてきたように感じます。昔は専門医を大学病院でとる医師がほとんどだと聞きました。市中病院のメリットは給料の良さです。バイトをしなくても高収入を望めます。大学病院よりも日常的に多い疾患を扱うことが多く、より地域に密着した医療を提供することが出来ます。

デメリットとしては、大学院へ進学しにくいことや、病院の規模や人数により、業務量や責任の重さの差が大きいことでしょうか。

開業医やフリーランスなど

開業医やフリーランス医などもいます。

開業医は皆さんが想像する町のクリニックです。大学や市中病院で経験を積んでから開業する医師や親や親戚のクリニックを継ぐ医師もいます。

最近では自由診療を主とする美容系のクリニックも増えてきました。自由診療では治療費が定められていないため、高収入が望めるのです。しかし、医学的な根拠のない治療も多く周囲の医師の評価は様々です。

開業医のメリットは自分ですべてを決められる点です。しかし、それがデメリットでもあり、開業の手続きや経営、看護師、事務員の手配などをすべて自分で行わなければなりません。

フリーランス医師は主にバイト等のみを行う医師です。大学病院で働く場合で既に述べましたが、バイトの給料は高いです。そのため、バイトだけをして稼ぐことは可能です。うまく働いている先生の中には週3~4日の勤務で市中病院の先生ぐらい稼いでいる人もいます。デメリットとしては、正規雇用ではないため、将来が不安定な点です。いつ解雇されてもおかしくはありません。しかし、現在、医師の需要はつきないため働く先がなくなるとは考えられません。

都心で働くか、地方で働くか

都心で働くか、地方で働くかによっても働き方はかなり変わってきます。

都心は医療人材が豊富なため、個人の業務や責任が少なくなる傾向にあります。業務や責任が減ることで、自身の不安の大きさが減るだけでなく、休みなども比較的とりやすくなります。(とはいえ、勤務医は忙しく、休みにくいことが多いですが)

地方では医療人材が不足している地域が多く、それだけ個人の業務も増え、責任も重くなります。当直(夜や休日など営業時間外に来た患者さんの対応をする医師)も増えるため、身体的負担は大きいと思います。しかし、それだけ地域に貢献する医師として働いているというやりがいを感じることも出来ます。

働く病院、働き方、働く地域によって自身の生活も大きく変わる

将来子供を持つことを考えてみてください。この学歴社会において、子供にはなるべく良い教育、様々な体験が出来る環境で育てたいと考える親が多いと思います。地方ではこれが叶わない、もしくは遠くまで通わないといけない場合が多いです。

私は都心と地方の中間くらいの土地に住んでいましたが、親や親戚に車で送り迎えしてもらわなければ習い事や塾には行けない場所に住んでいました。車で通える範囲に様々なものがあるとしても、自身が早く帰れる病院、またはパートナーや親戚が送り迎え出来る環境である必要があります。

もちろん、地方で自然に包まれてすくすくと育てるのも魅力的ですし、経験させたいものの一つです。これは親のエゴ的なものかもしれませんが、私が親ならやはり、それ以外の様々な経験もして欲しいのです。

このように、将来、都心と地方どちらで働くかは自分の問題だけではありません。家庭の問題も含まれてくるのです。もちろん、独り身を貫くと決めているなら別です。

医学部の奨学金制度の1つに地域枠がありますが、自分の将来の働き方、家族の問題も考えて、良く条件を読み、考慮することをおすすめします。

私も地域枠制度を利用しています。その地域に要ることは苦痛ではありませんが、様々な条件をクリアして自分のキャリアを築いていくには正直、地域枠制度が邪魔だと感じます。奨学金をもらわなければ医学部に通えなかったので、地域枠制度を利用しない選択肢はもともとありませんでしたが。

受験生は将来、医者として自分がどんなキャリアを積みたいか考えておこう

紹介したとおり、医師の働き方には様々なものがあります。漠然と医師として働きたいと思うだけでなく、将来自分がどう働きたいか、どのようなキャリアを積みたいかよく考えて見てください。

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宮本凛

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東京医科大学の医学部の医大生ライター。カラフルでポップでワクワクするようなイラストや服を見るのが好き。音楽にも興味があり、3歳から現在まで様々な楽器を演奏し...

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